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ファクタリングで踏み倒しは危険?民事・刑事リスクと取引先影響の7項目を解説

銀行融資が難しくファクタリングを利用したものの、資金繰りがさらに悪化して「踏み倒しはできるのか」「民事や刑事のリスクは?」「取引先に知られて信用が落ちないか」「契約書のどこを見ればいいか」と不安になる人もいます。本記事では、債権譲渡の仕組みや2社間・3社間の違い、償還請求権の有無、手数料や精算の流れを整理したうえで、踏み倒しが招く法的リスクと取引先影響、支払困難時の現実的な対応策、再発防止の管理ポイントを分かりやすく解説します。

 

踏み倒しが起きる仕組み

ファクタリングの「踏み倒し」は、売掛債権(取引先に対して代金を請求できる権利)を譲渡して資金化した後、契約どおりの精算が行われない状態を指して使われることが多いです。

ファクタリングは債権譲渡(売掛債権の権利を別の相手に移すこと)なので、譲渡が成立すると、売掛先から回収すべき権利は原則としてファクタリング会社に移ります。

 

2社間では売掛先の入金が利用者口座に入る運用が多く、利用者が精算送金をしない、入金を別用途に使って送金が遅れる、といった形で問題化しやすいです。

3社間は売掛先がファクタリング会社へ直接支払うため、未精算が起きにくい一方、虚偽資料による申込みや、譲渡対象の重複(二重譲渡)など別のトラブルが焦点になります。

いずれも「踏み倒せる仕組み」ではなく、契約違反として民事責任の対象になり得る点を前提に理解する必要があります。

 

債権譲渡の当事者整理

当事者を整理すると、利用者(売掛債権を譲る人)、ファクタリング会社(債権を買い取る人)、取引先(売掛先=代金を支払う人)の3者になります。重要なのは「お金の流れ」と「権利の帰属」です。

譲渡が成立した時点で、売掛先に対する請求権はファクタリング会社側に移るのが基本で、入金の受け皿が誰になるかは2社間・3社間で変わります。

踏み倒しが問題になるのは、主に入金を一時的に受け取る立場(2社間の利用者)が精算しない、または精算できない状態が起きるためです。

 

当事者 役割の要点
利用者 売掛債権を譲渡し、契約条件に従って精算・情報提供を行う
ファクタリング会社 債権を買い取り、条件に従い入金・回収(または精算)を受ける
取引先(売掛先) 契約どおりに代金を支払う(支払先は方式により異なる)

 

踏み倒しと誤解しやすい点
  • 売掛先が払った代金でも、譲渡後は原則として精算先が定まります
  • 入金口座に入ったからといって、自由に使える資金とは限りません
  • 支払方法・精算期限は基本契約書・個別契約書で確定します

 

2社間・3社間の違い比較

2社間は利用者とファクタリング会社の契約で進め、取引先へ通知しない形が一般的です。この場合、取引先からの入金は従来どおり利用者口座に入る運用が多く、利用者が期日どおりにファクタリング会社へ精算送金する必要があります。

資金繰りが逼迫していると、入金を運転資金に充ててしまい送金が遅れるなど、未精算が生じやすい構造です。

3社間は取引先が通知・承諾を経て支払先を変更し、取引先→ファクタリング会社へ直接入金する運用が一般的で、未精算が起きにくい一方、取引先に知られる点や手続き日数の影響が出ます。

 

観点 2社間 3社間
取引先通知 しない形が一般的 通知・承諾が一般的
入金経路 取引先→利用者(のち精算) 取引先→ファクタリング会社
未精算リスク 相対的に起きやすい 相対的に起きにくい

 

未精算を防ぐ運用ポイント
  • 入金確認と精算送金の担当者・期限を社内で固定する
  • 入金があった当日中に精算するなど、処理ルールを決める
  • 請求書番号単位で譲渡先・精算期限を台帳管理する

 

償還請求権の有無確認

償還請求権とは、取引先が支払わない場合に、ファクタリング会社が利用者へ支払い(買戻し等)を求められる権利のことです。

一般に「償還請求権なし(ノンリコース)」は、取引先の倒産などで回収不能になったリスクをファクタリング会社が負う契約形態として整理されます。

ただし、償還請求権なしでも、利用者の故意・過失で回収不能を招いた場合(虚偽資料、二重譲渡、入金の不送金など)は別問題になり得ます。

 

計算例で整理します。請求書額面100万円、手数料率10%で、利用者が90万円を受け取ったとします。

2社間で取引先が期日に100万円を支払ったのに、利用者が精算送金をしない場合、ファクタリング会社は契約に基づき精算金や損害(遅延損害金等)を請求する余地が生じます。

3社間なら取引先が直接支払うため、同種の未精算は起こりにくいです。契約前には、償還請求権の有無だけでなく、例外条項(どんな場合に利用者負担になるか)まで確認することが重要です。

 

償還請求権まわりの確認項目
  • 償還請求権の有無(ノンリコースか、リコースか)
  • 利用者負担になる例外条件(虚偽・二重譲渡・相殺等の扱い)
  • 遅延時の損害金・違約金の計算方法と上限の有無
  • 精算期限と連絡・回収の権限(取引先へ連絡できる条件)

 

民事責任と刑事リスク

ファクタリングの「踏み倒し」は、債権譲渡後に契約どおりの精算が行われない状態を指して語られますが、実務上は契約違反として民事責任が中心に問題になります。

典型は、2社間で取引先(売掛先)から入金があったのに利用者が精算送金をしない、または遅れるケースです。

 

この場合、未精算金の支払いに加え、遅延損害金(支払遅れに対する損害金)や、回収に要した費用などの請求が争点になります。

さらに、申込み時の虚偽(架空債権・改ざん資料・二重譲渡など)があると、民事だけでなく刑事上の問題が生じる可能性があり、取引先や金融機関への信用にも影響します。

法律上の評価は事案と契約条項に左右されるため、具体的な判断は弁護士へ相談する姿勢が重要です。

 

損害賠償・遅延損害金の目安

民事面では、まず「契約で約束した精算金」を支払う義務が問題になります。2社間で、取引先が期日に100万円(円)を利用者口座へ入金し、利用者がファクタリング会社へ送金すべきなのに未送金の場合、未精算金がそのまま債務になります。

これに加え、遅延損害金は「未精算金×遅延損害金率×遅延日数÷365(日)」の考え方で整理されます(損害金率は契約条項や法定利率等により異なり得ます)。

 

たとえば、未精算金100万円(円)、遅延損害金率を年10%(仮定)、遅延30日とすると、遅延損害金の目安は「100万円×10%×30÷365≒8,219円」です。

実際は、契約で損害金率や違約金、回収費用負担の条項が置かれることもあるため、見積もりではなく契約書で確認します。

 

請求され得る項目 内容の目安
未精算金 取引先入金分のうち、契約に従い支払うべき金額(円)
遅延損害金 未精算金に対する支払遅れの損害金(率・起算日は条項で確認)
回収関連費用 督促・訴訟等に要した費用が争点になることがある(範囲は条項次第)

 

数字確認で優先したい点
  • 未精算金の範囲(入金額か、額面か、控除の扱い)
  • 遅延損害金の率・起算日・計算方法
  • 違約金や費用負担条項の有無

 

詐欺等が問題になる条件注意点

刑事上の問題は、単なる支払遅れ(資金不足による不履行)だけで直ちに成立するとは限らず、申込みや取引の過程で「欺く行為」や不正があるかが焦点になりやすいです。

たとえば、架空の請求書で資金化した、取引実態のない契約書を提出した、同じ売掛債権を複数社へ譲渡した(二重譲渡)、取引先からの入金を意図的に隠したなどの事情があると、詐欺等の問題が指摘される可能性があります。

 

また、償還請求権なし(ノンリコース)であっても、「取引先が不払いになった」ことと「利用者が不正をした」ことは別問題です。

ノンリコースは回収不能リスクの負担を定める枠組みであり、不正行為まで免責する意味ではない点に注意が必要です。

 

刑事リスクが疑われやすい例
  • 架空債権・改ざん書類など虚偽資料で申込みをした
  • 同一請求書を他社にも持ち込み、譲渡対象が重複した
  • 入金を隠す、連絡を遮断するなど不誠実な対応を継続した
  • 取引の実態が貸付けに近く、違法取引の疑いが強い

 

具体的な評価は事実関係と証拠、契約条項で変わるため、疑義がある段階で弁護士へ相談し、記録(入金日・連絡履歴・資料一式)を整理することが重要です。

 

訴訟・差押えまでの流れ

未精算が解消されない場合、一般には段階的に法的手続きへ移行します。すべてが同じ経路をたどるわけではありませんが、流れを知っておくと早期対応の必要性が理解しやすいです。

 

  1. 催告・督促:未精算金(円)、支払期限、遅延損害金の取り扱いなどを通知される
  2. 協議:分割や期限猶予の提案が行われることがある(合意内容は書面化が重要)
  3. 法的手続き:支払督促や訴訟などで請求が具体化する場合がある
  4. 強制執行:債務名義等に基づき、預金や売掛金などの差押えが検討され得る

 

差押えは資金繰りに直撃し、取引先への影響(売掛金差押え等)から信用毀損につながるおそれがあります。

支払が難しい場合でも、連絡を絶つほど状況が悪化しやすいので、資金繰り表で現実的な返済可能額・時期を整理し、早期に専門家へ相談する姿勢が重要です。

 

取引先影響と信用毀損

ファクタリングの踏み倒し(未精算や連絡不能を含む状態)が深刻になりやすい理由は、単に当事者間の金銭トラブルにとどまらず、取引先(売掛先)との関係や外部からの信用に波及するためです。

特に2社間では、取引先からの入金がいったん利用者口座に入る運用が多く、精算が滞ると、ファクタリング会社が状況確認として取引先へ照会・通知を行う可能性が出ます。

 

3社間は取引先が支払先変更に関与するため、もともと取引先に知られる前提ですが、未精算・トラブルが表面化すると「支払先が変わった理由」や「取引継続の安全性」を取引先が再評価するきっかけになり得ます。

結果として、取引条件の見直し(前払い化、与信枠縮小など)や取引停止など、信用毀損が資金繰りへ二次的に影響するリスクがあります。

 

通知・照会が起きる場面

取引先に影響が出るのは、債権譲渡通知そのものが必要なケース(3社間など)だけではありません。

2社間でも、契約条項により「必要がある場合は取引先へ照会・通知できる」と定められていることがあり、未精算や入金遅延が起きると実行される可能性が高まります。

照会は、請求の実在性確認、支払予定日の確認、入金先の確認などの目的で行われることがあり、取引先が「なぜ第三者が請求に関与するのか」と疑問を持つ契機になります。

 

さらに、債権譲渡登記が関係する場合や、支払先変更の手続きが必要な場合も、取引先の経理・法務が確認に動くことがあります。

取引先に知られたくない場合は、通知条件だけでなく、照会の名義・方法、連絡を行う具体的な条件を契約書で確認し、運用を想定しておくことが重要です。

 

取引先への連絡が発生しやすい状況
  • 2社間で取引先入金後の精算送金が遅れている、または未精算が続く
  • 支払期日が過ぎても取引先からの入金がなく、状況確認が必要になる
  • 請求書の根拠資料が弱く、実在性確認として照会が必要と判断される
  • 契約条項で「照会・通知可」とされ、回収手続きとして連絡できる

 

支払遅延で関係悪化する事例

支払遅延が信用毀損につながる典型は、取引先にとって「支払実務が混乱する」「第三者からの連絡が来る」「自社の与信管理上の懸念が増える」という3点です。

例えば、3社間で支払先がファクタリング会社へ変更されているにもかかわらず、支払手続きが遅れると、取引先側は自社の支払遅延として扱われ、内部統制上の負担が生じます。

2社間では、取引先は従来どおり利用者へ支払っているつもりでも、利用者が未精算の状態に陥ると、取引先に照会が入り「支払済みかどうか」「支払方法は正しいか」と確認を求められることがあります。

 

また、踏み倒しに近い状態(連絡を遮断、入金を隠すなど)が疑われると、取引先は取引継続リスクを見直し、支払条件を厳しくする可能性があります。

例えば、支払サイトを短縮する代わりに値引きを求められる、前金・一部前払いが条件になる、与信枠が縮小される、といった形で資金繰りがさらに厳しくなる連鎖が起こり得ます。

 

関係悪化を避けるための現実的対応
  • 未精算の兆候が出た時点で、連絡窓口を一本化し事実関係(入金日・金額)を整理する
  • 取引先からの入金確認と精算送金を同日処理する運用に切り替える
  • 取引先説明が必要な場合は、支払実務への影響を最小化する説明文を準備する

 

社内経理と口座管理の注意点

信用毀損を防ぐには、社内の経理・口座管理が崩れないことが前提です。2社間では「取引先入金→利用者口座→精算送金」の流れが多く、入金と送金が数日ずれるだけで、未精算の疑いが生じやすくなります。

資金繰りが苦しい局面ほど、入金を別支払いに流用してしまい、送金遅延が起きるリスクが高まります。

そこで、入金確認と精算送金の担当者、期限、承認フローを決め、台帳で一元管理します。

 

また、会計面では、売掛金の消込みや手数料の計上、入金の区分(売上入金と資金化入金)を誤ると、資金繰り表と帳簿の整合が崩れ、金融機関・税理士・社内監査への説明が難しくなります。

処理が難しい場合は、契約書と入出金明細をそろえて税理士へ確認する姿勢が安全です。

 

口座・経理での事故を防ぐチェック
  • 入金口座を固定し、入金確認→精算送金までの手順と期限をルール化する
  • 請求書番号ごとの台帳で、入金日(円)・精算期限・送金実績日を記録する
  • 売上入金と資金化入金を区分し、仕訳の前提(売却処理か等)を税理士に確認する
  • 送金遅延が出る場合は、早期に協議し合意内容を必ず書面化する

 

支払困難時の対応方針

ファクタリングで支払困難(未精算や送金遅延)が見えてきた場合、踏み倒しを考えるより「損失を最小化して信用毀損を広げない」対応が現実的です。

未精算が続くと、遅延損害金や回収手続きの負担が増え、取引先への照会・通知が発生して関係悪化につながりやすくなります。

 

特に2社間では、取引先からの入金が利用者口座に入る運用が多く、入金を別用途に流用すると送金遅延が起きやすいです。

したがって、まず事実関係(入金日・入金額・送金期限・手数料差引後の精算額)を整理し、資金繰り表で「いつまでに、いくら不足するか」を可視化します。そのうえで、早期に連絡して協議し、合意するなら書面で残すことが重要です。

 

早期相談のタイミング目安

相談のタイミングは「支払期限を過ぎてから」では遅くなりがちです。未精算の兆候が出た時点で、できるだけ早く状況を共有した方が、取引先への連絡や法的手続きに進む前に選択肢を確保しやすいです。

具体的には、取引先の入金が遅れそう、入金はあるが別の支払いが先に迫っている、送金に必要な資金が不足する見込みがある、といった段階が目安になります。

 

例として、請求書額面100万円(円)の売掛金を2社間で資金化しており、取引先入金後に100万円(円)を精算送金する必要があるのに、手元資金が70万円(円)しか確保できない見込みなら、その時点で相談対象です。

遅延損害金や違約金が契約にある場合、遅れるほど負担が増える可能性があるため、前倒しで動く価値があります。

 

早期相談を検討するサイン
  • 精算期限までに送金できない見込みが立った
  • 取引先入金が遅れており、期日通りの精算が難しい
  • 複数案件の精算期限が重なり、口座残高が不足しそう
  • 取引先から相殺・減額の連絡があり、精算額が変わる可能性がある

 

相談時は、感情的な説明ではなく、入金予定日・不足額・いつまでにいくら払えるかを数字で示すと協議が進みやすいです。

 

分割・期限猶予の交渉ポイント

分割や期限猶予の交渉は、相手が納得できる「実行可能な計画」を提示できるかが要点です。無理な分割案は途中で破綻し、結果的に回収手続きが強まるリスクがあります。

まず、未精算金(円)と遅延損害金の扱い、今後発生する入金予定(取引先別の売掛金入金日)を整理し、支払原資がどこから出るかを明確にします。

 

例として、未精算金100万円(円)を、月20万円(円)×5回で返す案を提示するなら、毎月20万円(円)を捻出できる根拠(売掛金入金、固定費削減、追加受注など)を資金繰り表で示します。

合意できた場合は、支払日・金額・遅延時の扱い・連絡方法を文書化し、口頭の約束だけで進めないことが重要です。

 

交渉で確認したい項目
  • 分割額(円)と支払日、支払回数の現実性(資金繰り表で裏付け)
  • 遅延損害金・違約金の扱い(減免の可否、起算日)
  • 取引先への連絡・通知が発生する条件(回収権限の条項を再確認)
  • 合意内容の書面化(後日の認識違いを防ぐ)

 

法律面の判断や文書の作り方に不安がある場合は、弁護士へ相談する姿勢が安全です。

 

他の資金繰り手段の比較基準

支払困難を解消するために追加の資金繰り手段を検討する場合は、「早さ」だけで選ぶとコストやリスクが増えやすいです。

比較の軸は、必要額(円)、必要期間(日・月)、総コスト(利息・手数料・付随費用)、実行可能性(審査・必要書類)、そして取引先への影響です。

 

短期の不足なら、支払条件の見直し(支払サイト延長交渉、分割払い)、請求タイミングの調整、回収強化など、資金流出を抑える策も含めて検討します。

中期的な不足なら、融資や制度資金の検討、固定費削減、粗利改善など、構造的な打ち手が必要になります。

 

比較軸 判断の目安
必要額・期間 不足額(円)と不足期間(日)を資金繰り表で特定し、過不足なく調達する
総コスト 利息・手数料だけでなく、差引費用や遅延損害金も含めて比較する
実行可能性 必要書類、審査期間、実行までの時間が現実的か確認する
取引先影響 通知・照会の可能性、支払条件の変更が関係悪化につながらないか検討する

 

資金繰りが継続的に厳しい場合は、単発の資金化で乗り切る発想より、金融機関や専門家と一緒に「原因→対策→資金計画」を作る方が、長期的な信用回復につながりやすいです。

 

再発防止の管理ポイント

踏み倒しに近い状態が起きる背景は、単なる資金不足だけでなく、請求書(売掛債権)の管理不備、入金確認と精算送金の遅れ、契約条項の理解不足が重なっていることが多いです。

特に2社間は、取引先からの入金が利用者口座に入る運用が一般的で、入金を別用途に使ってしまうと未精算が発生しやすくなります。

 

再発防止では「債権管理(請求書台帳)」「契約確認(チェックリスト)」「取引の適法性確認(見分け方)」の3本柱で整備すると、ミスやトラブルの芽を早い段階で潰しやすいです。

資金繰り表の更新と合わせて運用し、担当者が変わっても同じ水準で管理できる状態を作ることが重要です。

 

請求書台帳と二重譲渡防止整備

二重譲渡(同じ売掛債権を複数へ譲渡すること)は重大トラブルにつながるため、「起こさない仕組み」を先に作ることが重要です。

対策の基本は、請求書番号単位で譲渡状況を一元管理し、譲渡済みの請求書は二度と申込みに使えないように運用を固定することです。台帳はエクセルでも構いませんが、最低限「誰が見ても同じ判断ができる項目」を揃えます。

 

計算例を絡めると、請求書額面100万円(円)を手数料10%で資金化した場合、入金額は90万円(円)です。

このとき、台帳に「額面100万円」「手数料10%」「入金90万円」「精算期限」「入金確認日」「精算送金日」を記録しておけば、未精算の早期発見ができます。

送金遅延が起きそうな案件は、期限前にアラートを出し、社内承認を経て対応方針を決める運用にします。

 

台帳に入れる項目例(請求書番号単位)
  • 取引先名、請求書番号、請求書額面(円)、支払期日
  • 譲渡先、契約方式(2社間・3社間)、償還請求権の有無
  • 手数料率(%)、入金額(円)、差引費用(円)、資金化日数(日)
  • 回収・精算フロー、精算期限、入金確認日、精算送金日、担当者

 

二重譲渡防止の実務として、申込み担当を限定し、見積依頼の履歴も台帳に残すと、複数社への同時相談で情報が錯綜するリスクを下げやすいです。

 

契約前チェック項目一覧

契約前の確認不足は、未精算やトラブル時の負担を大きくします。特に、精算期限、遅延損害金、取引先への通知・照会条件、回収権限、登記の要否などは、後から「知らなかった」では済みにくい論点です。

契約書は基本契約書と個別契約書に分かれることが多いため、個別契約にだけ記載される条件(対象請求書、手数料、入金日など)も含めて確認します。

 

契約前チェック項目(最低限)
  • 対象債権:請求書番号、額面(円)、支払期日、譲渡範囲
  • 入金と費用:入金額(円)、手数料率(%)、控除内訳、振込手数料の負担者
  • 精算条件:精算期限、入金後の送金手順、遅延時の扱い
  • 不払い・紛争:償還請求権の有無、例外条件(虚偽・相殺・減額等)
  • 通知・回収:取引先への通知・照会条件、連絡の名義・方法
  • 登記等:債権譲渡登記・確定日付の要否、費用負担、抹消条件

 

条項の意味が不明確な場合は、署名前に弁護士・税理士へ相談し、判断根拠を残しておくと安全です。

 

違法取引を避ける見分け方チェック

再発防止では、踏み倒し以前に「そもそも適法な取引か」を見極めることも重要です。本来のファクタリングは債権譲渡ですが、契約の実態が貸付けに近い形だと、別の法的リスクやトラブルが生じやすくなります。

見分け方は、会社の評判ではなく、契約の構造(返済義務の有無、遅延時の負担、回収権限、説明の一貫性)で確認します。

 

違法取引を疑う見分け方チェック
  • 説明が「借入」「返済」「金利」と同じ言い回しで、債権譲渡の説明が弱い
  • 売掛先が不払いでも利用者が必ず支払うなど、買戻し義務が過度に強い
  • 遅延時の損害金・違約金が過大で、短期間で負担が急増する
  • 契約書や明細が不透明で、手数料以外の控除が後出しになっている

 

取引の適法性や契約条項の解釈は個別判断が必要です。少しでも不安がある場合は契約を急がず、文面をもとに専門家へ相談し、代替手段(融資・制度資金・支払条件見直し等)も含めて比較検討する姿勢が重要です。

 

まとめ

ファクタリングの「踏み倒し」は、①債権譲渡と精算の仕組み、②2社間・3社間と通知・回収フロー、③償還請求権の有無など契約内容により結果が変わる一方、民事の請求(損害賠償・遅延損害金等)や、状況次第で刑事問題に発展するリスク、取引先への通知・照会による信用毀損を伴います。

次は、資金繰り表で必要額・期間を整理し、契約条項と精算期限を確認したうえで早期に相談し、分割・期限猶予や他の資金繰り手段も比較しましょう。

手数料負担や関係悪化リスクを踏まえ、焦らず情報収集と慎重な判断が重要です。