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ファクタリングは確定申告なしで利用できる?審査条件と書類チェック10項目

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タイトル:ファクタリングは確定申告なしで利用できる?審査条件と書類チェック10項目

「確定申告をしていないとファクタリングは申し込めないのではないか」と心配する個人事業主や、開業して間もない法人は少なくありません。この記事では、ファクタリングと確定申告書の位置づけ、申告前でも相談しやすい条件、開業1年未満の事業者が押さえたい注意点、「確定申告書不要」をうたう業者に潜むリスク、ファクタリング会社を選ぶ際の確認ポイントを整理します。審査で重視される書類やチェック項目を客観的に整理し、自社に適した資金調達手段を検討する際の基礎資料とすることを目的としています。

 

ファクタリングと確定申告書の位置づけ

ファクタリングは、売掛金(請求書などに基づく債権)をファクタリング会社へ譲渡し、支払期日より前に資金化する取引です。

銀行融資のように「借入金」を増やすのではなく、売掛債権の売買によって資金を調達するスキームであり、審査では「売掛金が確かに存在するか」「事業が継続しているか」といった点が重視されます。

 

実務上、多くのファクタリング会社は、請求書・通帳コピー・本人確認書類に加え、法人であれば決算書、個人事業主であれば確定申告書などの財務資料の提出を求めています。

こうした書類は、売掛金の金額が事業規模と見合っているか、継続的に売上が発生しているか、赤字や税金の滞納がないかなどを確認するための基礎資料です。

 

一方で、創業直後や少額取引を対象とするオンライン完結型のサービスなどでは、決算書や確定申告書を必須とせず、請求書・取引の実在を示す資料(契約書・メール等)・通帳コピーを中心に審査するケースもあります。

これは法律で一律に定められているわけではなく、各社が自社の与信ポリシーとして運用しているものです。

 

確定申告書は、特に個人事業主にとって、事業所得の収入・経費・所得金額が整理された公的な資料であり、事業の中身や規模を示すうえで重要な役割を持ちます。

そのため、「確定申告書がないと必ず利用できない」「なくても必ず利用できる」といった単純な話ではなく、「多くの会社では原則提出を求めるが、例外的に別資料で代替できるサービスもある」という関係性で理解しておくことがポイントです。

 

書類 ファクタリング審査で確認される内容
確定申告書・決算書 売上規模・利益水準・赤字の有無、事業の継続性、税務申告状況
請求書・契約書 売掛金の存在、取引条件(支払サイト・締日)、継続取引かどうか
通帳コピー 売掛金入金の実績、入出金の動き、残高不足や滞納傾向の有無
本人確認書類・登記簿 利用者・法人の実在性、代表者・所在地、反社会的勢力排除の確認など

 

ファクタリング審査で見られる主な観点

ファクタリングの審査は、単に確定申告書や決算書の有無だけで判断されるものではなく、複数の要素を総合してリスクが評価されます。

代表的な観点として、①売掛金の内容(取引先、支払期日、取引実績等)、②利用者の事業実態(売上規模や資金繰りの状況等)、③売掛先の信用力、④スキーム(二社間/三社間)の違いなどが挙げられます。

 

「売掛金の確実性」の確認では、請求書・発注書・納品書・契約書などから、架空・二重請求ではないこと、支払期日や条件が明確であること、過去に入金遅延が発生していないかなどをチェックします。

「利用者の事業実態」については、決算書や確定申告書、試算表、通帳の入出金履歴などを用いて、売上推移や資金繰りの状態が確認されます。

 

あわせて、「売掛先の信用力」も重要です。売掛先企業の規模・業歴・財務状況・支払実績をもとに将来の回収可能性が評価され、三社間ファクタリングでは売掛先への債権譲渡通知や承諾書が必須となる場合が一般的です。

二社間ファクタリングは売掛先に通知しない分、ファクタリング会社にとってリスクが高くなるため、利用者側の財務情報や入金実績をより細かく確認する傾向があります。

 

審査でチェックされる代表的なポイント
  • 請求書・契約書・納品書等から見た売掛金の実在性と取引条件
  • 決算書・確定申告書・通帳等による事業実態・資金繰りの把握
  • 売掛先企業の規模・業歴・支払実績等に基づく信用力
  • 二社間/三社間といったスキームごとのリスクと必要書類の違い

 

個人事業主に確定申告書を求める主な理由

個人事業主は、事業から生じた所得について、一定の条件を満たす場合に所得税の確定申告が必要とされています。

確定申告書は、その年の収入金額や必要経費、所得金額などをまとめた公的な書類であり、事業内容や事業規模を外部に説明するうえで重要な根拠資料になります。

 

ファクタリング会社が個人事業主に確定申告書の提出を求めるのは、主に事業実態と売掛金の位置づけを確認するためです。

売掛金の金額だけを見ても、その取引が通常の取引範囲なのかイレギュラーな案件なのか判断しにくい場合がありますが、確定申告書に記載された売上高や経費と比較することで、売掛金が事業規模と整合しているかを検証しやすくなります。

 

また、複数年分の確定申告書があれば、売上や利益の推移、赤字が続いていないかといった点も確認できます。

税務申告と納税が適切に行われている事業者は、帳簿の作成・保存義務を履行していると見なされやすく、事業継続性の観点からもプラスの評価につながります。

このため、多くのファクタリング会社では、個人事業主に対して直近1〜2年分の確定申告書(青色申告書を含む)を求める運用が一般的です。

 

個人事業主の確定申告書が重視される理由
  • 売上・経費・利益が整理された事業実績を客観的に示せる
  • 売掛金の金額が事業規模と釣り合っているか判断しやすい
  • 税務申告状況から帳簿管理や事業継続性を推測しやすい
  • 複数年分を確認することで売上推移や赤字継続の有無を把握できる

 

決算書・確定申告書が不要となるケース

すべてのファクタリング会社が、必ず決算書や確定申告書を提出条件としているわけではありません。開業したばかりでまだ決算期を迎えていない法人や、確定申告前の個人事業主など、そもそも提出できる財務書類が存在しないケースもあります。

このような場面では、請求書・取引を示すエビデンス・通帳コピーなどを中心に審査を行う運用を採用している会社もあります。

 

また、少額取引やオンライン完結型のファクタリングでは、「決算書・確定申告書不要」を特徴として、本人確認書類・請求書・取引先とのやり取りが分かる資料など、限定された書類で申し込みできるサービスも見られます。

三社間ファクタリングで売掛先の信用力を重視するタイプのサービスでは、売掛先からの債権譲渡承諾書や印鑑証明書といった売掛先側の書類比重を高めることで、利用者側の財務書類を一部省略するケースもあります。

 

ただし、「決算書・確定申告書不要」としているサービスであっても、審査の過程で追加書類の提出を求められる場合や、内容によっては利用不可となる場合もあります。

また、確定申告書の提出が不要なファクタリングを利用できたとしても、税法上の確定申告義務そのものが免除されるわけではありません。

一定の所得がある個人事業主などは、別途国税庁の基準にしたがって確定申告を行う必要があります。

 

決算書・確定申告書が省略されやすい典型パターン
  • 開業1年未満など、まだ決算や確定申告を行っていない事業者
  • 少額の売掛金を対象とするオンライン完結型サービス
  • 売掛先の信用力を重視する三社間スキーム等で利用者側書類が簡略化される場合
  • いずれも審査状況によって追加書類や利用不可となる可能性がある点に注意

 

確定申告なしで利用しやすい条件

ファクタリング会社のなかには、確定申告書や決算書を必須とする会社と、請求書や通帳情報を中心に審査を行う会社があります。

後者のタイプでは、新設法人・開業1年未満の事業者、少額・スポットの資金需要を対象とするサービスなどで、確定申告書が用意できない状態でも相談を受け付ける運用が見られます。

 

実際に、本人確認書類・請求書・取引エビデンスの提出を前提にオンラインで申し込みを完結できる事例もあります。

ただし、すべての会社が同じ条件で対応しているわけではありません。設立1年以上の法人のみを対象とする会社もあれば、設立直後から相談可能とする会社もあります。

また、三社間ファクタリングなど売掛先の信用力を重視するスキームでは、利用者側の財務書類よりも売掛先に関する情報の確認を優先する傾向があり、その分確定申告書の提出を省略できる余地が生じることもあります。

 

このように、「確定申告書なしで利用しやすいかどうか」は、事業のステージ(新設か、ある程度の年数が経過しているか)、利用金額の規模(少額かどうか)、売掛先の信用力(大企業・公的機関か、中小企業か)などの組み合わせによって変わります。

あらかじめ自社の状況を整理したうえで、条件に合致しそうなファクタリング会社を選んで相談することが重要です。

 

条件 確定申告書なしで利用しやすい例
新設法人・開業1年未満 決算書・確定申告書がまだないため、請求書・通帳・試算表などで事業実態を確認する会社が一部存在
少額・スポット利用 少額の売掛金を対象とするオンライン型サービスで、必要書類を請求書等に絞り、確定申告書不要とする事例あり
売掛先の信用力が高い 大企業や公的機関への売掛など、売掛先を重点的に審査するサービスで利用者側の財務書類が簡略化されやすい

 

新設法人・開業1年未満での利用パターン

設立から日が浅い法人や、開業1年未満の個人事業主は、まだ決算書や確定申告書といった完成した財務資料を持っていないことが一般的です。

そのため、従来型の審査フローを前提としたサービスでは、「必要書類を揃えられない」という理由で断られてしまうケースもあります。

 

一方で、新設企業向けに、請求書や通帳の入出金履歴、主要取引先との契約書などを組み合わせて事業実態を確認する運用を採用する会社も出てきています。

ファクタリング会社によっては、「設立1年以上の法人のみ受付」と明記している一方で、「設立間もない企業でも相談可」としているところもあり、対応方針はさまざまです。

 

新設企業にも対応する会社では、売掛金の成因を示す書類(注文書・契約書・請求書など)や、売掛先からの入金が確認できる通帳コピーを重視し、税務書類が不足している部分はヒアリングや補足資料でカバーする運用が一般的です。

そのため、新設法人や開業直後の個人事業主が確定申告前にファクタリング利用を検討する場合は、「設立何年目から利用可能か」「決算書・確定申告書がない場合に代わりになる書類は何か」を事前に確認しておくことが重要です。

あわせて、企業概要や主要取引先一覧、請求予定の案件一覧などを整理しておくと、審査時の説明がスムーズになります。

 

新設法人・開業1年未満で準備したい書類例
  • 契約書・注文書・請求書など、売掛金の成因を示す書類
  • 事業用口座の通帳コピー(直近3〜6か月分の入出金履歴)
  • 会社・事業の概要資料(会社概要、事業内容、主要取引先一覧等)
  • 試算表や簡易的な収支表があれば併せて用意しておく

 

少額取引や単発利用のケース

一度きりの単発の資金需要や、数万円〜数十万円規模の少額売掛金を早めに現金化したい場合には、オンライン完結型の少額ファクタリングサービスが選択肢になります。

こうしたサービスのなかには、本人確認書類・請求書・取引を示す資料の提出を条件に、決算書や確定申告書を省略しているものもあります。

 

ただし、「決算書不要」をうたうサービスであっても、買取金額の下限を設定している会社は少なくありません。

たとえば、買取下限を50〜100万円程度に設定し、それ未満の金額は対象外としているケースもあります。

 

必要金額が少額であればあるほど、「どの会社でも申し込みやすい」と考えるのではなく、自社が必要とする金額帯と各社の最低・最大買取金額を事前に比較しておくことが重要です。

さらに、少額・短期のファクタリングでは、手数料率が高めに設定されやすく、実質的なコストが割高になりやすい点にも注意が必要です。

 

たとえば、請求書額30万円に対して手数料率10%、入金を30日早める取引の場合、手数料は3万円となり、年換算した実質負担は相対的に高くなります。

少額・スポット利用は、一時的な資金繰り調整手段として位置づけ、長期的に繰り返し利用する前提にはしないことが望ましいといえます。

 

少額・スポット利用時のチェックポイント
  • 自社の必要金額が各社の最低・最大買取金額の範囲に収まっているか
  • 必要書類が請求書・通帳・本人確認書類などで足りるか
  • 手数料率と入金までの日数から実質コストを試算し、許容範囲か確認する
  • 常態化を避け、一時的な資金繰り調整として利用できるか検討する

 

売掛先の信用力が重視される場合

売掛先が大企業や上場企業、公的機関など、一定の信用力を有すると判断される場合、ファクタリング会社は利用者よりも売掛先の支払能力を重視して審査を行うことがあります。

三社間ファクタリングや請求書特化型サービスでは、売掛先への債権譲渡通知や承諾書、売掛先名義の入金実績が確認できる通帳などが主要な確認資料となり、利用者側の決算書・確定申告書は相対的に簡略化される傾向があります。

 

こうした「売掛先重視型」のサービスでは、取引先との継続的な取引実績や、インボイス制度に対応した請求書の発行状況など、売掛債権そのものの信頼性が重要視されます。

そのため、利用者側の業歴が浅い、直近が赤字決算であるといった状況でも、売掛先が安定した企業であれば、確定申告書や決算書に過度に依存しない審査が行われる余地があります。

 

ただし、本人確認や反社会的勢力との関係の有無など、利用者側について最低限の確認が省略されるわけではありません。

売掛先の信用力を前提とするスキームは、特定の大口取引先に売掛が集中している事業者や、公的性格の強い取引先を持つ事業者にとって、確定申告書を提出しにくいタイミングでも選択肢になり得ます。

一方で、売掛先の業績が悪化した場合には、契約更新や買取条件の見直しが行われる可能性があるため、取引先の信用リスク管理も併せて行う必要があります。

 

売掛先重視型サービス利用時のポイント
  • 売掛先が大企業・上場企業・公的機関など、一定の信用を有するか
  • 取引継続期間や支払い遅延の有無など、過去の取引実績を説明できるか
  • 契約書・注文書・請求書など、売掛債権の成因を示す書類が揃っているか
  • 利用者側の本人確認・反社チェックなど、基本的な審査は行われる前提を理解する

 

開業1年未満の個人事業主が押さえたい注意点

開業から1年未満の個人事業主は、初回の確定申告前であることが多く、決算書や確定申告書といった完成した財務資料を持っていない場合が一般的です。

そのため、ファクタリングを利用しようとしても、審査で求められる書類を十分に提示できず、「事業の実態が把握しにくい」と評価されるリスクがあります。

 

特に、取引先との契約書が作成されていない、請求書が紙やメールで点在している、売上入金が私用口座と混在しているといった状況は、審査を難しくする要因になります。

一方で、開業直後であっても、請求書・納品書・取引メール・通帳の入出金履歴などを整理しておけば、売掛金の実在性や取引の継続性を一定程度示すことは可能です。

 

ファクタリング会社は、確定申告書がない場合こうした資料を組み合わせて、「実際に売上が発生しているか」「売掛先が実在しているか」「入金実績があるか」を確認します。

そのため、開業初年度の段階から、取引資料を体系的に保存し、事業用口座を分けておくことが重要です。

 

また、ファクタリングは入金時期を前倒しする手段であり、赤字の解消や恒常的な資金不足を根本的に解決するものではありません。

開業期は設備投資や広告費など先行支出が膨らみやすい時期ですが、「どの案件でどの程度の売上・利益が見込めるか」「いつ入金が見込まれ、いつ支払いが発生するか」といった資金繰りの基本を整理したうえで、必要な場面に限定してファクタリングを活用することが、将来的な負担を抑えるうえで重要です。

 

ポイント 開業1年未満での主な留意事項
書類不足 確定申告書の代わりに、請求書・契約書・通帳などで事業実態を説明する必要がある
口座管理 私用口座と事業用口座を分けないと、売上入金の判別が難しくなり審査が長引きやすい
資料整理 請求書や取引メールを案件単位でまとめておくことで、売掛金の説明がしやすくなる
資金繰り管理 ファクタリングは一時的な資金繰り調整と位置づけ、継続的な赤字補填への依存を避けることが重要

 

確定申告前に揃えておきたい取引資料

確定申告前の個人事業主がファクタリングを検討する際に意識したいのは、「確定申告書の代わりに事業実態を説明できる資料をどこまで揃えられるか」という点です。

ファクタリング会社にとって重要なのは、売掛金が架空でないこと、実在する取引先との取引から発生していること、将来の入金が見込めることを確認できる資料です。開業初年度であっても、これらを裏付ける資料を事前に整えておけば、審査が進めやすくなります。

 

具体的には、請求書・見積書・注文書・納品書・契約書といった「取引の流れが分かる書類」、取引先とのメールやメッセージアプリの履歴など「取引経緯を示す記録」、すでに入金があった場合にはその入金日・金額が分かる通帳の記録が重要です。

ファクタリング会社によっては、これらを案件ごとに整理した一覧表や、今後の請求予定をまとめた簡単なスケジュール表の作成を求める場合もあります。

 

さらに、開業届の控え、屋号名義の口座情報、事務所や店舗の賃貸借契約書なども、実際に事業が行われていることを示す補足資料として役立ちます。

こうした資料は、ファクタリングだけでなく、金融機関からの融資や補助金の申請など他の場面でも活用できるため、早い段階から整理しておくことで結果的に事務負担の軽減にもつながります。

 

確定申告前に準備しておきたい主な資料
  • 請求書・見積書・注文書・納品書・契約書など取引の流れが分かる書類
  • 取引先とのメール・チャット等、取引の経緯を示す記録
  • 事業用口座の通帳コピー(売掛金入金が確認できるページ)
  • 開業届控え、屋号口座の開設資料、事務所・店舗の賃貸借契約書など

 

通帳や帳簿を使って売上を説明する方法

確定申告前の個人事業主にとって、通帳と帳簿は売上実績を示すうえで重要な資料です。ファクタリング会社は、請求書に記載された金額が実際に入金されているか、同じ取引先から継続的に入金があるかといった点を、通帳の入出金履歴から確認します。

そのため、売掛金の入金は可能な限り事業用口座に集約し、私的な入出金と混在しないように管理することが望まれます。

 

帳簿については、市販の会計ソフトを使ったものでも、表計算ソフトで作成した一覧でも構いませんが、「いつ・どの取引先に・いくら請求し・いつ入金されたか」が分かる形で整理されていることが重要です。

たとえば、売上帳として日付・取引先名・請求金額・入金予定日・実際の入金日を並べた一覧を作成しておけば、審査の際に対象となる売掛金を説明しやすくなります。

 

通帳の入金明細と帳簿、請求書を突き合わせておくことで、ファクタリング会社から質問を受けた際にもスムーズに回答できます。

また、現金売上が多い業種であっても、ファクタリングの対象となるのは基本的に掛取引(売掛金)であり、現金売上は対象外となる点もあらかじめ整理しておくと、審査時の認識齟齬を防ぎやすくなります。

 

通帳・帳簿で売上を説明する際のポイント
  • 事業用口座を用意し、売掛金の入金を私的入出金と分けて管理する
  • 売上帳で「請求日・取引先・金額・入金予定日・入金日」を一覧化する
  • 通帳明細と帳簿・請求書を照合し、説明できる状態にしておく
  • ファクタリングの対象は原則として売掛金であり、現金売上は含まれないことを理解する

 

税務申告の遅れが審査に及ぼす影響

本来確定申告が必要な事業であるにもかかわらず、申告が大幅に遅れている場合や過去分の申告が未了となっている場合、ファクタリング審査においてマイナス評価となる可能性があります。

税務申告の遅れは、帳簿が整っていない、資金繰りが不安定で納税が滞っている、といった状況を示唆すると受け止められやすく、事業の管理体制や継続性に対する不安材料となるためです。

 

将来的に税務調査等で売上や経費の計上漏れが指摘された場合には、事業の実態が見直され、取引先や入金状況に影響が生じる可能性もあります。

ファクタリング会社は、売掛金の回収可能性を重視して審査を行うため、不確定要素が多い案件については慎重な判断を行う傾向があります。

 

開業1年未満でまだ申告時期を迎えていない場合であっても、将来の申告を見据えて帳簿を作成・保存しておくことが重要です。

申告期限が近づいているにもかかわらず帳簿が整っていない、過去分の申告が未済のままになっているといった状態でファクタリングを申し込むと、追加資料や状況説明を求められ、審査に時間がかかる場合があります。

 

税務申告の遅れが疑われる場合の主なリスク
  • 帳簿・資料が整っていないと判断され、事業実態の確認に時間を要する
  • 納税状況への不安から、事業の継続性に懸念を持たれやすい
  • 将来の税務対応次第で売上や取引関係に不確定要素が生じる可能性がある
  • 結果として審査が厳格化・長期化したり、取引条件が慎重に設定されやすい

 

「確定申告不要」をうたう業者利用時のリスク

「確定申告書不要」「請求書だけで即日資金化」といった宣伝を行うファクタリング業者は、書類負担が小さく魅力的に見える一方で、手数料水準や契約内容が不透明なケースも見受けられます。

金融庁は、ファクタリングを名乗りながら実態としては高金利の貸付を行う事例や、高額な手数料によるファクタリングについて注意喚起を行っており、利用にあたっては慎重な確認が求められています。

 

特に注意したいのは、①請求書だけを強調し契約書や重要事項説明が十分でない取引、②「利息」ではなく「手数料」と称しながら、実質的に高金利に相当する水準となっている取引、③債権譲渡契約をうたいながら、売掛先が支払わなかった際に利用者が返済を迫られる重い償還請求権条項や違約金条項が規定されているケースです。

これらは債権売買ではなく貸付と評価される可能性があり、貸金業法上の問題を生じるおそれもあります。

 

また、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認(取引時確認)を適切に行っていない事業者も注意が必要です。

銀行や登録貸金業者などの特定事業者には、顧客の本人特定事項や取引目的の確認義務が課されており、これを軽視する業者は法令遵守体制そのものに不安が残ります。

 

リスクの種類 確認しておきたいポイント
偽装ファクタリング 契約の実質が債権譲渡か、それとも貸付にあたるか(利息・遅延損害金・担保の有無など)
高手数料 手数料率や各種費用を合算した実質負担、返済(償還)義務の有無
偏った契約条件 償還請求権・違約金・期限の利益喪失条項など、利用者側に一方的に不利な条件がないか
コンプライアンス 本人確認や反社チェックを行っているか、会社情報や登録状況が明確か

 

「請求書のみOK」という勧誘への注意

「請求書だけで審査」「決算書・確定申告書は一切不要」といった勧誘は、手続きが簡単に見える反面、契約内容の説明が不十分なまま進んでしまうリスクがあります。

金融庁は、ファクタリングと称しながら実態としては高金利の貸付を行う業者や、給与債権を対象とした個人向けファクタリングに関するトラブルについて、継続的に注意喚起を行っています。

 

請求書のみを前面に出す業者のなかには、契約書の記載が抽象的で、手数料や償還条件が詳細に記載されていない事例も報告されています。

また、債権譲渡の証拠として白紙委任状や白紙の約束手形等、通常のファクタリングでは必要とされない書類の差し入れを求めるケースもあり、トラブル時に利用者が不利な立場に置かれるおそれがあります。

 

さらに、「審査なし」「必ず利用可能」といった表現で勧誘する業者も注意が必要です。

売掛金の実在性や売掛先の信用力をほとんど確認しない取引は、債権譲渡としての健全性に疑問が残り、後に契約の有効性や法的性質が問題となる可能性もあります。

 

請求書のみ対応の勧誘で確認したい点
  • 契約書・重要事項説明書で手数料や支払条件が具体的に明示されているか
  • 白紙委任状や白紙手形など、通常のファクタリングに不要な書類を要求されていないか
  • 「審査なし」「必ず利用可」など、過度な勧誘文句が使われていないか
  • 所在地・代表者・連絡先・登録状況など、基本的な会社情報が確認できるか

 

高手数料や償還請求権付き契約の注意点

ファクタリングは債権の売買契約であり、一般的な融資とは異なり利息制限法の上限金利規制は直接は適用されません。

ただし、経済的な実態として貸付と同様と評価される取引については、貸金業法等の規制対象となる可能性があるとされています。

 

そのため、「手数料」と称していても、割合が過度に高い場合には、実質的に高金利の貸付と同様の負担となるおそれがあります。

たとえば、売掛金100万円を手数料30%で30日早く資金化する場合、手数料は30万円となり、年換算の実質負担は非常に高くなります。

 

さらに、事務手数料や振込手数料、債権譲渡登記費用等が別途加算されると、表面的な「手数料率」以上に総負担が重くなる点にも注意が必要です。

また、「償還請求権付き契約(リコース型)」では、売掛先が倒産・支払不能になった場合に、利用者がファクタリング会社へ代わりに支払う義務を負う仕組みが定められています。

 

一方、「償還請求権のない契約(ノンリコース型)」では、売掛金の回収リスクは原則としてファクタリング会社が負担します。

リコース型の場合、売掛先が支払わなかったときに、利用者が手数料を負担したうえで元本相当額も支払うことになり、結果として二重の負担となる可能性があります。

 

高手数料・償還請求権付き契約のチェックポイント
  • 手数料率だけでなく、事務手数料や登記費用等を含めた実質負担を確認する
  • 契約書に「償還請求」「買戻し」「遅延損害金」等の条項がないかを必ず確認する
  • リコース型の場合、売掛先の不払い時に自社が負う支払義務の範囲を把握する
  • 負担が過大と感じられる場合は、他社条件や他の資金調達手段も含めて比較検討する

 

犯罪収益移転防止法に基づく本人確認の有無

犯罪収益移転防止法では、銀行・信用金庫・貸金業者等の特定事業者に対し、顧客の本人確認(取引時確認)や取引目的の確認、記録の保存などが義務付けられています。

これは、マネーロンダリングやテロ資金供与に利用されることを防止するための仕組みであり、適切な本人確認を行っていない事業者は、法令遵守やリスク管理の面で懸念が残ると考えられます。

 

ファクタリングを提供する金融機関や登録貸金業者などは、口座開設や一定額以上の取引の際に、運転免許証・マイナンバーカード等の本人確認書類の提示を求めるほか、取引目的や資金使途、事業内容の確認を行います。

オンライン完結型サービスでも、本人確認書類の画像提出や、転送不要郵便・eKYC(オンライン本人確認)等を用いて、同様の確認を行う仕組みが整えられています。

 

これに対して、「本人確認は不要」「身分証の提示は一切求めない」といった勧誘を行う業者は、犯罪収益移転防止法上の義務に対する認識や遵守姿勢に疑問が残る可能性があります。

本人確認を適切に行う事業者は、手続きがやや煩雑に感じられることもありますが、利用者保護と法令遵守の観点から重要なプロセスであるといえます。

 

本人確認の有無で確認したいポイント
  • 運転免許証・マイナンバーカード等の本人確認書類の提示を求めているか
  • 取引目的や資金使途、事業内容等のヒアリングが行われているか
  • オンライン取引でもeKYCや転送不要郵便など適切な方法で本人確認をしているか
  • 本人確認をほとんど行わない業者は、法令遵守・リスク管理の面で慎重に検討する

 

確定申告書なし対応の会社を選ぶ際のポイント

確定申告書なしでも相談できるファクタリング会社を選ぶ際には、「提出書類が少ないかどうか」だけで判断せず、必要書類・審査基準・手数料・法令遵守体制などを総合的に比較することが重要です。

一般的なファクタリングの申し込みでは、売掛金に関する書類(請求書・契約書等)、通帳の入出金明細、決算書または確定申告書、代表者の本人確認書類などが必要とされています。

 

「確定申告書不要」としている会社であっても、売掛金の存在を確認する書類や通帳の入出金履歴など、別の資料で事業実態を確認するのが通常です。

そのため、公式サイト等で必要書類の一覧や審査の流れが明示されているか、確定申告書を提出できない場合にどのような代替書類が認められているかを事前に確認することがポイントになります。

 

また、手数料の水準が一般的な相場と比べて極端に高くないか、事務手数料や登記費用などの追加費用があらかじめ説明されているかも重要な確認事項です。

近年はオンライン完結型のサービスも増え、会計ソフトやインターネットバンキングと連携して入出金明細や会計データを自動取得する仕組みも見られます。

こうしたサービスは書類準備の負担軽減につながる一方で、対応金額や対象となる売掛先の範囲が限定されることも多いため、自社の規模や取引先の属性に合致するかどうかも確認しておく必要があります。

 

確認項目 チェックポイント
必要書類 請求書・通帳・契約書等の基本書類に加え、確定申告書を出せない場合の代替書類が明示されているか
審査基準 開業年数や売掛先の信用力など、どの点を重点的に見るのか説明されているか
手数料 二社間・三社間の相場(例:二社間10〜20%、三社間1〜9%程度)から大きく外れていないか
手続き方法 オンライン完結の可否、口座連携や会計ソフト連携など書類提出を効率化する仕組みがあるか
会社情報 所在地・代表者名・連絡先・行政処分歴等が公開され、信頼できる運営体制か

 

必要書類と審査基準を確認する際の視点

確定申告書なし対応のファクタリング会社を検討する際は、まず「どの書類を必須としているか」「確定申告書の代わりに何を求めるか」を整理して比較することが重要です。

一般的な必要書類としては、売掛金の存在を示す請求書・発注書・契約書、事業用口座の通帳コピー(過去2〜6か月分)、代表者の本人確認書類などが挙げられます。

 

確定申告書不要とされる場合でも、これらを組み合わせて売上実態や入金状況を確認するのが通常の運用です。

審査基準の観点では、①売掛金の実在性・回収可能性、②利用者の事業実態や資金繰りの状況、③売掛先企業の信用力、④取引スキーム(二社間/三社間)などが重視されます。

 

二社間ファクタリングでは、利用者側の事業実態や資金繰りも重視されるため、確定申告書がない場合でも、売上帳や試算表、通帳の入出金履歴など代替資料をどこまで揃えられるかが審査通過のポイントになります。

一方、三社間ファクタリングや請求書特化型サービスでは、売掛先の信用力をより重視し、利用者側の財務書類を簡略化する会社もあります。

ただし、いずれのスキームでも二重譲渡防止や反社会的勢力排除の観点から一定の確認は行われるため、「ほとんど書類が不要」「審査なし」を強調するサービスについては慎重に見極める必要があります。

 

必要書類・審査基準で確認したいポイント
  • 公式サイト等に必要書類と審査の流れが具体的に記載されているか
  • 確定申告書の代わりに通帳・売上帳・契約書などで事業実態を示せるか
  • 二社間/三社間ごとに、売掛先と利用者のどちらを重視する審査なのか
  • 「書類ほぼ不要」「無審査」など、リスクの高い文言が使われていないか

 

オンライン完結やAI審査の活用状況

近年では、申し込みから審査、契約、入金までをオンラインで完結できるファクタリングサービスも増えています。

これらのサービスでは、請求書や必要書類を画像データとしてアップロードし、インターネットバンキングの明細や会計ソフトのデータと連携させることで、与信審査に必要な情報を自動で取得する仕組みが採用されています。

 

たとえば、オンライン型ファクタリングでは、事業用口座の入出金明細を口座連携機能を通じて取得し、決算書や売掛債権に関する資料と組み合わせて審査に利用するサービスが公開されています。

また、クラウド会計サービスとファクタリングサービスを連携させ、会計データや請求データをそのまま審査に活用するモデルも紹介されています。

 

さらに、一部の請求書買取サービスでは、アップロードされた請求書や取引情報をAIで読み取りスコアリングすることで、審査時間を短縮する仕組みも導入されています。

こうしたオンライン完結・AI審査型のサービスは、確定申告書や決算書が揃っていない事業者でも、日々の取引データや口座明細をもとに審査を進めやすいというメリットがあります。

 

ただし、オンライン完結のサービスであっても、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認や反社チェックは必要であり、eKYCなどの手段で本人確認が行われます。

必要書類が極端に少ない、本人確認をほとんど実施しないといったサービスについては、法令遵守やリスク管理の観点から慎重な判断が求められます。

 

オンライン完結・AI審査サービスを見る際の視点
  • 口座連携や会計ソフト連携など、データ連携機能が整備されているか
  • 請求書アップロード後の審査フローや目安の所要時間が明示されているか
  • 本人確認(eKYC等)や反社チェックの仕組みが説明されているか
  • スピードの裏で手数料や契約条件が不透明になっていないか

 

手数料と書類負担のバランスを比較する

確定申告書なしで利用できるファクタリングを比較する際は、「手数料の水準」と「書類準備や審査の負担」のバランスを意識することが重要です。

一般的な買取型ファクタリングの手数料相場は、二社間ファクタリングで10〜20%、三社間ファクタリングで1〜9%程度とされることが多く、この範囲を大きく超える手数料を提示する業者には注意が必要です。

 

一般に、「必要書類が少なく、審査も簡易で、入金が非常に早い」サービスほど、ファクタリング会社側のリスクが高くなるため、手数料は高めに設定される傾向があります。

反対に、決算書や確定申告書、複数年分の通帳明細などを求める会社は、審査に時間と手間がかかる分、手数料を相場の範囲内または比較的抑えた水準に設定しているケースもみられます。

 

確定申告書を提出できない状態で利用したい場合でも、「書類負担を軽くした結果、手数料が大幅に高くなる」「各種手数料を含めた実質負担が重くなる」といった状況は避けたいところです。

請求書額・手数料率・入金タイミングから年換算の実質コストを概算し、複数社の見積りを比較することで、自社にとってバランスのとれた条件を選びやすくなります。

 

手数料と書類負担を比較するときのポイント
  • 二社間・三社間それぞれの手数料相場と自社に提示された条件を比較する
  • 書類が少ない代わりに手数料が極端に高くなっていないかを確認する
  • 事務手数料・登記費用・振込手数料などを含めた総コストで比較する
  • 複数社から見積りを取り、確定申告書の提出有無で条件がどの程度変わるか把握する

 

まとめ

ファクタリングの審査では、多くの場合、確定申告書や決算書が重要な判断材料となりますが、売掛先の信用力や請求書・通帳などの資料で売上実態を示すことができれば、開業1年未満の事業者でも個別の状況に応じて利用可否を検討してもらえるケースもあります。

一方で、「確定申告不要」「請求書だけで即日入金」といった文言を強調する業者のなかには、高手数料や重い償還条件など、契約内容の確認が欠かせない事例も存在します。

 

確定申告書がない段階でファクタリングを検討する際は、まず自社の事業実態を示す資料を整理し、必要書類や審査基準、手数料水準、法令遵守体制などを比較しながら複数社に相談することが重要です。

確定申告書の有無だけにとらわれず、事業のステージや売掛先の属性、資金ニーズの頻度などを踏まえ、自社にとって無理のない形で活用できるファクタリング会社を選ぶことが、健全な資金調達につながります。