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ファクタリングをネット完結する12ポイント|必要書類・審査・入金目安と注意点

銀行融資が通りにくい状況で資金調達を急ぐと、「ファクタリングをネット完結できるのか」「必要書類や審査の流れが分からない」「手数料が高いのでは」「偽サイトなどのトラブルが不安」と悩みやすいです。本記事では、ネット完結の対象範囲(申込・本人確認・契約など)と2社間/3社間の違い、申込〜入金までの手順と日数目安、手数料・追加費用の見方、契約条項・個人情報管理の注意点までを整理します。

ネット完結の仕組みと範囲

ファクタリングの「ネット完結」とは、申込から契約までの手続きの全部または大部分をオンラインで行える形を指します。重要なのは、ネット完結=審査が不要、本人確認が不要、という意味ではない点です。売掛債権(請求書にもとづく代金債権など)を買い取る取引であっても、利用者の本人確認や、取引の適法性・反社会的勢力との関係がないか等の確認は、実務上の基本として実施されます。また、取引先への通知が関わる3社間では、取引先側の手続き(承諾書の回収、支払先変更の社内処理)が必要になり、オンラインだけで完結しにくい場面があります。
ネット完結を検討する際は、「どこまでオンラインでできるのか」「何が郵送・対面・押印になるのか」を先に切り分け、入金までの時間や必要書類を見積もることがポイントです。

ネット完結の対象手続き範囲

ネット完結でオンライン化されやすいのは、申込情報の入力、必要書類のアップロード、審査結果の連絡、電子契約(電子署名を含む)などです。一方で、取引内容や相手先のルール次第で、紙の書類が必要になる場面もあります。たとえば、取引先が債権譲渡の承諾書に押印を求める場合や、社内規程で支払先変更に原本提出が必要な場合は、ネット完結の範囲が限定されます。
初心者向けには、次のように「オンラインでできること」と「別途必要になり得ること」を分けて考えると整理しやすいです。

区分 内容の例
オンライン化しやすい 申込フォーム入力、請求書・通帳コピー等のアップロード、審査結果通知、電子契約、入金連絡
追加対応が出やすい 取引先の承諾書回収、支払先変更の社内手続き、原本提出、押印が必要な書類
ネット完結か判断する確認ポイント
  • 申込〜契約までが電子契約で完了するか
  • 必要書類がアップロードのみで足りるか(原本提出の要否)
  • 入金までに取引先の手続きが必要か(承諾書、支払先変更など)
  • 郵送・押印・面談が必要になる条件が契約にあるか

本人確認と反社確認の流れ

ネット完結でも、本人確認(申込者が本人であることの確認)と、反社確認(反社会的勢力との関係がないこと等の確認)は、実務上の重要プロセスです。本人確認は、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の画像提出、本人の顔写真(セルフィー)や動画による照合、登録口座名義との一致確認などで行われることがあります。法人の場合は、代表者の本人確認に加え、法人の存在確認(登記事項証明書など)や、取引の実態確認(請求書、基本契約書、取引実績)を求められることがあります。
反社確認は、契約の相手方として適切かを確認するためのもので、利用者だけでなく、取引先や関係者も確認対象になり得ます。確認の深さは案件によって異なりますが、提出書類や質問事項が増えるほど、審査に要する時間は延びやすいです。

本人確認で詰まりやすい注意点
  • 書類画像が不鮮明で差戻しになる
  • 法人名義口座と申込法人名の表記ゆれがある
  • 住所が登記情報と一致せず追加資料が必要になる
  • 取引実態が確認できず審査が長引く

2社間・3社間の違い比較

ネット完結を理解するうえで、2社間と3社間の違いは重要です。2社間は「利用者とファクタリング会社」の2者で進み、取引先への通知を留保する運用が見られます。取引先の手続きが不要な分、入金までのスピードが出やすい一方、取引先からの入金は一度利用者に入り、その後にファクタリング会社へ送金するなど、回収フローの管理が要になります。
3社間は、取引先が債権譲渡を把握し、支払先をファクタリング会社へ変更する形が前提になりやすいです。その分、支払先が明確になりやすい一方で、取引先の承諾書回収や支払先変更の事務処理に時間がかかり、ネット完結の範囲が狭まる場合があります。

観点 2社間 3社間
取引先通知 留保する運用がある 通知・承諾が前提になりやすい
入金スピード 早い傾向になりやすい 取引先手続き次第で変動
管理の要点 入金後の送金・回収管理が重要 支払先変更の確実性が重要
主なリスク 遅延時の通知発動、条項次第で負担増 取引先関係・手続き遅延の影響

どちらが適するかは、必要な資金額(円)と必要期間(日)、取引先との関係、支払サイト(入金までの期間)で変わります。ネット完結という言葉だけで決めず、「手続きのどこがオンラインで、どこが手作業か」を具体的に確認することが大切です。

申込から入金までの流れ

ネット完結型のファクタリングは、申込→書類提出→審査→条件提示→契約→入金、という流れが基本です。オンライン化されている分、移動や郵送の時間を削減できる一方、書類の不備や表記ゆれがあると差戻しになり、結果的に入金が遅れる原因になります。とくに2社間では「取引先に通知しない」運用があり、入金までのスピードが出やすい傾向がありますが、その分、入金後の送金や回収管理が重要になります。3社間は取引先の承諾や支払先変更が関わるため、取引先側の処理スピードが入金日に影響しやすいです。
手続きを短縮したい場合は、申込前に「必要書類をそろえる」「見積条件(請求書額、入金予定日、希望買取額)を整理する」「アップロード環境を整える」の3点を押さえると、審査が進みやすくなります。

必要書類のそろえ方

必要書類はサービスや取引形態で変わりますが、一般的には「取引の実在」「売掛債権の内容」「入金見込み」「利用者の本人確認」を示す資料が中心です。初心者は、まず“最低限そろえるセット”を作り、追加資料の依頼に備えると進めやすいです。

  • 請求書(売掛債権の金額〇円、支払期日、取引先名が分かるもの)
  • 取引を裏付ける資料(基本契約書、発注書、納品書、検収書など)
  • 入金実績が分かる通帳コピーや入出金明細(取引先からの入金履歴)
  • 本人確認書類(法人は代表者、個人事業主は本人)
  • 法人の場合の書類(登記事項証明書、印鑑証明書などが求められることがあります)

例えば、請求書額100万円で、支払期日が30日後の案件なら、請求書に加えて「過去に同じ取引先から入金があった履歴(通帳)」があると、入金見込みの説明がしやすくなります。反対に、初取引で実績がない場合は、契約書や検収資料の重要度が上がり、追加資料が増える傾向があります。

事前に整理すると早い情報
  • 請求書額(円)と支払期日(いつ)
  • 希望買取額(円)と「いつ必要か」(日)
  • 取引先との取引回数・継続年数
  • 検収・納品の完了状況(争点がないか)

アップロード時の注意点

ネット完結で多い遅延原因は「画像不備」と「情報の不一致」です。書類が読めない、ページが欠けている、日付や金額が切れている、ファイル名が分からず管理できない、といった小さなミスで差戻しが起きます。スマホ撮影の場合は、影や反射で文字が読めないケースもあるため、明るい場所で真上から撮り、四隅が入るように整えるのが基本です。
また、法人名・屋号・住所の表記ゆれ(株式会社の有無、全角半角、旧住所)があると、本人確認や口座名義確認で追加照会が入ることがあります。提出前に、請求書・通帳・登記情報の表記が一致しているかを確認すると、審査が進みやすくなります。

  • 画像は四隅まで写し、金額・日付・社名が読めることを確認する
  • 複数ページはページ抜けがないか確認する(契約書の表紙だけ提出は避ける)
  • ファイル名に「請求書_取引先名_金額100万円」のように要素を入れる
  • 個人情報が不要に写り込んでいないか確認し、保管場所も管理する

入金までの日数目安

入金までの日数は、必要書類がそろっているか、取引形態が2社間か3社間か、取引先の確認が必要か、によって変わります。一般論として、2社間は取引先手続きが不要な分、書類提出後の審査と契約がスムーズに進めば短期化しやすいです。3社間は取引先の承諾書回収や支払先変更の処理が関わるため、取引先の締め日・支払日・稟議スピードが入金日に影響します。
目安を立てるときは、次のように「自社側の所要時間」と「取引先側の所要時間」を分けて考えます。

要因 日数が延びやすいケース
書類 不備・表記ゆれ・追加資料依頼が多い
取引実績 初回取引・入金実績がなく確認が増える
形態 3社間で承諾書や支払先変更が必要
タイミング 取引先の支払データ確定後で変更が間に合わない

急ぎの場合は、必要額(円)と必要期限(日)を先に確定し、2社間・3社間のどちらが現実的かを整理することが重要です。

審査で見られる基準ポイント

審査は、売掛債権が実在し、支払期日に入金される可能性がどの程度あるかを中心に見られます。ファクタリングは融資とは異なると説明されることがありますが、実務上は回収の見通しが重視されるため、取引先の信用力や取引実績が重要材料になります。加えて、請求書の内容、検収状況、相殺や返品の可能性、二重譲渡のリスクなど、債権の「回収を揺らす要因」がないかが確認されます。
利用者側でできる対策は、取引の裏付け資料をそろえ、争点(未検収、追加工事の協議中など)がある請求書を対象にしないことです。例えば、請求書額150万円でも、検収が未了で支払期日が動く可能性があるなら、審査は慎重になりやすいです。

審査が長引きやすいパターン
  • 請求書の根拠資料が不足し、取引の実在確認に時間がかかる
  • 取引先との相殺・返品・値引きが頻繁で入金額が読みにくい
  • 入金実績がなく、初回取引で信用判断材料が少ない
  • 書類の不一致(社名・住所・口座名義)で追加確認が発生する
審査基準は業者ごとに異なるため、同じ請求書でも結果が変わることがあります。焦って条件だけで決めず、必要額(円)と入金期限(日)を前提に、条件・手順・リスクを比較して判断するのが安全です。

手数料と総コスト

ネット完結型のファクタリングはスピードが期待できる一方、コストは「手数料率(%)」だけでは判断できません。実際に受け取れる金額(円)は、買取率(請求書額面に対する支払割合)や、手数料以外の控除(事務手数料、振込手数料など)で変わります。さらに、入金までの期間が短い取引ほど、同じ差額でも年換算すると負担が大きく見えるため、必要額(円)と必要期間(日)を先に固定し、複数条件を同じ前提で比較することが重要です。
比較では「請求書額(円)→受取額(円)→支払期日(いつ)→差額(円)→追加費用(円)」を並べ、総コストを見える化します。これにより、見かけの手数料率が低くても、受取額が想定より少ない、追加費用が多い、といった落とし穴を避けやすくなります。

手数料率と買取率の比較

手数料率は、請求書額面に対して差し引かれる割合として示されることが多いですが、実務では「受取額(円)」が最重要です。買取率は、請求書額面に対する支払割合で、例えば買取率90%なら、請求書100万円に対して受取額は90万円です(他の費用がない前提)。同じ請求書でも、手数料率と買取率の表現が混在すると比較が難しいため、最後は受取額(円)で揃えます。
例:請求書100万円、手数料率10%の場合
・控除:10万円(=100万円×10%)
・受取額:90万円(=100万円−10万円)
例:買取率92%と提示された場合
・受取額:92万円(=100万円×92%)
このように、提示の仕方が違っても受取額(円)に直せば比較できます。なお、同じ「10%」でも、手数料の計算基準が請求書額か、受取額かで結果が変わる場合があるため、計算の基準(どちらに掛けているか)を確認すると誤解が減ります。

項目 比較のポイント
手数料率(%) 計算基準が請求書額か受取額かを確認します
買取率(%) 受取額(円)に直して他条件と比較します
受取額(円) 追加費用を含めた「実際の入金額」で判断します

実質年率の計算例

実質年率は、短期の負担を年換算して比較するための目安です。ファクタリングは貸付ではないと説明されることがありますが、資金繰りの観点では「何日分の資金を前倒しするために、いくら差し引かれたか」を同じ尺度で比べると判断しやすくなります。計算はあくまで比較用の簡易指標として使い、契約の性質を断定する目的で使わないのが安全です。
前提:請求書100万円、受取90万円、入金まで30日(=差額10万円)
・差額率:10万円÷90万円=約11.11%
・実質年率のイメージ:11.11%×(365日÷30日)≒約135%
この例では、30日分の前倒しで10万円が差し引かれているため、年換算の負担感は大きく見えます。入金までが10日なら、同じ差額でも年率換算はさらに大きくなります。比較の場面では、次の式を使うと整理しやすいです。

  • 実質年率の目安=(差額÷受取額)×(365日÷前倒し日数)
実質年率を使うときの注意点
  • 年換算は比較のための目安で、実際の支払が年1回発生する意味ではありません
  • 差額は「手数料+追加費用」を合算して計算すると実態に近づきます
  • 前倒し日数は「受取日から支払期日まで」を同じ定義で揃えます
  • 計算結果だけで判断せず、条項や運用リスクも含めて比較します

追加費用のチェック

総コストで見落としやすいのが、手数料以外の追加費用です。名目としては、事務手数料、審査料、振込手数料、登記関連費用、印紙代(書面契約の場合)などが挙げられます。ネット完結で電子契約が中心でも、取引条件によっては書面契約や追加資料の取得が必要になり、費用が増える場合があります。
例えば、請求書100万円で手数料10%(10万円)でも、事務手数料1万円、振込手数料500円が別建てなら、受取額は88万9,500円になります(100万円−10万円−1万円−500円)。差額は11万500円となり、実質年率の目安も上がります。
確認のコツは、見積や契約書で「控除項目をすべて列挙し、金額(円)で示す」ことです。率(%)で示される項目と、定額(円)で示される項目が混在しやすいため、最終的に受取額(円)で一本化して比較します。

  • 手数料以外の控除項目(名称・金額・発生条件)を確認する
  • 「定額+%」が併用されていないかチェックする
  • 遅延時の違約金・遅延損害金など、将来発生し得る負担も確認する

トラブル回避の注意点

ネット完結型は、移動せずに手続きできる反面、オンライン特有のトラブル(偽サイト、なりすまし、情報流出、契約内容の見落とし)が起きやすい側面があります。トラブルは「申込前(入口の安全性)」「契約時(条項の理解)」「提出時(情報の扱い)」「入金後(運用ミス)」で発生しやすいため、段階ごとに対策を置くのが効果的です。
また、資金繰りが逼迫していると、条件確認よりスピードを優先しがちですが、後から修正できない事項(通知の扱い、違約金、買戻し条項、追加費用など)ほど、契約前に確認しておく必要があります。オンライン取引でも、最終的には契約書の内容が基準になるため、「画面表示」だけで判断せず、契約書面・重要事項の確認画面・見積の控えを残して比較検討する姿勢が重要です。

偽サイト・なりすまし対策

偽サイトやなりすましは、ネット完結の入口で起きやすいトラブルです。見た目が本物に似ていても、連絡先や振込先が異なる場合があります。本人確認書類や通帳コピーを送る前に、サイトの真正性(本当にその事業者の窓口か)を確認します。基本は「公式に案内されている情報と一致しているか」を複数点で照合することです。

  • 会社名・所在地・電話番号が、公開情報と一致しているか
  • 問い合わせメールがフリーメールのみになっていないか
  • 振込先口座が個人名義になっていないか(名義の確認)
  • URLの表記が不自然でないか(似た綴り、余計な文字列)
危険サインの例
  • 「今日中に送らないと審査が通らない」など過度に急かす
  • 本人確認書類をSNSのDMで送らせようとする
  • 契約前に保証金や手付金の振込を求める
  • 連絡先が固定電話ではなく、番号が頻繁に変わる
迷った場合は、入力やアップロードを止め、連絡先を別経路で確認してから進めるのが安全です。

契約条項の注意点

契約条項で特に注意したいのは、負担が増えやすい条項と、取引先との関係に直結する条項です。ネット完結では「クリックで同意」形式になりやすいため、読み飛ばしが起きやすい点もリスクになります。最低限、次の論点は確認しておくと判断が安定します。

  • 償還請求権の有無(ノンリコースか、買戻し等の負担があるか)
  • 取引先への通知の扱い(2社間でも遅延時に通知へ切替があるか)
  • 違約金・遅延損害金の条件(発動条件、上限、日割り計算の有無)
  • 控除項目(手数料以外の費用、定額費用、登記関連費用など)
契約前に残しておきたい控え
  • 最終見積(受取額〇円、手数料〇%、追加費用〇円)
  • 基本契約書・個別契約書(電子契約の場合はPDF控え)
  • 重要事項説明や同意画面のスクリーンショット
  • 問い合わせの回答履歴(メール・チャット)
条項の解釈が難しい場合は、契約前に専門家へ確認するのが安全です。

個人情報と口座情報の管理

ネット完結では、本人確認書類、通帳コピー、登記事項証明書など、機微情報をオンラインで扱います。情報管理の基本は「送る情報を最小化し、保管場所と共有範囲を限定する」ことです。社内で複数人が関わる場合、データが分散すると漏えいリスクが高まるため、保存先を一本化し、閲覧権限を絞ります。
例えば、通帳コピーには口座番号や入出金履歴が含まれます。提出が必要なページだけを切り出し、不要な情報(関係ない取引先名が多数写る部分など)が過剰に含まれない形に整えると、安全性が上がります。

  • 提出用ファイルは案件ごとにフォルダ化し、閲覧権限を限定する
  • 送信後のファイルは端末内に残さず、管理された保存先へ移動する
  • 口座名義・法人名の表記ゆれをなくし、差戻しを減らす
  • パスワード付きファイルの運用ルールを決め、共有経路を統一する
管理が甘いと起きやすいこと
  • 誤送信や誤共有で情報漏えいリスクが上がる
  • 表記ゆれで本人確認が長引き、入金が遅れる
  • 提出ファイルの所在が不明で再提出になり工数が増える
  • 端末紛失時に情報が残り、被害が拡大する

入金後のよくある事例

入金後は「資金繰りが一旦落ち着く」一方で、回収・送金・帳簿処理など運用面のミスが起きやすいです。特に2社間は、取引先からの入金がいったん利用者に入る運用があり、入金確認後に譲受人へ送金する手順を誤ると、遅延損害金や通知発動など追加リスクにつながる可能性があります。
よくある事例としては、入金予定日のズレ(取引先の支払遅延)、相殺・返品による入金額不足、送金口座の誤り、資金を別の支払いに充当して送金が遅れる、などが挙げられます。例えば、請求書100万円のはずが、値引き5万円が相殺されて95万円しか入金されない場合、差額の精算が必要になり、次回取引の条件にも影響し得ます。

  • 入金予定日と実入金日を記録し、遅れた理由を把握する
  • 相殺・値引き・返品がないかを事前に確認し、入金見込みを控えめに置く
  • 送金ルール(期限、口座、担当)を社内で固定し、属人化を避ける
  • 資金化後の資金繰り表を更新し、次の不足時期を早めに把握する

入金後の運用まで含めて整備できると、ネット完結のメリット(スピード)を活かしつつ、トラブルを減らしやすくなります。

資金難企業の選び方

ネット完結は「早く資金化できる」印象が強い一方、資金難の状態では判断がブレやすく、条件の見落としが起きがちです。選び方の軸は、必要額(円)と必要期間(日)を先に固定し、総コスト(受取額・差額・追加費用)と運用リスク(取引先通知、遅延時の取り扱い、違約金など)を並べて比較することです。
また、ファクタリングは売掛債権の売買として説明されることが多いものの、実務では回収見込みが重要で、取引先の支払条件や相殺の有無で結果が変わります。ネット完結は手続きの方法であって、万能の資金調達ではありません。急場をしのぐだけでなく、利用後に資金繰りが再び悪化しないよう、資金繰り表の更新や支払条件の見直しまで含めて設計することが大切です。

必要額と期間の決め方

必要額と期間を決めるときは、「不足する日」と「不足額」を具体的に出すのが第一歩です。資金難のときほど、売上入金の期待だけで動きやすいですが、実際に不足するのは、給与・外注費・家賃・税金など支払期日が確定している支出です。これらの支払予定を並べ、入金予定(売掛入金)との差を見える化すると、必要額(円)と必要期間(日)が自然に決まります。
例:10日後に給与150万円、外注費80万円、家賃20万円の支払いがあり、入金予定は20日後に売掛200万円の場合
・10日後時点の不足:150万円+80万円+20万円=250万円
・20日後の入金で埋まる見込みがあるなら「必要期間は10日程度」
このように、いつまでのつなぎ資金かを決めると、過剰な資金化(必要以上の手数料負担)を避けやすくなります。

  • 支払期日が確定している支出を一覧化する(円・期日)
  • 入金予定(売掛入金)の確度と期日を確認する
  • 不足額(円)と不足期間(日)を資金繰り表で確定する

融資・ローンとの比較目安

比較では、スピードだけでなく「コスト」「継続性」「必要書類」を軸に置きます。融資・ローンは審査に時間がかかる場合がある一方、資金繰りの土台を作りやすい手段です。ファクタリングは売掛債権を活用するため、入金までの期間を短縮しやすい一方、手数料負担が発生し、短期ほど年換算の負担感が大きくなりやすいです。
目安として、必要期間が短い「つなぎ」か、数か月以上の「運転資金」かで、優先順位を変えると判断しやすいです。

手段 向きやすい場面 注意点
融資(銀行・公的) 中長期の運転資金、資金繰りの安定化 審査と資料整備が必要、実行まで時間がかかることがあります
ローン 短期〜中期の資金ニーズ(条件次第) 金利・返済負担、借入枠への影響に注意が必要です
ファクタリング 売掛入金までのつなぎ、入金サイトの短縮 手数料・追加費用、取引先通知や条項リスクの確認が必要です

どれか一つに絞るより、短期はファクタリング、土台は融資など、目的別に使い分けると資金繰りが安定しやすいです。

取引先連絡を避ける判断基準

取引先連絡(通知)を避けたい場合は、「本当に避けられるのか」と「避ける代わりにどのリスクが増えるのか」を整理します。2社間は通知を留保する運用が見られますが、支払遅延や契約違反が起きると通知に切り替わる条項があることがあります。また、取引先の入金がいったん利用者口座に入る運用では、送金遅れがあると通知発動や追加負担につながる可能性があります。
判断の基準は、次のように「入金の確度」と「運用の自信」で分けると整理しやすいです。

  • 入金予定日が確定しており、遅延が起きにくい取引先か
  • 相殺・返品・値引きで入金額がブレないか
  • 入金確認後の送金ルールを社内で徹底できるか
  • 遅延時に通知へ切り替わる条件(何日遅れで発動か)を把握しているか
通知を避けるときの注意点
  • 「通知なし」を最優先にすると、追加費用や条項を見落としやすい
  • 遅延時に突然通知されると、取引先の不信感が強まりやすい
  • 送金遅れが原因で違約金等が発生すると負担が増えやすい
  • 通知の要否は契約条項で決まるため、口頭説明だけで判断しない

利用後の資金繰り改善ステップ

ファクタリングは「不足を埋める」手段なので、利用後に資金繰りを改善する行動を取らないと、手数料負担が積み重なりやすいです。改善の基本は、入金サイト(売掛金が入るまでの期間)と支払サイト(仕入・外注などの支払までの期間)の差を縮め、資金の谷を浅くすることです。
具体的には、入金があった月に資金繰り表を更新し、次に不足する時期を早めに把握したうえで、支払条件の見直しや、請求・検収の遅れ改善、固定費の削減、融資の打診などを並行して進めます。

再発防止の改善ステップ
  • 資金繰り表を月次ではなく週次で更新し、不足時期を前倒しで把握する
  • 請求書の発行・検収遅れを減らし、入金遅延を防ぐ
  • 仕入・外注の支払条件を見直し、支払期日を分散する
  • 中長期の資金は融資等も含めて土台を作る
一時的な資金化に頼り過ぎないためにも、必要額(円)と必要期間(日)を最小化し、契約前の確認と利用後の改善をセットで進めることが重要です。

まとめ

・ネット完結は申込〜契約のオンライン化で、本人確認など確認手続きは必須です ・2社間/3社間で取引先通知の有無や手続きが変わり、入金までの日数も差が出ます ・手数料は率(%)だけでなく受取額(円)と追加費用を含めて総コストで比較します ・偽サイト、契約条項、個人情報・口座情報の管理を徹底しトラブルを防ぎます 次は、必要額と期間を整理し、融資・ローン等も含め比較したうえで契約前チェックリストを作成し、必要に応じて専門家・金融機関へ相談しましょう。手数料負担や取引先関係の影響もあるため、焦らず検討が大切です。