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訪問看護のスタッフ給料を遅らせない資金確保の7つのポイントを解説

訪問看護は人件費比率が高く、診療・介護報酬の入金まで時間がかかるため、スタッフ給料の支払い資金をどう確保するかが課題になりがちです。

公庫・銀行融資の審査が不安、ノンバンクの安全性が気になる、税金・社保の遅れが影響しないか悩む方向けに、資金確保策の比較(公庫・保証協会・早期資金化・補助金)、審査基準と必要書類、申込の流れ、資金繰り表の基本と改善、入金・支払サイトの見直し、滞納時のリスクと相談先の考え方をまとめます。

 

訪問看護の資金繰り構造

訪問看護は、サービス提供から診療・介護報酬の入金までにタイムラグが出やすい一方で、スタッフ給料や社会保険料、事務所家賃などの固定費は毎月確実に発生します。

この「入金が遅く、出金が先行する」構造が、黒字でも資金が足りなくなる原因になりがちです。まずは入金と出金の発生月を並べて見える化し、資金不足が起きる月を事前に把握することが出発点です。

 

区分 内容の例と発生タイミング
入金 診療・介護報酬:月次の請求後、入金まで1〜2か月程度の差が出る前提で資金計画に反映
出金 給料:月末締め当月末払い/翌月払いなどルールにより毎月発生、社保:翌月納付が多い、家賃・リース:毎月定額
ズレの影響 採用・退職がある月、賞与月、繁忙期の残業増などで出金が増えると不足が顕在化しやすい

 

入金サイト確認の目安

入金サイトは「いつ請求し、いつ入金される想定か」を月単位で固定しておくのが基本です。目安として、サービス提供月を起点に「請求月」「入金月」をカレンダーに落とし、給料支払日と重ねて資金の谷(残高が最も減る時期)を確認します。

例えば、4月に提供した分が5月に請求、6月入金の想定なら、4月末〜6月中旬は入金が薄い期間になりやすく、採用費や賞与が重なると資金不足が起きやすくなります。

医療保険と介護保険、自治体事業、利用者自己負担など入金源が混在する場合は、入金日がバラけるため、実績ベースで「入金日一覧」を作り、想定との差を毎月更新すると精度が上がります。

 

入金サイトを把握するコツ
  • 「提供月→請求月→入金月」を入金源ごとに固定して資金繰り表へ反映
  • 給料支払日と社保納付月を重ね、残高が落ちる時期を先に特定
  • 入金遅延が起きた月は、理由(請求差戻し等)と金額を控えて再発防止に使う

 

人件費比率の注意点チェック

訪問看護は人件費が中心コストになりやすく、売上の増減より先に給料・手当が確定する点が資金繰り上の注意点です。

特に、採用強化やオンコール体制の拡充で固定費化が進むと、入金が遅れる月に資金が詰まりやすくなります。

 

管理では、月次の損益だけでなく「現金支出としての人件費」を分解して見ることが有効です。具体的には、基本給・残業代・各種手当・賞与見込み・社会保険料(会社負担)を分け、増える月を先に見つけます。

例えば、毎月末払いの給料に加え、年2回の賞与を「賞与月に一括」ではなく、毎月の積立として資金繰り表に入れておくと、賞与月の資金ショートを予防しやすくなります。

 

  • 給料の支払日(当月末/翌月◯日)と、支払総額の増える月(採用月・繁忙月)を先に特定
  • 会社負担の社会保険料を「翌月の大きな出金」として別枠で管理
  • 賞与は月割りで積み立て、支払月に慌てて資金調達しない前提にする

 

請求漏れ防止のポイント

請求漏れや差戻しは「売上が消える」だけでなく「入金がさらに遅れる」ため、給料の原資が足りない月を作る直接要因になります。

予防策は、現場の記録と請求データの突合、締め日の前倒し、差戻し時の初動をルール化することです。

 

例えば、月末締めの場合でも、月末最終日まで入力を待たず、月中で一度「未入力・未確定一覧」を出して埋める運用にすると、締め直前のミスが減りやすくなります。

また、請求の修正が発生したときは、入金月がずれる前提で資金繰り表を更新し、代替の手当て(支払い調整や短期資金の検討)を同時に進めると混乱を抑えられます。

 

請求トラブルが資金繰りに直結する理由
  • 差戻しや修正で入金が後ろ倒しになり、給料支払い月と重なると不足が表面化しやすい
  • 月次損益が黒字でも、入金遅延が続くと資金ショートが起き得る
  • 再発防止は「記録→突合→締め前倒し→差戻し初動」の型を作るのが近道

 

給与支払い前提の資金計画

訪問看護でスタッフ給料を遅らせないためには、売上見込みから逆算するのではなく「給与支払いを起点」に資金計画を組むのが現実的です。

入金が月遅れになりやすい一方、給料・社会保険料・家賃などは毎月確実に出ていくため、資金繰りは「最低残高」を守る発想が重要になります。

 

具体的には、今月末から向こう2〜3か月分について、入金予定と出金予定を月次で並べ、残高が最も減るタイミングで赤字にならないかを確認します。

例えば、月末に給料、翌月末に社会保険料、さらに賞与月が重なる場合は、入金が想定より遅れたときに一気に不足しやすいです。

こうした月を先に見つけ、支払い順の見直しや、調達の検討を早めに進めることで、急な資金手当てに追われる状態を減らせます。

 

給与起点で資金計画を作る基本
  • 入金より先に「給料・社保・家賃・リース」を確定出金として固定する
  • 向こう2〜3か月の月次残高を出し、最低残高ラインを割りそうな月を特定する
  • 不足が見えた時点で、支払い調整と資金確保策の検討を同時に進める

 

給与支払日のカレンダー活用法

資金繰り表を作っても、日付感覚がないと「いつ足りなくなるか」が見えづらくなります。そこで有効なのが、給与支払日を軸にしたカレンダー運用です。

具体的には、月内の主要な出金日(給料、社会保険料、家賃、リース、外注費、税金)を先に固定し、次に入金日(診療・介護報酬、自己負担、補助金の入金予定など)を当てはめます。

 

入金日が確定しづらいものは「最遅想定日」で置き、保守的に見積もるのが安全です。

例えば、給料が毎月25日払いの場合、20日〜25日に支払いが集中しやすいので、その直前に現金が残るよう、取引先への支払い日を月末に寄せるなどの調整余地も検討できます。

カレンダーは経理だけで抱えず、管理者や所長クラスとも共有し、採用・研修・オンコール体制の変更など「出金が増える意思決定」を行う前に資金面の影響を確認できる状態にします。

 

書き込む項目
固定出金日 給料(毎月25日)、家賃(毎月末)、社保(翌月末)、リース(毎月10日)
変動出金 採用費、研修費、残業代増、ユニフォーム・備品、車両関連費
入金日 診療・介護報酬(入金想定日)、利用者自己負担、自治体事業の委託費
注意点 入金は遅れた場合も想定し「最遅日」で置くと資金不足を先に発見しやすい

 

賞与・採用費の積立基準

賞与や採用費は、資金繰りを急に悪化させやすい代表的な項目です。ポイントは「支払月にまとめて考えない」ことです。

賞与は支給月にまとまった現金が必要になるため、毎月の積立として資金繰り表に織り込み、通常月の手残りから計画的に確保します。

例えば、夏と冬に賞与を出す場合、想定賞与総額を月割りし、毎月一定額を別枠で積み立てた前提で資金残高を確認します。

 

採用費も同様で、求人広告費や紹介手数料は発生月が偏りやすく、さらに採用後は研修期間中の生産性低下で売上が伸びないまま人件費が増えることがあります。

そのため、採用活動は「採用費+立ち上がり期間の追加人件費」をセットで見積もり、資金確保の当て(余裕資金、短期資金、支払い調整など)を先に決めてから実行するのが現実的です。

 

積立をしないと起きやすいこと
  • 賞与月に資金が足りず、緊急の借入や支払い遅れに頼りやすくなる
  • 採用費の支払いと新人の立ち上がり期間が重なり、入金が増えないまま出金だけ増える
  • 資金不足の焦りから、条件が合わない資金調達に飛びつきやすくなる

 

積立の基準は一律ではありませんが、少なくとも「賞与の見込み」「採用の繁忙期」「人員計画」を月次で確認し、資金繰り表に反映する運用が必要です。

賞与が未定の場合でも、過去実績や社内方針をもとに仮置きし、実際の支給方針が固まった時点で上書きする形にすると、計画が止まりにくくなります。

 

立替経費の管理ポイント

立替経費が多い事業所では、経費精算の遅れが資金繰りのムダを生みます。スタッフが交通費や備品を立替えると、精算タイミングによっては「給料+精算」が同じ週に集中し、現金流出が膨らみやすいです。

対策は、立替の発生自体を減らし、やむを得ない場合も精算ルールを固定することです。例えば、法人カードや事業用のICカードを支給できる範囲で整備し、立替を原則例外にします。

 

立替が残る場合は、精算の締め日と支払日を定め、領収書の提出期限や不備時の差戻しルールを明確にします。

資金繰り表では、立替精算を「変動の出金」として別枠で計上し、繁忙月に増える傾向があるなら、過去実績から上振れ幅を織り込むと安全です。

 

立替経費を資金繰り悪化にしない運用
  • 法人カード・事業用ICカードなどで立替の発生を減らす
  • 精算の締め日と支払日を固定し、給料支払日と重ならないよう調整する
  • 領収書不備の差戻しルールを決め、未精算残を月次で見える化する

 

資金確保の選択肢比較

訪問看護でスタッフ給料の原資を確保する方法は、大きく「融資(公庫・保証協会付き)」「売掛債権の早期資金化」「補助金・助成金」に分かれます。

融資はまとまった資金を確保しやすい一方、審査と書類準備が必要です。早期資金化は入金までのタイムラグ対策として使われますが、費用や契約条件の確認が重要です。

 

補助金・助成金は返済不要の可能性がある反面、用途制限や公募期間、採択後の事務負担が前提になります。

まずは「いつまでに、いくら必要か」「返済余力があるか」「資金使途が補助対象に合うか」を基準に、複数の選択肢を並べて比較します。

 

手段 向く場面 主な注意点
公庫融資 設備投資や運転資金を、計画的に確保したい 書類準備と面談対応が必要、実行まで時間がかかることがある
保証協会付き融資 地域金融機関で借入枠を作り、継続的に資金を回したい 保証料が発生し得る、金融機関と保証協会の審査観点がある
早期資金化 診療・介護報酬の入金待ち期間を短縮したい 手数料・契約条件・債権の扱い(通知等)を要確認
補助金・助成金 採用・賃上げ・設備導入など、対象目的が合う 公募期間・要件・実績報告が前提、入金まで時間がかかる

 

公庫融資の特徴と比較ポイント

公庫融資は、民間金融機関の融資を補完する位置づけで、創業期や小規模事業者の運転資金・設備資金の検討先になりやすいです。

訪問看護では「採用で人件費が先に増える」「車両・ICT機器の導入が必要」といった資金需要が出やすいため、資金使途を整理して申し込みます。

 

比較のポイントは、資金の使い道に合う制度か、返済期間と毎月返済額が資金繰りに無理なく載るか、提出書類(決算書、試算表、資金繰り表など)を準備できるかです。

例えば「翌月の給料支払いに200万円不足しそう」なら、必要額だけでなく、入金遅れが出た場合の余裕分も含めた資金計画を示すと説明が一貫しやすくなります。

 

公庫融資を比較するときの確認ポイント
  • 資金使途の明確化(運転資金の内訳、設備の見積もり等)
  • 返済額の現実性(資金繰り表で返済後残高が残るか)
  • 審査説明の材料(売上見込みの根拠、採用計画、稼働率の前提)

 

保証協会付き融資の注意点

保証協会付き融資は、信用保証協会の保証を付けて地域金融機関から借りる形で、金融機関単独よりも融資を受けやすくなる場合があります。

一方で、保証が付くことで保証料が発生し得ること、金融機関と保証協会の双方で事業内容や返済可能性が確認されることは前提です。

訪問看護では、人件費が先行する構造を踏まえ「入金サイトのズレをどう埋めるか」「採用後の稼働立ち上がりまでの資金余裕」を具体的に説明できると整理が進みます。

 

注意点として、資金使途が曖昧な申込み、返済計画が現実的でないケース、税金・社会保険料の未納が長期化しているケースは、説明や調整が難しくなることがあります。

事前に必要書類の範囲と提出スケジュールを確認し、資金繰り表で「借入実行までのつなぎ」をどうするかも合わせて検討します。

 

  • 保証料が発生し得るため、金利だけでなく総コストで比較する
  • 金融機関と保証協会で確認観点がある前提で、計画と根拠を揃える
  • 資金使途と返済原資(どの入金で返すか)を言葉と数字で一致させる

 

診療・介護報酬の早期資金化の選び方

早期資金化は、診療・介護報酬など将来入金される予定の売掛債権を早めに現金化して、入金までのタイムラグを短くする考え方です。

借入ではなく債権の売買として扱われる形が一般的ですが、実質的に借入に近い条件になっていないか、費用が資金繰りを圧迫しないかの確認が重要です。

 

訪問看護は請求差戻しや記録不備が起きると入金が後ろ倒しになりやすいため、「早期資金化に頼る前に請求精度を上げる」「利用頻度を限定し、コストの上限を決める」といった運用が現実的です。

選ぶ際は、手数料体系(定率・定額、最低手数料の有無)、入金までのスピードだけでなく、契約期間や違約条件、債権の取扱い(通知や必要書類)まで確認し、資金繰り表に反映して比較します。

 

早期資金化で見落としやすい注意点
  • 手数料の見え方(広告上の率と実際の支払総額が一致するか)
  • 契約条件(更新・解約、違約金、追加費用の有無)
  • 債権の取扱い(必要書類、通知手続きの要否、差戻し時の扱い)

 

補助金・助成金の探し方

補助金・助成金は、目的と要件が合えば返済負担を増やさずに資金を確保できる可能性があります。

訪問看護では、採用・定着、賃上げ、ICT導入、業務効率化、感染対策などが対象になり得ますが、制度ごとに対象経費、申請期間、必要書類、採択後の実績報告が定められています。

 

探し方は、国の申請システムや自治体・関係機関の公募情報を起点にし、条件に合うものだけを絞るのが効率的です。

資金繰りの観点では「採択から入金まで時間がかかる」前提で、当面の給料支払い資金を補助金だけに頼らない計画にします。

 

  1. 目的を決める(採用・賃上げ・設備導入など)
  2. 公募要領で要件と対象経費を確認する(対象外経費も併せて確認)
  3. 必要書類を洗い出す(見積書、計画書、賃金台帳等)
  4. スケジュールを資金繰り表に反映する(申請→採択→実施→精算→入金の順)

 

審査で見られる評価条件

資金確保で融資を検討するとき、審査は「今ある数字」と「今後の見通し」の整合で判断されやすいです。

訪問看護は人件費が先行し、入金まで時間差があるため、売上が出ていても資金繰りが詰まることがあります。

 

そのため、単に「売上が増えている」だけでなく、給料や社会保険料を支払いながら返済できるか、入金サイトのズレをどう埋めるかが説明の軸になります。

準備としては、決算書や試算表の数字の背景を説明できること、資金繰り表で不足月と対策を示すこと、税金・社会保険料の状況を整理しておくことが重要です。

特に、申込み直前に慌てて書類をそろえると、数字の説明がぶれたり、入金予定・支払予定の見積もりが甘くなりやすいので、資金が必要になる1〜2か月前から準備を始めると現実的です。

 

審査で説明の一貫性を作るコツ
  • 不足理由を「入金サイト×人件費」で説明し、対策を数字で示す
  • 決算書と資金繰り表のつながり(返済原資)を言葉で説明できるようにする
  • 税金・社保の状況を隠さず整理し、相談・分納の段取りも含めて示す

 

決算書で見られるポイント

決算書で見られやすいのは、利益の有無だけではなく、事業の安定性と返済可能性につながる項目です。

訪問看護の場合、売上の伸び方が人員体制や稼働率と結びつくため、「利用者数の推移」「看護師・療法士などの配置」「稼働の上限と余力」を数字と運用で説明できると納得性が上がります。

実務上は、売上総利益や営業利益の推移に加え、役員報酬や人件費の増減、支払利息の負担感、借入金の返済状況などが確認されやすいです。

 

また、現金の余裕を見る観点で、売掛金や未収金の増加、買掛金や未払金の増加が一時的なものか、慢性化していないかもポイントになります。

例えば、売上が増えているのに預金が増えない場合、請求差戻しや入金遅延、未払の積み上がりがないかを併せて説明できると、資金繰りの課題と対策が伝わりやすくなります。

 

確認されやすい観点 訪問看護での見せ方の例
収益の安定性 稼働率の推移、利用者数の増減、人員体制の見通し
費用構造 人件費の増減理由(採用・手当・残業)、外注費の有無
資金繰りの実態 未収の増減、支払い遅れの有無、預金残高の推移
返済負担 既存借入の返済額と、返済後も残高が残るか

 

資金繰り表提出の基準

資金繰り表は、融資の可否を直接決める書類というより、「資金不足がいつ、どれだけ起きるか」「借入後に返済しながら回るか」を説明するための材料になります。

提出の基準は制度や金融機関で異なりますが、運転資金の申込みや、資金使途が人件費・家賃など毎月の支払いに関係する場合は、資金繰り表があると説明が通りやすいです。

最低限、向こう3〜6か月の入出金予定を月次で並べ、借入実行月、返済開始月、返済額を反映します。

 

訪問看護では入金が月遅れになりやすいため、入金は「早い想定」ではなく「遅れた想定」で置き、資金が厳しい月を先に見つけるのが現実的です。例えば、給料が毎月25日、社保が月末、家賃が月末の事業所なら、月後半に出金が集中します。

そこに請求差戻しで入金が遅れた場合のシナリオも作っておくと、調達額の妥当性を説明しやすくなります。

 

資金繰り表でズレやすい注意点
  • 入金を楽観的に置くと、借入額が足りず再度資金不足が起きやすい
  • 賞与・税金・社保などの大口出金を月次に入れ忘れると精度が落ちる
  • 借入実行までのつなぎ(支払い調整等)を別で考えないと計画が崩れやすい

 

税金・社保の納付チェック

税金や社会保険料の納付状況は、資金繰りの健全性や信用面の確認として見られることがあります。

未納がある場合、単に「払えていない」こと自体よりも、状況を把握していない、相談や手続きが止まっている、延滞が拡大しているといった管理面の不安が強くなりがちです。

 

現実的には、資金が厳しいときに税金・社保まで同時に支払うのは難しい場合があります。その場合でも、放置せず、納付計画の相談や分納の段取りを進め、資金繰り表に反映して説明できる形にすることが重要です。

例えば、分納が認められている期間は毎月の納付額を固定し、給料と同じく「確定出金」として管理します。

また、督促が進むと差押えなどのリスクが現実化し得るため、資金調達を検討するなら、税務署や年金事務所等への相談状況を含めて整理しておくと、話が前に進みやすくなります。

 

  • 未納がある場合は、金額・期間・相談状況を整理し、分納予定を資金繰り表へ反映
  • 納付を後回しにするほど、延滞の負担や対応の手間が増えやすい点に注意
  • 隠ぺいではなく、状況説明と手続きで信用不安を下げる方向で準備する

 

自己資金と借入余力目安

自己資金は、単に口座残高が多いかどうかだけでなく、資金繰りのクッションとして機能しているかが見られます。

訪問看護は入金の遅れや請求差戻しが起きると資金が急に薄くなるため、手元資金がゼロに近い状態だと、給料支払いの不安が高まります。

そこで、自己資金は「最低残高ライン」として設定し、どこまで減らしてよいかを先に決めておくと管理しやすいです。

 

借入余力は一律に決められるものではありませんが、実務では「毎月の返済額を、返済原資(手残り)で無理なく賄えるか」「借入後も資金繰り表で最低残高が維持できるか」で考えます。

例えば、月の手残りが30万円程度の事業所が、毎月返済額30万円の借入を追加すると、入金遅れが起きた月にすぐ資金が詰まります。返済額は余裕を残し、必要なら返済期間や借入額を調整する発想が現実的です。

 

自己資金・借入余力の考え方
  • 自己資金は「最低残高ライン」を決め、給料・社保の支払いが崩れない余裕を残す
  • 返済額は手残りに対して余裕を持たせ、入金遅れがあっても回る前提で試算する
  • 借入額は希望額からではなく、資金繰り表で不足月を埋める必要額から組み立てる

 

資金ショートの予防策

資金ショートは、赤字だけが原因ではなく「入金より先に出金が確定する」状況で起きやすいです。

訪問看護はスタッフ給料と社会保険料が先行し、診療・介護報酬の入金が後から来るため、請求差戻しや入金遅延、採用費の集中が重なると、短期間で資金が尽きることがあります。

 

予防の基本は、資金繰り表を定期更新して早期に不足を察知し、支払い条件の見直しや調達の検討を「不足が起きる前」に進めることです。

また、資金繰りが厳しい局面では、税金・社会保険料の扱いを誤ると対応負荷が急増するため、関係機関への相談も含めて段取りを組みます。

特定の手段に依存せず、「見える化→調整→調達→相談」の順で打ち手を並べると、給料支払いを守りやすくなります。

 

資金ショートを防ぐ全体像
  • 資金繰り表を更新して不足月を早期に発見する
  • 支払サイトや支払日を調整し、谷の深さを浅くする
  • 調達は実行までの時間を見込み、早めに手当てする
  • 税金・社保は放置せず、相談と納付計画でリスクを下げる

 

資金繰り表更新のステップ

資金繰り表は「一度作って終わり」ではなく、実績と差分を反映して精度を上げる道具です。更新は月1回でも効果がありますが、給料支払日が近い時期や、請求差戻しが発生した月は、週次で見直すと安全です。

ポイントは、売上や利益ではなく「現金の入出金」で管理することです。訪問看護では入金が月遅れになりやすいので、入金は保守的に置き、遅れた場合でも給料を守れる残高になっているかを確認します。

 

例えば、当月の残高が300万円、月末給料が200万円、翌月末に社保120万円、家賃30万円がある場合、翌月の入金が少しでも遅れると不足しやすいことが分かります。

こうした見立てができれば、支払い調整や短期資金の検討を早めに始められます。

 

  1. 月初に前月実績を反映し、入金・出金のズレ理由をメモする
  2. 向こう3か月の入金予定を「最遅想定」で置き直す
  3. 給料・社保・家賃など確定出金を先に固定し、変動費を実績から補正する
  4. 最低残高が割れる月を特定し、対策(調整・調達・相談)を同時に書き込む

 

支払サイト交渉の進め方

支払サイトの交渉は、資金不足の月を埋める即効性が期待できる一方、相手との信頼関係を損ねない進め方が重要です。

基本は「一方的な延期依頼」ではなく、事情説明と代替案をセットで提示し、合意内容を明確にすることです。

 

訪問看護では、外注(清掃、設備保守、システム利用料、車両関連、消耗品など)や、採用関連費の支払いが交渉対象になりやすいです。

交渉前に、いつ・いくら不足するか、入金見込みはいつか、支払いを分割した場合の支払い可能額はいくらかを整理します。

 

例えば「今月末の給料支払いを優先したいので、来月10日の支払いを来月末に変更したい」だけだと相手が不安になります。

「来月末までに確実に支払える根拠(入金予定)」「分割なら毎週いくら払えるか」まで示すと、合意に近づきやすいです。

 

支払サイト交渉で避けたいこと
  • 連絡が遅い、または支払日を過ぎてから相談する
  • 根拠のない「来月には払えます」の繰り返し
  • 口頭だけで済ませ、条件変更の記録が残らない

 

準備項目 具体例
不足の根拠 資金繰り表で不足月と不足額、原因(入金遅れ・採用費等)を示す
代替案 支払日の変更、分割払い、支払い優先順位の提案
再発防止 請求精度改善や支払いルール見直しなど、次月以降の対策

 

リスケ前後の資金調達注意点

リスケは、既存借入の返済条件を見直して月々の返済負担を軽くし、資金繰りを立て直すための対応です。

検討する局面では、資金ショートが目前で「借りる前に返済が止まる」ような状態になりやすいため、優先順位を誤らないことが重要です。

 

注意点は、リスケをすると新規の借入が進みにくくなる場合があること、返済負担が軽くなっても根本原因(入金遅れ、請求差戻し、人件費過多など)が残ると再び詰まることです。

リスケ前は、返済が続けられない理由を数字で説明し、資金繰り表で「リスケ後に資金が回る」状態を示す必要があります。

 

リスケ後は、資金繰り表の運用を強化し、入金遅れが起きても給料支払いを守れる最低残高を確保することが重要です。

短期の資金確保を急ぐ場合でも、条件が不利な調達に偏らず、費用と返済負担を資金繰り表で確認しながら判断します。

 

リスケ前後で押さえる確認ポイント
  • リスケの目的を「資金繰り立て直し」として、原因と対策をセットで説明する
  • リスケ後の資金繰り表で、最低残高が維持できるかを確認する
  • 新規調達は実行までの時間と条件を比較し、焦って不利な契約を結ばない

 

相談先の使い分け目安

資金繰りが厳しいときほど、相談先を間違えると時間だけが過ぎ、給料支払いが守れなくなるリスクが高まります。相談は「資金調達」「税金・社保」「経営改善」で窓口が分かれるため、課題ごとに使い分けます。

例えば、融資相談は金融機関や公的金融機関が中心ですが、書類整備や計画作成は税理士や専門家の支援が役に立つことがあります。

 

税金・社保の遅れがある場合は、放置せず、税務署や年金事務所などの窓口で納付計画を相談し、資金繰り表に落とし込むことが実務上の近道です。

資金ショートが近い場合は、支払い調整の交渉と並行して、早期に相談を開始し、必要書類や手続きの段取りを前倒しします。

 

課題 相談先の目安
融資・借入 日本政策金融公庫、取引金融機関、信用保証協会(保証付き融資の相談)
税金の納付 税務署(納付相談・分納の段取り)、顧問税理士(資料整理と方針相談)
社会保険料 年金事務所等(納付相談)、社労士(制度確認と手続き整理)
経営改善 商工会・商工会議所、よろず支援拠点など(資金繰り・計画の相談)

 

相談で準備しておくと進みやすい情報
  • 直近の試算表・決算書、借入の返済予定表
  • 向こう3か月の資金繰り表(入金想定は保守的に)
  • 不足額、いつ不足するか、支払い優先順位(給料・社保など)

 

まとめ

訪問看護は入金までの期間に対して人件費の支払いが先行しやすく、スタッフ給料の遅延リスクは資金繰り管理の精度で変わります。

入金サイトと請求精度を確認し、給与起点の資金計画と資金繰り表で不足時期を見える化したうえで、公庫・保証協会付き融資や早期資金化、補助金を比較することが基本です。

申込では決算書や資金繰り表など必要書類を整え、税金・社保の状況も踏まえて早めに相談先へつなぐことが要点です。