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事業資金の借入は何から?運転資金・設備資金別の借り方7ステップを徹底解説

事業資金の借入は「どこに相談すべきか」「運転資金と設備資金で借り方が違うのか」「審査に通るために何を準備すべきか」と迷いやすいです。銀行や公庫は審査や実行までの時間が不安になり、ノンバンクは安全性や総コストが気になる一方、税金・社保の遅れがあると条件面で不利になる可能性もあります。この記事では、必要額と資金使途の整理、返済計画と資金繰り表の考え方、借入先の比較、公庫・制度融資の特徴、審査基準と必要書類、申込から実行までの流れを7ステップで整理します。

借入前の事前準備

事業資金の借入は、先に「何のために、いつまでに、いくら必要か」を言語化できるかで、審査の進み方や手戻りが変わります。特に運転資金と設備資金は性質が違い、必要額の算定方法や返済期間の考え方も変わるため、混ぜて説明すると説得力が落ちやすいです。例えば、設備購入300万円と、入金遅れに備える運転資金200万円を同時に必要とする場合でも、支払日と回収時期が違うので、資金繰り表で不足ピークを分けて示すと説明が具体化します。準備では、見積書・請求書などの根拠資料、直近の試算表、借入返済予定表(既存借入がある場合)をそろえ、返済計画を資金繰り表に反映して「返済後に現金が残る」状態を確認するのが基本です。

申込み前に整える3点セット
  • 資金の種類:運転資金と設備資金を分け、目的と期限を明確化する
  • 根拠資料:見積書・請求書・契約書などで金額と支払時期を裏付ける
  • 返済の裏付け:資金繰り表で返済後の残高が維持できるかを確認する

運転資金・設備資金の決め方

運転資金は、日々の支払いを回すための資金で、家賃・人件費・仕入・外注費などが対象になります。設備資金は、機械・車両・内装などの投資で、見積書に基づいて一時に資金が出ることが多いです。決め方のポイントは、資金繰りの「ズレ」がどこで起きているかを見ることです。例えば、売上入金が翌々月末なのに、外注費は翌月末に支払う業態なら、入金サイトと支払サイトの差が運転資金として必要になります。一方、設備は支払日が決まっているため、支払日までに資金が用意できるかが重要です。
また、設備投資は回収に時間がかかることが多いので、設備資金を借りるなら、返済期間を短くしすぎると月々返済が資金繰りを圧迫します。運転資金と設備資金を分け、支払日と回収のタイミングに合わせて返済設計を考えると、説明が通りやすくなります。

区分 決め方の目安
運転資金 入金と支払いのズレを基に、資金繰り表で不足期間と不足額を算出する
設備資金 見積書・発注書の金額と支払日で必要額を確定し、回収期間に合う返済期間を検討する
共通 必要な時期がいつかを明確にし、借入実行のタイミングに間に合うか確認する

必要額と資金使途の出し方

必要額は「借りられそうな金額」から決めるのではなく、資金使途の積み上げで決めるのが基本です。設備資金は見積書で金額が固まりますが、運転資金は見積りが曖昧になりやすいので、固定費(家賃・人件費・リース等)と変動費(仕入・外注等)に分け、入金までのタイムラグを織り込んで算出します。
例として、月末に家賃20万円、給与120万円、外注費80万円の支払いがあり、売掛金の入金が翌月末に200万円ある場合、月末の不足は手元資金により変わります。手元資金が50万円なら、月末の支払い220万円に対して不足170万円が見えます。この不足が「一時的」なのか「毎月発生する」なのかで、必要額と改善策が変わるため、資金繰り表で最低残高(不足ピーク)を確認し、必要最小限に落とすのが現実的です。資金使途は、運転資金なら支払予定の一覧、設備資金なら見積書と支払スケジュールで裏付けます。

資金使途でつまずきやすい注意点
  • 運転資金が「〇か月分」だけで、内訳と支払日が示せない
  • 設備と運転が混在し、支払日と必要額の根拠がぶれる
  • 入金予定を過大に見積もり、不足ピークを見落とす
  • 手数料や消費税、付随費用を入れ忘れて不足する

返済計画の立て方ポイント

返済計画は、利益ではなく「返済に回せる現金(返済原資)」で考えるのが基本です。売上があっても入金が遅れれば現金は増えないため、資金繰り表に返済を入れた上で、返済後も最低残高が維持できるかを確認します。例えば、借入で毎月の返済が10万円増えるなら、毎月10万円以上の余力が安定して出るか、支払いが集中する月でも遅れないかを点検します。
また、返済期間を長くすると月々返済は軽くなりやすい一方、利息総額が増えやすいので、短期の資金繰り改善と中長期の負担のバランスが重要です。設備資金は回収に時間がかかることが多いため、返済を急ぎすぎない設計が必要になる一方、運転資金は不足が解消した後も返済が続くため、恒常的に資金繰りを圧迫しないかを確認します。

  • 返済原資:返済に回せる現金を月次で見積もり、余力を確認する
  • 返済日:給与や仕入の支払日と重ならないよう、月内の資金の山谷も点検する
  • 期間設計:月々返済と総利息のバランスを取り、無理のない返済にする
  • 検証:資金繰り表に返済を反映し、最低残高がマイナスにならないか確認する

借入先の比較

事業資金の借入先は、大きく「銀行融資(プロパー・保証付き)」「公庫・制度融資」「ノンバンク」に分けて比較すると整理しやすいです。違いは、審査の進み方、金利や保証料を含む総コスト、必要書類の量、実行までの時間、そして資金繰りに与える影響です。例えば、今月末までに不足100万円を埋めたい場合は、実行までの時間が最重要になります。一方、設備投資のように数年で回収する資金なら、低負担で長期の返済設計がしやすい選択肢が合うことがあります。どの手段でも共通して、資金使途と返済原資を資金繰り表で説明できる状態にし、総コストと返済後の残高を確認したうえで選ぶことが基本です。

比較の軸をそろえる
  • 時間:相談から実行まで、資金需要の期限に間に合うか
  • 負担:金利だけでなく保証料・手数料まで含めた総コスト
  • 条件:担保・保証人、返済方式、遅延時の扱い
  • 影響:取引先対応や信用面(税金・社保含む)の確認のされ方

銀行融資と保証付き比較

銀行融資は、銀行が自社の判断で貸すプロパー融資と、信用保証協会の保証を付けて貸す保証付き融資に分けて考えるのが一般的です。プロパーは保証料がかからない一方、銀行がリスクを直接負うため、財務内容や返済能力、取引実態の説明がより重要になりやすいです。保証付きは、保証料が発生する可能性がある代わりに、資金調達の通し方として選ばれることがあります。
例えば、同じ500万円でも、保証付きでは「金利+保証料」で実質負担が増えることがあるため、見積りで総コストを確認します。また、返済が始まると月々の固定支出になるため、資金繰り表で返済後の残高が維持できるかを検証します。銀行融資は、既存取引がある銀行ほど相談が進めやすい場合があるため、試算表の最新化や返済予定表の整理など、資料整備で手戻りを減らすことが現実的です。

観点 プロパー融資 保証付き融資
コスト 主に金利・手数料 金利・手数料に加え保証料が発生することがある
見られ方 返済能力・財務内容の説明がより重要になりやすい 銀行に加え保証協会の見方も意識し、資料整合が重要
使い分け 財務が安定し、取引実績がある場合に向きやすい 実績が浅い・改善途上でも選択肢になりやすい

公庫・制度融資の選び方

公庫(日本政策金融公庫)は政府系金融機関として、創業期や小規模事業者向けを含む融資メニューがあります。制度融資は自治体が関与し、取扱金融機関と信用保証協会が連携して運用されることが多く、自治体によって利子補給や保証料補助が設けられる場合があります。選び方のポイントは、資金使途(運転・設備)と必要時期に対して、申込みから実行までの時間が合うか、必要書類をそろえられるかです。
例えば、設備資金で見積書がそろっているなら、公庫や制度融資で計画的に進めやすい場合があります。一方、緊急の資金需要では、制度融資の手続きが間に合わない可能性もあるため、つなぎ資金を別に検討しつつ並行で進める設計が現実的です。どちらも、事業計画と資金繰り表の整合が重要になるため、売上の根拠と支払計画を具体化してから相談すると進めやすくなります。

選び方での注意点
  • 制度融資は自治体ごとに条件が異なり、要件確認が必須になる
  • 実行までの時間がかかることがあるため、期限が近い資金需要は要注意
  • 設備資金は見積書・支払日が揃うほど説明が通りやすい
  • 運転資金は資金繰り表で不足の根拠を示すことが重要になりやすい

ノンバンク検討の注意点

ノンバンクは、銀行・公庫と比べてスピード重視の商品がある一方、金利や手数料を含む総コストが高くなりやすい点が大きな注意点です。そのため、検討の前提は「短期のつなぎとして返済原資が戻るタイミングが明確か」「返済が固定費化しても資金繰りが耐えられるか」「遅延損害金や一括請求条件を含めたリスクが許容範囲か」です。
例えば、翌月末に確度の高い入金があり、今月末の不足だけを埋めたい場合は短期のつなぎとして検討されますが、入金が遅れた場合に返済が詰まる設計だと、負担が急増する可能性があります。契約前には、貸金業登録の確認、実質年率と手数料の内訳、返済方式、遅延時の条件を必ず書面で確認し、資金繰り表に返済を反映して判断することが重要です。

  • 総コスト:金利だけでなく手数料込みで、手取りと返済額を確認する
  • 遅延リスク:遅延損害金と一括請求条件を理解し、遅れシナリオも作る
  • 適法性:登録確認と、条件が明示された契約書面を必ず確認する
  • 位置づけ:恒常利用ではなく、期限が明確なつなぎとして検討する

審査と必要書類

事業資金の借入では、どの金融機関でも「返せる見込みがあるか」を中心に審査が進みます。重要なのは、希望額を大きく見せることではなく、資金使途(何に使うか)と必要時期(いつ必要か)を根拠資料で裏付け、返済原資(返済に回せる現金)が月次で残ることを示すことです。例えば、運転資金として300万円が必要なら、支払予定(給与・外注費・仕入等)と入金予定(売掛回収等)を並べ、不足ピークと必要額を説明できる形にします。設備資金なら見積書と支払スケジュールを用意し、投資効果と回収見込みを事業計画に落とします。書類がそろい、数字の整合が取れているほど、追加資料が減って実行までが進みやすくなります。

審査を通すための前提整理
  • 必要額の根拠:資金使途を積み上げ、支払日まで含めて説明する
  • 返済原資:返済後も資金が残ることを資金繰り表で示す
  • 書類の整合:決算書・試算表・申告内容が矛盾しないようにする
  • 信用面:納税・社保、延滞の状況は隠さず整理する

審査で見られる基準目安

審査で見られる基準は金融機関や商品で異なりますが、概ね「返済能力」「資金使途」「信用面」「事業の継続性」に整理できます。返済能力は、売上の安定性や粗利、固定費の重さ、既存借入の返済負担などから、返済に回せる余力があるかを確認されます。資金使途は、運転資金なら不足が生じる理由と時期、設備資金なら見積金額と導入時期、効果の見込みが論点になります。信用面は、延滞履歴や税金・社保の未納がないか、取引の実在性に不自然な点がないかなどです。
例えば、月末に支払いが集中し、翌月中旬に入金がある会社が「月末までに200万円必要」と説明する場合、入金の確度と不足額の計算が示せると審査の理解が早くなります。逆に、必要額が曖昧だと追加確認が増え、実行が遅れやすい点に注意が必要です。

観点 見られやすい内容
返済能力 利益・キャッシュの余力、既存返済とのバランス、売上の安定性
資金使途 運転資金の不足根拠、設備資金の見積と導入効果、支払時期
信用面 延滞、税金・社保の未納、取引の実在性、反社排除等の確認
継続性 事業計画の現実性、売上根拠、固定費の管理体制

決算書・試算表のチェック

決算書は過去の実績、試算表は足元の状況を示す資料で、審査ではこの2つの整合が重要になります。まず、決算書と申告内容(法人税申告書等)の整合、借入金残高の一致、売上・粗利・販管費の推移を確認します。次に、試算表はできるだけ最新月まで用意し、売上の増減がある場合は、その理由が説明できる根拠(受注・請求・解約など)も整理します。
資金繰りが厳しい会社ほど、試算表が古い、科目の内訳が曖昧(仮払金、役員借入金など)といった状態になりがちで、追加資料が増える原因になります。例えば、直近3か月で売上が急増しているなら、入金予定と外注費の増加が対応しているかを確認し、資金繰り表でも矛盾がないようにします。

書類でつまずきやすい典型
  • 試算表が更新されておらず、足元の説明ができない
  • 売上増の根拠が薄く、利益構造と整合しない
  • 仮払金・未収金などの内訳が説明できない
  • 既存借入の返済予定表がなく、返済負担を示せない

納税・社保状況の注意点

税金や社会保険料の未納・滞納は、一般に信用面の懸念として扱われやすく、審査や条件に影響する可能性があります。未納が続くと延滞金等の負担が増えたり、差押え等の手続きに進むリスクがあるため、金融機関は返済の安定性に不確実性があると見ます。一方で、事情があって遅れている場合でも、税務署や年金事務所等に相談し、分納(分割納付)などの手続きを進め、履行状況を整理できていれば説明材料になります。
重要なのは隠すことではなく、現状・原因・対応状況を整理し、資金繰り表で返済と納付を両立できる見通しを示すことです。納税・社保の遅れは資金調達の選択肢にも関わるため、早めに相談して整理を進めることが現実的です。

  • 確認されやすい点:未納の有無、金額、期間、分納計画と履行状況
  • 実務対応:税務署・自治体・年金事務所等へ早期相談し、手続きと計画を整理する
  • 説明のコツ:返済計画と納付計画が両立することを資金繰り表で示す

申込から実行までの流れ

申込から実行までの流れは、一般に「事前相談→申込→審査→条件提示→契約→実行」の順で進みます。運転資金は不足の時期が近いことが多いため、必要額の根拠と実行希望日を先に共有し、提出書類を漏れなくそろえることが重要です。設備資金は、見積書や導入スケジュール、効果の見込みを整理し、支払期限に間に合うように逆算します。
例えば、月末支払いに間に合わせるために今月中の実行が必要なら、試算表の最新化や資金使途資料の整備を前倒ししないと間に合わないことがあります。実行時期が読めない場合は、売掛金の資金化や支払条件の調整など、つなぎ策を並行で検討しておくと資金ショートを避けやすくなります。

  1. 事前相談:必要額・時期・資金使途・返済原資を簡潔に共有する
  2. 申込:必要書類を提出し、資金繰り表や根拠資料で不足を説明する
  3. 審査:追加確認に備え、試算表の更新と資料整合を維持する
  4. 条件提示:金利・保証料・返済条件を総コストで確認する
  5. 契約・実行:実行日を確定し、支払期限に間に合うか最終確認する

金利・保証料と総コスト

事業資金の借入は、金利の数字だけで判断すると「総返済額が想定より大きい」「月々返済が重くて資金繰りが詰まる」といった失敗につながりやすいです。実際の負担は、金利に加えて、保証付き融資なら保証料、契約時の手数料、条件により印紙税なども含めた総コストで決まります。また、金利は固定・変動などのタイプがあり、返済期間中の見通しや、金利上昇時の負担にも影響します。例えば、月々返済を下げるために返済期間を延ばすと、資金繰りは楽になる一方で利息合計が増えやすいです。逆に短くしすぎると、返済が固定費化して資金繰り表の最低残高がマイナスになりやすくなります。総コストは「返済条件+諸費用+資金繰りへの影響」をセットで確認することが重要です。

総コストで比較するための視点
  • 金利:固定か変動か、返済期間中の見通しをどう立てるか
  • 保証料:保証付き融資では実質負担に直結する
  • 手数料:事務手数料や繰上返済手数料などの有無を確認する
  • 返済条件:月々返済と返済日の並びが資金繰りに耐えるか

金利タイプの比較ポイント

金利タイプは大きく固定金利と変動金利に分けて考えます。固定金利は返済期間中の金利が一定で、返済額の見通しを立てやすいのが特徴です。変動金利は市場金利などの影響で金利が見直され、金利が下がれば負担が軽くなる可能性がある一方、上がれば返済負担が増える可能性があります。
事業資金では、返済額が増えると資金繰りが急に苦しくなるケースがあるため、選び方の基準は「金利上昇があっても返済できる余力があるか」「返済額を固定して管理したいか」です。例えば、月末に支払いが集中し、返済日も月末に近い場合は、返済額が増えると資金ショートのリスクが上がります。このため、資金繰り表に「金利が上がった場合の返済額」を仮置きし、最低残高が維持できるかを確認して決めると現実的です。

観点 固定金利 変動金利
見通し 返済額が読みやすい 金利変動で返済負担が変わり得る
向き 資金繰りの安定を優先したい場合 余力があり、金利上昇リスクを許容できる場合
注意点 条件変更時の扱いを確認する 上昇時の返済負担増を資金繰り表で検証する

保証料・手数料の注意点

保証付き融資では、信用保証協会の保証料が発生することがあります。保証料は融資額・期間・制度の条件・信用状況などで変わるため一律に言い切れませんが、金利とは別に負担が生じ得る点が重要です。制度融資では自治体の制度設計によって、保証料補助や利子補給がある場合もあるため、要件と適用範囲を確認します。
手数料は、契約時の事務手数料、条件変更手数料、繰上返済手数料などが代表的です。見積りや条件提示の段階で「手数料込みの手取り額」と「総返済額」を確認しないと、金利だけを見て有利に見えても、実際の負担が大きい場合があります。例えば、早期に繰上返済する予定があるなら、繰上返済手数料の有無や、どのタイミングでいくらかかるかまで確認しておくと、後から想定外の費用を避けやすくなります。

見落としやすい費目
  • 保証料:金利とは別枠で発生する場合がある
  • 事務手数料:契約時に差し引かれる、または別途請求されることがある
  • 繰上返済手数料:前倒し返済の計画がある場合は必ず確認する
  • 印紙税等:契約書の形式によっては費用が発生する場合がある

総返済額の試算ステップ

総返済額の試算は、資金繰り表とセットで行うと判断ミスを減らせます。ポイントは、返済条件(期間・返済方式・返済日)と、諸費用(保証料・手数料など)を同じ土俵に乗せて比較することです。例えば、月々返済を軽くするために期間を延ばすと、利息合計が増えやすい一方、短くしすぎると資金繰りが詰まる可能性があります。試算では、返済予定表で総返済額を確認し、さらに返済日の並び(給与・仕入の支払日との重なり)まで資金繰り表で検証します。

  1. 条件整理:借入額、金利タイプ、返済期間、返済方式、返済日を確認する
  2. 返済予定表:元金と利息の推移を把握し、総返済額を確認する
  3. 諸費用加算:保証料・手数料・必要な費用を合算し、実質負担を出す
  4. 資金繰り反映:月次の資金繰り表に返済と支払いを入れ、最低残高を確認する
  5. シナリオ確認:売上未達や入金遅れを想定し、遅延が出ない設計か検証する

個人事業主・創業期の対策

個人事業主や創業期は、決算期数が少なく、売上の安定性や返済実績を示しにくい分、借入では「計画の根拠」と「資金管理の体制」が重視されやすいです。特に、事業用と生活用のお金が混ざると、資金使途や返済原資の説明が曖昧になり、審査で追加確認が増えやすくなります。まずは、事業資金として使える現金の範囲を明確にし、資金繰り表で「事業の入出金」と「生活費」を分けて管理します。加えて、売上・費用の前提を事業計画に落とし込み、入金サイトと支払サイトのズレも織り込んだ返済計画にすることが重要です。創業期は、短期の資金確保だけでなく、立ち上げ期の赤字や入金遅れに耐える余力があるかが見られやすいので、必要額を過小にしない設計も欠かせません。

創業期に評価されやすい準備
  • 資金管理:事業用と生活用を分け、通帳と記帳で流れが追える状態
  • 計画の根拠:売上・費用を分解し、数字の前提を説明できる状態
  • 資金繰り:入金遅れを織り込み、最低残高がマイナスにならない設計
  • 相談活用:第三者の点検で計画の矛盾と書類不足を減らす

自己資金と生活費の分け方

自己資金は、返済不要で事業に使える資金として説明できることが重要です。一方、生活費は事業の返済原資とは別に確保しないと、事業資金を取り崩して資金繰りが不安定になりやすくなります。分け方の基本は、事業用口座を用意し、売上入金・仕入や外注の支払い・借入返済を事業口座で完結させることです。生活費は、事業口座から毎月一定額を「生活費」として移し、家計側で管理すると、資金の流れが説明しやすくなります。
例として、毎月の生活費が30万円かかる場合、創業直後に売上がまだ安定していないなら、生活費数か月分を別枠で確保し、事業資金の口座残高が生活費で急減しない設計にします。生活費が事業口座から不定期に引き出される状態は、資金使途の説明が難しくなるため、移動ルールを決めて記録を残すことが重要です。

区分 分け方の目安
事業資金 売上入金・仕入外注・返済など、事業の入出金を事業口座に集約する
生活費 毎月一定額を事業口座から移し、家計側で管理して混在を避ける
自己資金 形成の経緯と出所が説明でき、返済不要で使える資金として整理する

事業計画の根拠の作り方

創業期の事業計画は、立派な文章よりも「数字の根拠が説明できること」が重要です。売上は願望で置かず、件数×単価、稼働日数×客単価などに分解し、どの販路で何件取るかを説明します。費用は、家賃・人件費・通信費など固定費と、仕入・外注など変動費に分け、売上が増えたときに費用がどう増えるかを前提化します。
例として、月商200万円を目標にするなら、「既存顧客からの継続80万円」「新規獲得で月10件×12万円=120万円」のように分解し、見込みの根拠(契約見込み、紹介ルート、広告施策など)を添えます。さらに、入金サイトが翌月末、外注費が当月末などのズレを資金繰り表に反映し、売上が立っても現金が不足しないかを検証します。下振れシナリオも置き、売上未達時のコスト調整策を用意すると、計画の現実性が上がります。

根拠が弱く見えやすいポイント
  • 売上を合計だけで置き、件数や単価の前提が説明できない
  • 費用が固定費・変動費に分かれておらず、利益構造が読めない
  • 入金と支払いのタイミングが資金繰り表に反映されていない
  • 売上未達時の代替策がなく、返済の耐性が見えない

支援機関・専門家の相談目安

創業期は、計画と書類の準備で抜け漏れが出やすいため、第三者の支援を活用すると手戻りを減らしやすくなります。税理士は、記帳体制の整備、試算表の作成、資金繰り表の作り方、納税・社保の整理など、数字面の支援に強みがあります。商工会・商工会議所、よろず支援拠点、認定経営革新等支援機関などは、事業計画のブラッシュアップや制度融資の整理などで役立つ場合があります。
相談の目安は、自己資金の説明が難しい、事業計画の数字に自信がない、資金繰り表を作れていない、申込期限が迫っている、といった状況です。相談前に、見積書・通帳・入金予定・支払予定を持参し、数字で話せるようにすると、短時間でも具体的な助言につながりやすくなります。

  • 税理士:資金繰り表・試算表の整備、納税・社保の整理、書類の整合確認
  • 支援機関:事業計画の整理、制度融資の要件確認、面談準備の支援
  • 早期相談の目安:申込期限が近い、資料不足が多い、資金繰りが不安定

まとめ

事業資金の借入は、運転資金と設備資金を分けて必要額と使途を明確にし、資金繰り表で不足時期と返済余力を示すことが出発点です。借入先は銀行融資・保証付き融資、公庫・制度融資、ノンバンクで特徴と負担が異なるため、金利だけでなく保証料や手数料を含む総コストで比較します。審査では決算書・試算表の整合や納税・社保状況が見られやすく、個人事業主や創業期は自己資金の考え方と事業計画の根拠が重要になります。準備を整えたうえで、支援機関や専門家も活用しながら手続きを進めると手戻りを減らしやすいです。