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3期連続赤字でも融資を獲得可能!公庫・保証協会の審査基準と落ちる理由・対策12項目

3期連続赤字でも融資の道は残りますが、銀行や公庫の審査に通るのか、保証協会付き融資は使えるのか、ノンバンクの金利や契約条件は妥当か、税金・社会保険料の遅れが不利にならないかは不安になりがちです。

本記事では、公庫・信用保証協会・自治体制度融資の特徴と向き不向き、審査で落ちやすい理由、必要書類と申込の流れ、資金繰り表の基本、改善計画の押さえ所、滞納時のリスクと相談先の方向性をまとめます。

 

3期連続赤字の見られ方

3期連続赤字は、金融機関から「返済原資(返済に充てるお金)が細っている可能性がある」と見られやすく、審査では赤字そのものよりも「赤字の理由」と「改善の見通し」を説明できるかが重要になります。

たとえば、原材料高や売上減など外部環境が主因でも、価格転嫁・固定費見直し・販路変更などの手当てが進んでいるかを確認されます。

 

また、決算書だけでなく、直近の試算表、資金繰り表、受注残や契約書など“足元の実態”が評価に直結します。

赤字でも資金繰りが回っている会社はありますし、逆に黒字でも入金サイトが長い業種では資金不足になり得ます。

したがって「利益」と「現金(キャッシュ)」を分けて説明する姿勢が欠かせません。

 

審査で確認されやすい観点
  • 赤字の原因が一時的か、構造的か
  • 売上・粗利・固定費のどこに問題があるか
  • 資金繰り(入金と支払い)の詰まりやすさ
  • 債務超過の有無と、解消に向けた道筋
  • 税金・社会保険料の支払い状況と説明

 

赤字要因の分類チェック

赤字の説明は「何が原因で、いつから、どの施策で、どれくらい改善する見込みか」を“分類して”伝えると説得力が上がります。

特に3期連続の場合、単年度の偶然ではなく、原因が積み重なっている可能性があるため、要因を分解して根拠資料とセットで示すのが基本です。

 

たとえば「受注減」なら受注件数や客単価の推移、「粗利悪化」なら仕入単価や値引き率、「固定費増」なら人件費や外注費の内訳、といった形で見える化します。

改善策は、すでに着手している事実(実施日・効果の途中経過)を出せるほど評価されやすくなります。

たとえば「価格改定を来月から」より「先月から価格改定を開始し、今月の粗利率が前年差で改善」のほうが説明しやすいです。

 

分類 典型例 根拠として出しやすい資料
売上要因 受注減・客数減・単価下落・解約増 売上台帳、取引先別売上、受注残、見積・契約
粗利要因 原価上昇・値引き増・歩留まり悪化 原価明細、仕入単価推移、粗利率推移、見積原価
固定費要因 人件費増・家賃負担・外注費増 損益内訳、給与台帳、外注契約、固定費一覧
一時要因 設備更新・移転費用・不良在庫処分 請求書、稟議、見積、資産台帳、在庫資料

 

債務超過とCFの目安

債務超過は「資産より負債が多い状態」を指し、貸し手側は“万一の場合の安全余力”が小さいと判断しやすくなります。

ただし、債務超過でも直ちに融資が不可能という意味ではなく、事業が回復して自己資本を積み増せる見通しや、返済できる現金の流れ(キャッシュ・フロー)が説明できるかがポイントになります。

 

ここでいうCF(キャッシュ・フロー)は、ざっくり言えば「本業の現金収支」「借入や返済の現金収支」「設備投資の現金収支」です。

特に本業の現金収支が継続的にマイナスだと、返済の前提が弱く見られやすいので、赤字の会社ほど資金繰り表で“いつ資金が足りなくなるか”を先に示すことが大切です。

例として、月商800万円で支払サイトが先行する業種では、売上入金が2か月後・外注費が当月末などの場合、黒字でも資金が先に出ていきやすく、運転資金の必要額を見積もる根拠になります。

 

債務超過・CFで不利になりやすい場面と対策
  • 本業の資金不足が続く:資金繰り表で入出金を月次で見える化し、回収条件・支払条件の見直しも合わせて提示
  • 赤字理由が説明できない:売上・粗利・固定費に分解し、数値推移と実施済み対策をセットで提示
  • 返済計画があいまい:借入希望額の使途(例:外注費、家賃、税・社保の支払い等)と、返済原資の見込みを具体化
  • 債務超過の長期化:利益計画だけでなく、在庫圧縮・不採算取引の停止など財務の改善策も併記

 

公庫・保証・制度の選択肢

3期連続赤字でも、資金調達の入口は一つではありません。代表的には、日本政策金融公庫(公庫)の融資、信用保証協会の保証付き融資、自治体の制度融資があります。

審査で見られやすい点(赤字理由、資金使途、返済見通し)は共通しますが、仕組みや費用負担、手続きの進み方が異なるため、「いつまでに・いくら必要か」「誰に説明するか」を起点に選び分けると判断がぶれにくくなります。

急な売上減で運転資金が先に必要なら公庫を検討し、取引銀行との関係を活かしたいなら保証付き、地域の支援策(利子補給など)があるなら制度融資も候補になります。

 

選択肢 特徴と注意点
日本政策金融公庫 公的金融機関の融資。資金使途や返済計画の説明が重視されます。制度により要件が異なるため、赤字理由と改善の道筋を言語化して臨むのが基本です。
保証協会の保証付き 金融機関の融資に信用保証協会の保証が付く形。保証料負担が発生する一方、金融機関側のリスクが軽くなり、検討の土台に乗りやすい場合があります。
自治体の制度融資 自治体・金融機関・保証協会が関与する枠組みが多く、利子補給などがある場合もあります。関与者が増える分、必要書類や所要日数が増えることがあります。

 

セーフティネット貸付の要件

セーフティネット貸付は、外部環境の急変などで資金繰りに影響が出た事業者を想定した公庫の枠組みで、代表例として「経営環境変化対応資金」などが知られています。

重要なのは「赤字であること」そのものより、影響の内容が制度趣旨に合い、資金使途が妥当で、返済に向けた改善の方向性を説明できることです。

 

たとえば主要取引先の急な発注減、原材料・燃料高の長期化、災害等による売上低下など、原因と影響のつながりを数値で示すと説明が通りやすくなります。

スケジュール感は案件で差がありますが、必要書類(決算書、試算表、資金繰り見込み、取引状況の資料など)をそろえ、面談で資金使途と改善策を説明する流れが基本です。

急ぎの場合ほど、入出金の見通しを月次で整理し「いつ資金が不足するか」「不足を埋める金額はいくらか」を先に提示すると、相談が具体化します。

 

要件確認で外しにくいポイント
  • 外部要因と業績悪化の因果が説明できる(売上・粗利・固定費のどこに効いたか)
  • 資金使途が運転資金等として具体的(支払先・時期・金額の根拠がある)
  • 返済見通しが言える(改善策と、改善が数字に出る時期の目安)
  • 準備資料がそろう(決算書、直近試算表、資金繰り見込み、取引資料など)

 

保証協会・制度の使い分け

信用保証協会の保証付き融資は、金融機関の融資に保証が付くことで、金融機関が検討しやすくなる枠組みです。

一方、自治体の制度融資は、地域の中小企業支援として、融資条件面の支援(例:利子補給、保証料補助など)が用意されることがあります。

 

ただし、制度融資は自治体の要件確認や手続きが加わりやすく、必要書類や調整が増える点に注意が必要です。

使い分けは「スピード」「総負担(利息+保証料等)」「相談のしやすさ(取引金融機関の有無)」「資金使途の適合」を軸に整理すると判断しやすくなります。

例えば、2〜3週間以内に支払いが集中するなら、まず取引金融機関に保証付きの可能性を相談しつつ、制度融資の対象可否も同時に確認する、といった並行作業が現実的です。

 

観点 保証協会の保証付き 自治体の制度融資
進み方 金融機関+保証協会で進むことが多い 自治体の枠組み確認が加わることが多い
費用 利息に加えて保証料が発生し得る 補助がある場合もあるが要件がある
向きやすさ 取引金融機関があり相談しやすい場合 地域の支援策を活かしたい場合
注意点 保証枠・条件の制約、保証料負担 制度ごとに要件・受付・所要日数が異なる
  • 必要額と期限を先に確定(いつ・いくら不足するかを資金繰りで確認)
  • 取引金融機関に保証付きの可能性を相談(赤字理由と改善策を一枚で整理)
  • 自治体の制度融資は対象要件と所要日数を確認(急ぎなら並行で検討)
  • 総負担(利息・保証料等)と返済計画を同時に作る

 

審査で見られる評価ポイント

3期連続赤字の融資審査では、「赤字=即不可」ではなく、返済できる根拠があるか、赤字が止まる見通しがあるかを総合的に見られます。

特に重視されやすいのは、資金使途(何に使うか)が具体的であること、返済原資(返済に充てられる現金の余力)が説明できること、そして赤字の原因と改善策が数字で語れることです。

 

また、税金や社会保険料の未納・遅れがある場合は、追加負担(延滞金等)が増えたり、信用面で不利になったりする可能性があるため、現状と相談状況を隠さず説明する姿勢が大切です。

審査を前に、決算書だけでなく直近の試算表・資金繰り表・受注や契約の資料をそろえ、説明の材料を増やしておくと話が具体化します。

 

評価の全体像(見られやすい軸)
  • 資金使途の妥当性(運転資金・納税資金・立替資金などの根拠)
  • 返済原資の見通し(本業の現金余力と返済後の残高)
  • 赤字理由の説明力(原因→対策→効果の時期が言える)
  • 資金繰り管理の状況(入金サイト・支払サイト、資金ショート回避策)
  • 税金・社保の支払い状況(遅れがある場合の対応状況)

 

返済能力の示し方基準

返済能力は、利益の黒字化だけでなく「現金が残るか」で説明するのが基本です。金融機関側は、借入後も毎月の支払いが回り、返済を続けられるかを確認します。

ポイントは、売上や利益の見込みを語るだけでなく、入金と支払いの時期差を踏まえた資金繰りで示すことです。

例えば、月商800万円で入金が翌々月、外注費や家賃が当月末に出る会社では、利益が小さくても運転資金が厚めに必要になります。

 

ここで「必要額=不足する月の最大赤字(資金の谷)」を示し、借入後の月末残高が赤字にならない計画を提示すると、返済の現実味が伝わります。

金利や返済期間で毎月返済額は変わるため、概算でよいので「返済後に残る現金」の説明まで用意すると安心です。

 

観点 示し方の目安 準備しやすい資料
必要額 資金繰り表で不足月と不足額を特定(運転資金の谷を根拠化) 資金繰り表(3〜6か月先)、入金予定、支払予定
返済余力 借入後の月次残高が維持できるか、返済後の手元資金が残るか 返済予定表(概算可)、固定費一覧、既存返済の一覧
売上の裏付け 受注残・契約・見積で「売上が立つ根拠」を示す 受注台帳、契約書、見積書、請求書の見込み
赤字改善 粗利率・固定費の改善がいつから効くかを月次で示す 試算表、粗利率推移、値上げ実施日、コスト削減の記録

 

赤字理由の説明ポイント

赤字理由の説明は、「原因の特定」と「改善の再現性」が伝わる形に整えることが重要です。3期連続赤字の場合、単年度の偶発要因ではなく、構造課題が残っていないかを疑われやすいため、原因を分解し、対策の実施状況と効果の時期を数字で示します。

たとえば「売上減」だけで終わらせず、取引先別・商品別にどこが落ちたか、粗利率がいつから悪化したか、固定費の増加がどこにあるかまで分けます。

そのうえで「実施済みの対策」「これから実施する対策」「いつ効果が出る想定か」を並べると、計画倒れに見えにくくなります。

 

【説明の型(そのまま使える整理順)】

  1. 赤字の発生時期と規模(前年差・月次の推移)
  2. 原因の分類(売上・粗利・固定費・一時要因)
  3. すでに実施した対策(実施日と途中結果)
  4. 追加で行う対策(費用・担当・期限)
  5. 改善の見込み(いつから、どれくらい回復する想定か)

 

説明で損しやすい注意点
  • 原因が抽象的(「景気が悪い」だけで、数字の裏付けがない)
  • 対策が未着手(「これから頑張る」だけで実施事実がない)
  • 資金使途があいまい(何の支払いに、いつ必要かが不明)
  • 税金・社保の遅れを伏せる(後で判明すると信用面で不利になり得る)

 

提出書類と説明ポイント

融資の相談では「何を提出するか」よりも、「提出した数字をどう説明するか」で印象が変わります。3期連続赤字の場合、金融機関は過去の決算だけでなく、直近の資金繰りや改善の進み具合を重視しやすいです。

そのため、決算書類に加えて、直近の試算表(今期の途中経過の数字)や入出金予定が分かる資料をセットにすると、話が具体化します。

 

また、提出資料は“きれいに作る”より“整合している”ことが大切です。例えば、売上の増減を説明するなら取引先別の売上表、外注費の増減を説明するなら外注先別の内訳など、決算書の科目と裏付け資料がつながる形にします。

制度や要件は変更されることがあるため、提出先(公庫・金融機関・保証協会・自治体)の最新の案内に沿って準備する前提で進めると安全です。

 

資料カテゴリ 説明で押さえるポイント
決算書・申告書 赤字の原因を分解し、前年差の理由を数字で説明する(売上・粗利・固定費・一時要因)。
試算表・月次推移 足元の改善状況を示す(例:粗利率の回復、固定費の削減、受注の戻り)。
資金繰り表 「いつ、いくら不足するか」と「借入後に資金が回るか」を月次で示す。
改善計画 対策・期限・効果の見込みを具体化し、返済原資の根拠につなげる。

 

決算書一式の準備チェック

「決算書一式」は、一般的に貸借対照表(資産・負債の状況)や損益計算書(売上・利益の状況)など、会社の決算内容を一通り示す書類を指します。

個人事業主の場合は、確定申告書と収支内訳書(または青色申告決算書)が中心になります。3期連続赤字では、単に提出するだけでなく「赤字の理由」「翌期以降の見通し」「一時的な費用の有無」を短く説明できる状態にしておくと、面談や追加質問に強くなります。

 

例えば、希望額500万円を運転資金として申し込むケースなら、直近2〜3期の決算書に加えて、今期の月次試算表、取引先別売上、外注費や人件費の内訳をそろえ、赤字の中身を説明できるようにします。

数字の整合が取れていないと確認に時間がかかり、結果としてスケジュールが延びやすい点にも注意が必要です。

 

提出前の準備チェック(最低限)
  • 直近2〜3期分の決算書・申告書(個人は確定申告書一式)
  • 今期の月次試算表(直近月まで)と前年差の説明メモ
  • 借入一覧(残高・返済額・返済日)とリース等の固定支払の一覧
  • 科目の裏付け資料(取引先別売上、外注先別、在庫資料など)
  • 赤字に関係する一時要因(移転費、設備更新等)があれば根拠資料

 

資金繰り表の作成活用

資金繰り表は、将来の入金と支払いを時系列で並べ、「資金が不足する時期」と「不足額」を見える化する表です。

利益が出ていても入金が遅い業種では資金が先に出ていき、逆に赤字でも資金が回っている場合もあります。3期連続赤字の局面では、資金繰り表で“現金ベースの説明”ができるかが重要になります。

 

作成のコツは、最初に完璧を目指すのではなく、3か月先〜6か月先までを「週次または月次」で更新できる粒度にすることです。

例えば、月末に外注費200万円、翌月10日に社会保険料60万円、翌月末に家賃25万円が出る一方で、売上入金が翌々月に集中するなら、どの月に資金の谷が来るかが見えてきます。その“谷”を埋める金額が、運転資金の必要額の根拠になります。

 

  1. 手元資金(当月初の残高)を決める
  2. 入金予定を取引先別に並べる(入金日ベース)
  3. 支払い予定を固定費・変動費・税社保に分けて並べる(支払日ベース)
  4. 月末残高の最低ラインを決める(例:固定費1か月分など)
  5. 不足月と不足額を確定し、借入希望額と使途につなげる

 

見え方の例(イメージ)
1月 外注費・家賃が先行し、月末残高が大きく減る
2月 税・社保の支払いが重なり、資金の谷が発生する
3月 売上入金が集中し、残高が回復する

 

経営改善計画の要点チェック

経営改善計画は、赤字の原因を踏まえて「いつまでに、何を、どれだけ改善するか」を示す計画です。

難しい言葉を並べる必要はなく、金融機関が知りたいのは“実行できる具体性”と“数字のつながり”です。

3期連続赤字の場合は、原因が構造的に残っていないかを見られやすいため、売上対策だけでなく、粗利率の改善や固定費の見直しも含めて、複数の手当てを組み合わせると現実味が出ます。

 

例えば、値上げで粗利率を2ポイント改善し、外注費を月10万円削減し、不採算の取引を停止して返品・手直しコストを減らす、といった施策を「実施日」「担当」「効果が出る時期」で並べます。

そして、資金繰り表とつなげて「改善により月末残高がどの程度安定するか」「返済後も資金が残るか」を示せると、説明の筋が通ります。

 

計画が弱く見えやすいポイントと補強策
  • 目標だけで手段がない:施策・担当・期限を入れて実行計画にする
  • 数字の根拠が薄い:取引先別売上や見積・契約で裏付けを付ける
  • 効果時期が不明:いつから改善が数字に出るかを月次で示す
  • 資金繰りと別物:資金繰り表に反映し、借入後の残高推移まで示す

 

小規模企業の資金繰り対策

小規模企業は、売上が入金されるまでの期間(入金サイト)が長い一方で、家賃・人件費・外注費などの支払いが先に発生しやすく、赤字が続くと資金不足が一気に表面化しがちです。

対策の基本は「足元の現金を守る」「支払いの山をならす」「不足する前に相談する」の3点です。まずは向こう3〜6か月の入出金予定を並べ、資金が底をつく時期と不足額を見える化します。

そのうえで、支払条件の交渉や分納の相談を早めに進め、資金調達(公庫・保証付きなど)に必要な説明資料へつなげると、短期と中長期の両方を守りやすくなります。

 

資金ショートを防ぐ優先アクション
  • 入金予定と支払予定を日付ベースで並べ、資金の谷(不足時期)を特定する
  • 支払いの優先順位を決め、取引停止リスクの高い支払いから守る
  • 仕入先・外注先と支払条件を調整し、支払いの山を平準化する
  • 税金・社保は放置せず、分納や猶予の相談を先に入れる
  • 不足額の根拠を固め、融資相談に必要な資料へ落とし込む

 

支払条件交渉のポイント

支払条件の交渉は「相手に不安を与えず、現実的な提案をする」ことが大切です。いきなり支払いを止めるのではなく、入金予定や改善策を示したうえで、期限延長・分割・一部前払いなど代替案を出すと合意しやすくなります。

例えば、月末に外注費200万円の支払いが集中し、入金が翌月20日にまとまる場合、「当月末100万円、翌月20日に残り100万円」へ分割する提案は、相手側の資金計画も立てやすくなります。

交渉内容は口頭だけで終わらせず、メール等で合意事項(期限・金額・振込名義)を残すことがトラブル予防になります。

 

項目 実務上のポイント
事前準備 支払一覧(相手別・期限別)、入金予定、資金繰り表、支払優先順位を用意する
伝える内容 資金不足の理由(事実)と、改善策・入金予定(見通し)をセットで示す
提案の型 期限延長/分割支払い/一部前払い+残額後日など、代替案を複数用意する
注意点 約束できない期限は言わない、合意は書面・メールで残す、担当者変更時も引き継げる形にする

 

滞納時の分納ステップ

税金や社会保険料の支払いが遅れた場合、放置すると延滞金等の負担が増える可能性があるため、早めに相談して分納や猶予の手続きを検討するのが一般的です。

ポイントは「相談が遅れないこと」と「分納の根拠(毎月いくら払えるか)を示すこと」です。例えば、月の手元資金の余力が5万円しかないのに10万円の分納を約束すると、再延滞につながりやすくなります。

無理のない金額を、資金繰り表の数字で説明できる状態にしておくと話が進みやすいです。制度や要件は変更されることがあるため、実際の手続きは最新の案内に沿って進める前提で考えると安全です。

 

分納・猶予の進め方(一般的な流れ)
  • 督促や納付期限を確認し、窓口(税務署・自治体・年金事務所等)へ早めに連絡する
  • 資金繰り表で「いつまでに」「毎月いくらなら」払えるかを作る
  • 分納案(例:毎月5万円×12回など)と、支払開始日・振込方法を決める
  • 必要書類の案内に従い申請・相談を進め、合意内容は控えとして残す
  • 分納中も申告・届出は遅らせず、追加の未払いを作らない運用にする

 

相談先の使い分け目安

資金繰りの不安が強いときほど、相談先を「資金調達」「資金繰り改善」「税・社保対応」に分けると、打ち手が整理しやすくなります。

例えば、融資の相談は金融機関側に、支払い条件の調整は取引先側に、税・社保は所管窓口に、というように“相手の役割”に合わせるのが基本です。

準備資料(資金繰り表、借入一覧、入出金予定、赤字理由と対策メモ)がそろっているほど、相談が具体化し、判断も早くなりやすいです。

 

  • 公庫・保証付き融資:日本政策金融公庫、取引金融機関、信用保証協会、自治体の制度融資窓口
  • 資金繰り改善:商工会議所・商工会、よろず支援拠点などの中小企業支援窓口、顧問税理士
  • 税金:税務署・自治体の納税窓口(分納・猶予の相談を含む)
  • 社会保険料:年金事務所など所管窓口(分納・納付相談を含む)
  • 取引先交渉:主要仕入先・外注先(支払条件の変更や分割の相談)、必要に応じて専門家へ同席相談

 

まとめ

3期連続赤字でも、公庫・信用保証協会付き融資・制度融資などの選択肢を比較しながら資金調達を検討できます。審査では赤字の理由を整理し、返済原資となるキャッシュフローを示す資料が重要です。

決算書一式に加え、資金繰り表と改善計画で説明力を高め、税金・社会保険料の遅れがある場合は分納等を早期に相談します。

次は入出金予定を整え、要件確認と申込準備を進め、短期資金だけでなく返済計画・事業計画も合わせて検討します。