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制作会社の長期入金サイト対策5選|資金繰り改善と取引先交渉のポイント・実践事例付き

制作会社は、広告代理店経由の60〜90日サイトや検収後払いなど、長期入金が重なると「売上は伸びているのに現金が足りない」という資金繰り不安に陥りがちです。銀行・公庫融資の審査に通るか、ノンバンクやファクタリングを使うべきか悩む方も多いでしょう。

この記事では、制作会社特有の長期入金サイトの実態と資金繰りリスク、案件別資金繰り表の作り方と改善の考え方、支払条件交渉や前金・分割請求などの具体策、公的融資やつなぎ資金の特徴と相談先の方向性までを客観的に整理します。

 

制作会社の長期入金サイトの実態

制作会社の多くは「検収後◯日払い」「月末締め翌々月末払い」などの条件で取引しており、請求書を出してから実際に入金されるまで60〜90日程度かかるケースが少なくありません。

特に、広告代理店や大手クライアントとの取引では、社内決裁や検収プロセスが長く、制作完了から入金まで数か月空くこともあります。

 

一方で、社内の人件費や外注費、ソフトウェア利用料などは毎月発生するため、「売上は積み上がっているのに現金が足りない」という状況になりやすい構造です。

また、同じ制作会社でも、直接取引が多い会社と代理店経由が多い会社では、入金サイトの平均値が大きく変わります。

自社の入金サイトが「何日が標準なのか」「どの取引形態が資金繰りを圧迫しているのか」を把握しておくことが、対策の出発点になります。

 

取引パターン 一般的な入金サイトの傾向
中小企業との直接取引 検収後30〜60日程度が多く、条件の個別交渉余地が比較的大きい。
大手企業・代理店経由 月末締め翌々月末払いや、検収から60〜90日など長期化しがち。
クラウドソーシング経由 サイト側の支払サイクルに依存しつつ、比較的短め〜中程度のことが多い。

 

取引形態別の入金サイト目安

入金サイトは、誰とどのような契約形態で取引しているかによって大きく変わります。

たとえば、地元の中小企業や個人店と直接契約する場合、見積〜発注〜納品の流れがシンプルで、検収後30〜45日程度の支払い条件になることが多い一方、広告代理店経由で大手企業の案件を受ける場合は、元請けの締め日や決裁プロセスが絡み、実質60〜90日サイトになることもあります。

クラウドソーシング経由の仕事では、プラットフォーム側のルールに基づき、検収完了から数日〜数週間で振込されるケースが多い一方、手数料控除など別のコストが発生します。

 

  • 中小企業・店舗との直接取引
    → サイト30〜60日程度が多く、柔軟な交渉余地がある反面、入金遅延リスクは取引先ごとに異なる。
  • 広告代理店・大手企業との取引
    → サイト60〜90日になりやすく、単価は高くても資金繰り負担が大きい。
  • クラウドソーシング経由
    → サイトは比較的短めだが、手数料や単価水準を含めた採算確認が必要。

 

自社の売上構成がどの取引形態に偏っているかを把握し、「平均サイト日数」「取引先別の入金サイクル」を一覧にすることで、資金繰りを圧迫している要因を可視化しやすくなります。

 

広告代理店経由取引の注意点

広告代理店経由の案件は、案件規模が大きく継続性も期待できる一方で、「入金サイトが長い」「検収・修正が長引きやすい」といった資金繰り上の課題があります。

たとえば、制作完了から1か月後に代理店へ請求し、そこから代理店の締め・決裁を経てさらに60日後に支払いという条件であれば、実質的には制作着手から4〜5か月後にしか入金されないケースもあります。

また、広告主側の予算凍結やキャンペーン中止などの影響を受けることもあり、代理店との契約書や支払条件の確認が重要になります。

 

広告代理店経由取引で注意したいポイント
  • 「代理店への請求タイミング」と「広告主から代理店への入金タイミング」がずれていないかを確認する
  • 検収基準(どの時点で検収完了とみなすか)と追加修正ルールを契約書で明確にしておく
  • 代理店1社への依存度が高すぎると、条件変更や入金遅延が資金繰りに直結するため、取引先分散も検討する

 

代理店側も社内ルールに縛られていることが多いため、「なぜこのタイミングで入金なのか」「前倒しや中間金の余地があるか」を丁寧に確認し、現実的な範囲で交渉することが大切です。

 

クラウドソーシング案件の特徴比較

クラウドソーシング経由の案件は、比較的小口で単発のものが多い反面、入金サイトが短めであることが多く、フリーランスや小規模制作会社にとっては「細かく現金化しやすい」特徴があります。

多くのプラットフォームでは、クライアントの検収完了後に報酬が確定し、その後数日〜数週間で振込される仕組みになっているため、代理店経由の長期サイトと比べると資金繰りへの負担は軽めです。

一方で、プラットフォーム利用料(手数料)が差し引かれることや、単価が相対的に低くなりやすい点など、収益性の面での確認が欠かせません。

 

項目 直接取引・代理店経由 クラウドソーシング案件
入金サイト 30〜90日など長めになりやすい。 検収後数日〜数週間など比較的短め。
手数料 通常は発生しないが、代理店マージンとして単価に影響することがある。 プラットフォーム利用手数料が報酬から差し引かれる。
案件規模 中〜大規模・継続案件が多い。 小口・単発案件が多く、数でカバーする形になりやすい。

 

クラウドソーシングを資金繰り対策として活用する場合は、「短期的に現金化しやすい案件」として位置づけつつ、手数料と単価を踏まえた粗利を確認し、全体の時間配分や人員配置とのバランスを取ることが重要です。

長期サイトの案件と短期サイトの案件をどう組み合わせるかが、制作会社の資金繰りを安定させる一つのポイントになります。

 

長期入金サイトと資金繰りリスク

制作会社にとって、長期入金サイトの最大の問題は「売上計上のタイミング」と「現金が入るタイミング」のズレです。

たとえば、月末締め翌々月末払い(おおむね60日サイト)で、月商500万円から700万円に伸びた場合を考えると、売上は増えているのに、手元に入金されるのは2か月後の売上であるため、当面の現金は500万円ベースのままという状況が続きます。

 

この間も、社員の給与やオフィス賃料、外注パートナーへの支払いは毎月発生するため、見かけ上の売上増がかえって資金繰りを圧迫することがあります。

さらに、複数の大口案件で入金サイトが重なると、請求書上は数千万円の売上が計上されている一方で、預金残高はほとんど増えていない、という状態にもなり得ます。

こうしたリスクは、損益計算書だけを見ていると気づきにくいため、資金繰り表で将来の入金と支払のズレを把握することが重要です。

 

リスクの種類 長期入金サイトによる影響
資金ショート 一時的に支払う現金が入金を上回り、給与・外注費・税金などの支払が遅れるおそれがある。
取引機会損失 新規案件を受ける余力があっても、運転資金不足で受注を見送らざるを得ない状況が生じる。
信用低下 支払遅延が続くと、外注パートナーや取引先からの信頼が低下し、条件悪化や取引縮小につながる。

 

売上増でも現金不足になる事例

具体的な例で考えてみます。月商500万円・入金サイト60日の制作会社が、広告代理店経由の受注増で月商800万円になったとします。

案件単価は上がり、粗利率も一見悪くありませんが、入金は「2か月前に完了した仕事」の分がようやく振り込まれる形です。

そのため、今月800万円の売上を計上しても、今月口座に入るのは2か月前の500万円分のままという状況が続きます。

 

一方で、増えた案件に対応するため、外注費やスタッフの残業代、追加のサブスクツール費用などは、すでに今月から増加します。

結果として、利益が出ているはずなのに、手元資金はむしろ減る、という矛盾した状態に陥りがちです。

 

売上増でも現金不足になりやすいパターン
  • 大手・代理店案件の比率が増え、入金サイトが全体として長期化している
  • 増加した売上に見合う運転資金(2〜3か月分)が確保されていない
  • 資金繰り表がなく、「月商が伸びているから大丈夫」と受注を増やしている

 

このような事例を防ぐには、「売上目標」とともに「必要運転資金の目安」を設定し、長期サイトの案件を増やす前に、手元資金・融資枠・つなぎ資金などの備えを確認しておくことが重要です。

 

固定費と外注費先行の注意点

長期入金サイトのもとでは、「毎月出ていく固定費」と「案件ごとに先行する外注費」が、資金繰りを二重に圧迫します。

固定費とは、オフィス賃料や通信費、ソフトウェア・クラウドサービスの月額料金、正社員の給与など、売上に関係なく毎月出ていく支出のことです。

外注費は、デザイナー・ライター・エンジニアなど外部パートナーへの支払いで、多くの場合「当月末締め翌月末払い」など、制作会社側の入金よりも早いタイミングで支払う必要があります。

 

  • 固定費
    → 案件の有無にかかわらず毎月発生するため、長期サイトが続くと資金残高を着実に減らしていく要因になる。
  • 外注費
    → 案件が増えるほど比例して増える一方、支払は入金より先行し、ピーク時の資金需要を押し上げる。
  • その他の先行支出
    → 広告費や営業活動費、撮影・スタジオ代なども、案件完了前に支払うケースが多い。

 

固定費・外注費管理で意識したいポイント
  • 固定費は「月商に対する割合」で見るだけでなく、「入金サイトを踏まえた2〜3か月分の負担額」で把握する
  • 外注費の支払条件(締め日・支払日)を一覧化し、長期サイトの案件と時期が重なりすぎていないか確認する
  • 繁忙期の受注計画時には、「人員・外注キャパ」とともに「先行支出に耐えられる運転資金」をチェックする

 

こうした視点を資金繰り表に落とし込むことで、「この受注を増やすと、3か月後にどれくらい現金が必要になるか」を事前にイメージしやすくなります。

結果として、無理な受注拡大を避けつつ、長期サイトの案件と短期サイトの案件のバランスを意識した経営判断につなげることができます。

 

制作会社の資金繰り表と案件管理

制作会社の資金繰りは、「会社全体の月次資金繰り」と「案件別の収支・入金予定」の二層で管理することが重要です。

月次の資金繰り表だけだと、どの案件が資金を生み、どの案件が資金を食っているのかが見えにくくなります。

そこで、案件ごとに売上・原価・請求日・入金予定日を整理した一覧を作り、それを月次の資金繰り表と連動させることで、「いつ・いくら資金が動くのか」を具体的に把握しやすくなります。

 

管理の軸 押さえたいポイント
月次資金繰り表 期首残高・入金・支払・税金等を月ごとに整理し、数か月先の残高推移を確認する。
案件別収支表 案件ごとの売上・外注費・工数・粗利、請求日・入金予定日を一覧化する。
入金サイト別管理 30日・60日・90日などサイト別に案件を分類し、負担の大きい案件を把握する。

 

この三つを組み合わせて管理することで、「売上は好調なのに資金が足りない」といったギャップの原因を把握しやすくなり、受注判断や値引き交渉、資金調達の検討にも役立ちます。

 

案件別収支と入金予定の管理ポイント

案件別収支の管理では、単に「売上いくら・原価いくら」だけでなく、「いつ請求し、いつ入金されるか」をセットで記録することが重要です。

たとえば案件カードのようなフォーマットを用意し、「案件名/クライアント/受注金額/想定原価(外注費+自社工数)/見込み粗利/制作期間/請求日/入金予定日」を1枚にまとめておくと、個別案件の採算と資金インパクトを同時に確認できます。

 

案件別で記録しておきたい主な項目
  • 案件情報:案件名・クライアント名・担当者・制作期間
  • 収支情報:受注金額・想定原価(外注費+自社工数)・想定粗利額・粗利率
  • 資金情報:請求予定日・入金サイト・入金予定日・前金や分割の有無

 

これらの情報をスプレッドシートなどで一覧化し、月次の資金繰り表に「案件別入金予定」を連動させることで、「今月の資金不足はどの案件のサイトが原因か」「どの案件がお金を生み出しているか」が見えやすくなります。

特に大口案件は、単独で資金繰りに与える影響が大きいため、個別管理を徹底することが望ましいです。

 

入金サイト別シナリオ作成チェック

長期入金サイトの影響を把握するには、「入金サイト別のシナリオ」を資金繰り表上で試算してみる方法が有効です。

たとえば同じ月商500万円でも、平均入金サイトが30日の場合と90日の場合では、必要な運転資金の水準が大きく変わります。

サイト30日を基準としたケース・60日まで延びたケース・90日まで延びたケースの3パターンを作り、それぞれの資金残高の推移を比較すると、自社がどれくらいサイト延長に耐えられるかの目安が見えてきます。

 

  • 基準ケース:現在の平均入金サイト(例:45日)で資金繰り表を作成する
  • 悪化ケース:入金が1か月遅れた場合のシナリオ(サイト+30日)を試算する
  • 改善ケース:分割請求や前金によりサイトを短縮した場合のシナリオを試算する

 

入金サイト別シナリオ作成時のチェックポイント
  • 各シナリオで「いつ残高がマイナスに近づくか」を確認する
  • 残高が薄くなる月に合わせて、融資枠やつなぎ資金の必要額を概算する
  • サイト短縮の効果(例:平均サイトを60日→45日にした場合の残高改善幅)を数字で把握する

 

こうしたシミュレーションをしておくと、「どの程度まで長期サイト案件を増やせるか」「サイトが悪化した際に、どのタイミングで金融機関や取引先と相談すべきか」を、感覚ではなく数字に基づいて検討しやすくなります。

 

赤字案件と長期案件の見直し基準チェック

資金繰りを安定させるには、単に入金予定を管理するだけでなく、「構造的に資金を圧迫している案件」を見直すことも欠かせません。

特に注意したいのは「粗利率が低い案件」と「入金サイトが極端に長い案件」です。これらは売上が立っていても手元にほとんど現金が残らず、外注費や固定費の負担に耐えきれなくなる原因となります。

 

  • 粗利率が一定水準(例:20%)を大きく下回る案件
  • 入金サイトが60〜90日以上と長く、前金や中間金がない案件
  • 修正対応が多く、当初見積もりより実工数が大きく膨らんでいる案件

 

見直しを検討したい案件の基準例
  • 粗利率が社内基準を下回る状態が継続している取引先・案件
  • 長期サイトかつ依存度が高く、資金繰りを慢性的に圧迫している大口クライアント
  • 毎回トラブルや追加対応が発生し、実質的な単価が下がっている案件

 

こうした案件については、単価見直しや支払条件交渉、受注量の調整、場合によっては取引縮小も含めて検討する必要があります。

案件別収支とサイト情報を定期的に振り返り、「残したい案件」「条件を見直したい案件」「段階的に減らしたい案件」に分類することで、長期的に資金繰りを圧迫しないポートフォリオへと近づけていくことができます。

 

長期入金サイトへの具体的対策

長期入金サイトそのものを変えるのは簡単ではありませんが、「条件交渉」と「請求の組み立て方」「社内の運用ルール」を見直すことで、資金繰りの負担を軽くできる余地はあります。

特に制作会社の場合、請求回数を増やして分割請求にしたり、着手時に一部前金を受け取る、検収タイミングを細かく区切るといった工夫が、実質的な入金サイト短縮につながります。

また、請求書の発行タイミングが後ろ倒しになっていると、本来30日サイトであっても実質60日以上の負担になってしまうため、社内の承認フローや締め日の運用ルールも重要な論点です。

 

対策の方向性 具体的な内容の例
条件交渉 分割請求・前金・中間金・検収タイミングの見直しなどを取引先と協議する。
請求運用 社内締め日・請求書発行日を前倒しし、「出せるものはすぐ出す」体制を整える。
案件選別 極端な長期サイト案件や粗利の薄い案件は、条件見直しや受注量調整を検討する。

 

支払条件交渉と分割請求のポイント

支払条件は、一度決まると長く固定されがちですが、「契約前」に話し合えば、分割請求や支払サイトの部分的な短縮が認められるケースもあります。

たとえば、総額300万円・制作期間3か月の案件で、「納品後一括払い・検収月末締め翌々月末払い」となっていると、実質5〜6か月後まで入金がない計算になります。

これを「着手金30%・中間金40%・納品後30%」の3回に分割し、各タイミングで請求できるようにすれば、必要な運転資金の山を大きく抑えられます。

 

支払条件交渉・分割請求のポイント
  • 金額の根拠を示す
    → 「初期デザイン・設計に全体の◯割の工数がかかるため、着手金◯%をご相談したい」といった説明を用意する。
  • 相手の社内ルールを確認する
    → 月次締めや前金禁止などのルールがあるか事前に聞き、その範囲内で現実的な案を出す。
  • トラブル防止のため書面化する
    → 見積書・発注書・基本契約書に「支払条件」「請求タイミング」を明記しておく。

 

交渉の主眼は「自社の資金繰り」だけでなく、「制作を安定的に進めるため」「外注パートナーへの支払を守るため」といった、取引先にもメリットが伝わる形にすることです。

すべての先で分割請求が通るわけではありませんが、「高額・長期の案件ほど分割を提案する」といった社内方針を持つだけでも、資金繰りリスクを抑えやすくなります。

 

前金・着手金を依頼する際の注意点

前金・着手金は、制作開始時点で一部の報酬を受け取り、初期の外注費や工数負担をカバーする手段です。

特に新規クライアントや、撮影・キャスティング・印刷など初期費用が大きい案件では、前金をいただけるかどうかが資金繰りに大きく影響します。

ただし、過度な前金要求は相手の不安につながるため、「なぜその金額が必要か」「どの工程に対応するのか」を明確に説明することが大切です。

 

  • 説明の仕方
    → 「撮影・スタジオ費用など、外部費用が先行するため、これら実費分を着手時にご請求させてください」など、具体的な内訳とともに伝える。
  • 金額の目安
    → 総額のうち、初期工程で発生するコスト相当分(例:20〜40%程度)を上限として提案するケースが多い。
  • 信頼関係とのバランス
    → 初回は低めの着手金+中間金で提案し、取引実績を重ねながら条件を見直す方法もある。

 

前金・着手金依頼時の注意点
  • 返金条件をあいまいにしない
    → キャンセル発生時にどこまで返金するかを、契約書に明記しておく。
  • 口頭合意のままにしない
    → 見積書や注文書に「着手金◯円を◯月◯日までにお振込み」など具体的に記載する。

 

前金・着手金は、相手の信頼を損なわないよう、丁寧な説明と書面での合意をセットにして運用することが重要です。

 

請求書発行タイミング見直しの目安

意外と見落とされがちなのが、「請求書を出すタイミング」の問題です。条件上は「検収月末締め翌月末払い(実質30日サイト)」であっても、社内の承認フローが遅く、実際には検収完了から数週間後に請求書を発行していると、結果として60日サイト相当の資金負担になってしまいます。

請求書の発行を前倒しするだけで、実質的な入金サイトを短縮できるケースも多いため、社内プロセスの見直しは費用をかけずに始められる対策です。

 

請求書発行タイミング見直しのチェックポイント
  • 検収完了から請求書発行までの平均日数を測る
    → 「完了日」と「発行日」を数案件サンプルで確認し、実態を把握する。
  • 社内承認のボトルネックを洗い出す
    → 営業・制作・経理のどこで時間がかかっているかを確認し、フォーマットの統一や電子承認の活用を検討する。
  • 請求締め日のルールを明文化する
    → 「毎週◯曜日に検収分をまとめて請求」「月中締め案件は当月請求」など、前倒し前提の運用に変える。

 

また、長期案件では「納品一括請求」ではなく、「マイルストーンごとに検収・請求する」という考え方に切り替えるだけでも、請求書発行のタイミングを増やせます。

こうした社内運用の小さな改善の積み重ねが、長期入金サイトの影響を和らげ、資金繰りの予測可能性を高めることにつながります。

 

資金繰り悪化時の資金調達と相談先

長期入金サイトが続き、外注費や固定費の支払いが重なってくると、「一時的に資金が足りない」局面が出てきます。

この段階で重要なのは、まず「いくら不足するのか」「いつまでに必要なのか」「返済原資はどこから生まれるのか」を資金繰り表で明確にしたうえで、公的融資・制度融資などの中長期資金と、ファクタリング等の短期のつなぎ資金を使い分けることです。

また、税理士や専門家、金融機関に早めに相談することで、制度融資の情報や返済条件の見直しなど、単発の借入にとどまらない選択肢が見えてくる場合もあります。

 

手段・相談先 資金繰り上の役割
公的融資・制度融資 長期の運転資金・借換資金を確保し、構造的な資金不足をならす。
ファクタリング等 売掛金の前倒し現金化により、一時的な資金ショートを埋める。
専門家・金融機関 資金繰り表の見直しや、複数手段を組み合わせた改善策の検討を支援する。

 

公的融資・制度融資の活用ポイント

日本政策金融公庫や、自治体が金融機関・信用保証協会と連携して実施する制度融資は、中小の制作会社が運転資金を確保するうえで検討しやすい手段です。

長期入金サイトで売掛金が膨らんでいる場合でも、「なぜ資金が足りないのか」「今後の受注・入金の見込みはどうか」を説明できれば、運転資金として利用できることがあります。

 

公的融資・制度融資を検討するときのポイント
  • 目的を明確にする
    → 長期入金サイトによる運転資金不足の解消なのか、既存借入の借換えなのかを整理する。
  • 必要書類を事前にそろえる
    → 決算書・試算表・資金繰り表・主要案件の一覧(入金サイト含む)を準備する。
  • 返済計画を数字で示す
    → 「売掛金が回収されるタイミング」と「毎月返済可能な額」を資金繰り表で説明する。

 

制度融資は、金利や保証料の一部が自治体で補助されるものもあり、ビジネスローン等に比べて負担が抑えられることがあります。

その一方で、審査に一定の時間がかかるため、「数か月先まで含めて資金が足りなくなりそうだ」と分かった段階で動き始めることが大切です。

 

ファクタリング等つなぎ資金の比較

ファクタリングは、クライアントへの売掛金を専門会社に買い取ってもらい、入金を前倒しする手段です。

長期入金サイトの案件が多く、一時的に資金ショートの懸念がある場合に、短期のつなぎとして検討されることがあります。

ほかにも、銀行の手形割引やでんさいの譲渡など、債権を活用した資金調達手段がありますが、いずれも手数料や金利がかかるため、粗利への影響を踏まえた検討が必要です。

 

手段 主な特徴 主な注意点
ファクタリング 売掛金を早期現金化。借入ではなく債権売却の形態。 手数料負担が発生し、案件の粗利が圧縮される。
手形割引・でんさい 期日までの資金化を銀行等に依頼できる。 金利・手数料と、取引先の信用力に応じた条件に留意する。

 

ファクタリング等を検討する際は、「どの案件の売掛金に使うのか」「手数料を差し引いた後でも利益が出るのか」を案件別収支で確認することが大切です。

元請けとの関係性や契約内容によっては、債権譲渡に制約がある場合もあるため、契約書の条文や取引慣行を事前に確認しておく必要があります。

 

専門家・金融機関に相談するタイミング目安

資金繰りが悪化し始めたとき、「もう少し売上が増えれば乗り切れるかもしれない」と考えて先延ばしにすると、税金や外注費の支払い遅れが重なり、かえって選択肢が狭まることがあります。

資金繰り表を作成した段階で、「数か月先に残高が大きく落ち込む」「長期入金サイトの案件が集中している」と分かった時点で、金融機関や税理士・中小企業支援機関に相談しておくと、制度融資の紹介や条件変更の検討など、準備できることが増えます。

 

相談を検討したいタイミングの目安
  • 資金繰り表上、2〜3か月先に大きな資金不足が見込まれる
  • 税金・社会保険料・外注費などの支払いをどれか一つでも遅らせざるを得ない状況になりつつある
  • 長期入金サイトの大口案件が複数重なり、自社だけでは必要資金の算段がつかない

 

相談の際には、決算書や試算表に加えて、案件別の入金サイト一覧や資金繰り表を持参し、「どの案件がどの時期に資金を生み・必要とするのか」を説明できるようにしておくと、より具体的な助言や支援策を検討してもらいやすくなります。

短期的な資金調達だけでなく、中長期の事業計画と返済計画をセットで考える姿勢が、制作会社の資金繰りを安定させるうえで重要です。

 

まとめ

制作会社の長期入金サイトは、売上計上と入金時期のズレを生み、固定費や外注費が先行することで資金ショートリスクを高めます。

まずは案件別収支と入金予定を資金繰り表で見える化し、長期サイト・赤字案件の見直し基準を持つことが重要です。

 

そのうえで、分割請求や前金・着手金の依頼、請求タイミングの調整など取引先との条件交渉を行い、公的融資・制度融資やファクタリング等の資金調達手段を比較検討します。

次のステップとして、今ある案件の支払・入金予定を一覧化し、必要資金と返済可能額を整理したうえで、金融機関や税理士・専門家へ早めに相談し、中長期の事業計画と一体で資金繰りを見直していく姿勢が求められます。