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借り換えの意味は?中小企業が損しないメリット・費用・審査の注意点

返済負担が重く資金繰りが不安なとき、「借り換えの意味は何か」「金利は下がるのか」「審査に通るのか」「手数料や保証料で損しないか」「公庫や制度融資も選べるのか」「ノンバンクは安全か」「税金・社保の遅れは不利か」など疑問が増えがちです。本記事では、借り換えの基本と借り増し・条件変更との違い、メリットと注意点、費用と総返済額の考え方、必要書類と手続きの流れ、資金繰り表での判断方法、滞納時のリスクと相談先の方向性を整理します。

借り換えの意味と仕組み

借り換えとは、いま返済している借入金を、新しく組む借入で返し直すことです。たとえば、A銀行で残高800万円の借入がある場合に、B銀行(または同じ銀行)で新たに800万円を借りて一括返済し、以後は新しい借入条件で返済していきます。目的は、金利を下げる、返済期間を見直して月々の返済額を調整する、複数の借入を一本化して管理を簡単にする、などが中心です。一方で「新規の借入」として審査や契約手続きが必要になり、手数料や保証料などの費用が発生することもあります。制度や手続きは変更される可能性があるため、実際は借換先の最新の案内で確認する前提で考えると安全です。

借り換えで起きること(全体像)
  • 新しい借入で資金を用意し、既存借入を一括返済する
  • 返済先・金利・期間・毎月返済額が新条件に切り替わる
  • 審査や契約があり、費用(手数料・保証料等)が発生し得る
  • 担保・保証人・保証協会の扱いが変わる場合がある

借り換えと借り増し比較

借り換えと混同されやすいのが借り増し(追加融資)です。借り増しは、既存の借入を残したまま、新たに資金を追加で借りる方法で、資金繰りの穴埋めや仕入・外注費の支払いなど「手元資金を増やす」目的で使われます。一方、借り換えは既存借入を返し直すのが主目的で、資金の入り口は増えても、実質的には返済条件の組み替えが中心です。
たとえば、残高800万円・毎月返済25万円の借入がある会社が、追加で200万円を借り増しすると、返済額が増える可能性があります。逆に借り換えで返済期間を延ばすと、毎月返済を抑えられる場合がありますが、期間が長くなると総返済額が増えることもあるため、目的に合うかの確認が必要です。

観点 借り換え 借り増し
目的 金利・返済条件の見直し、一本化など 追加資金の確保(運転資金・つなぎ等)
資金の動き 新規借入→既存借入を一括返済 新規借入が増え、既存借入は残る
返済負担 下がる場合もあるが、条件次第 増えやすい(返済が上乗せ)
注意点 費用や審査、担保・保証の変更 返済余力の確認、資金使途の根拠

完済と再契約の基本流れ

借り換えは「既存借入の完済」と「新規借入の契約」がセットで進みます。実務では、借換先に相談して必要書類をそろえ、審査・契約の後に融資実行(資金が出ること)が行われ、同日に既存借入の返済へ充てる流れが一般的です。スケジュールの目安としては、書類の準備に1週間、審査に2〜3週間、契約から実行まで数日〜1週間程度というケースもありますが、状況や金融機関で異なります。
例として、月末に支払いが集中する会社が借り換えを進めるなら、「既存借入の完済日」と「新規借入の実行日」をずらさないことが重要です。タイミングが合わないと、一時的に資金が不足したり、返済の二重払いのような状態になったりする可能性があるため、事前に日程を詰めておきます。

手続きの流れ(目安)
  • 事前相談:借換の目的、必要額、希望条件を整理する
  • 申込み準備:決算書・試算表・借入一覧・資金繰り表などを用意する
  • 審査:返済能力や資金使途、既存借入の状況が確認される
  • 契約・実行:新規借入が実行され、既存借入を一括返済する
  • 返済開始:新条件で毎月返済がスタートする

借換と条件変更の違い

借り換えと似た言葉に「条件変更」があります。条件変更は、いま借りている金融機関と話し合い、金利や返済期間、毎月返済額などの条件を変更する方法で、一般に新たな資金を受け取らず、返済条件だけを見直します(返済条件変更やリスケジュールと呼ばれることがあります)。一方、借り換えは新しい借入を組んで既存借入を完済するため、契約も審査も「新規」として扱われやすい点が違いです。
たとえば、毎月返済28万円が重く資金繰りが厳しい場合、条件変更で返済期間を延ばして毎月返済を17万円程度に抑えられることがあります。ただし、条件変更は金融機関との合意が必要で、信用面の扱いや追加資料の有無はケースにより異なります。借り換えは金利低下が狙える場合がある一方、費用や審査負担もあるため、どちらが目的に合うかを資金繰り表で確認しながら判断します。

  • 借り換えは「新規借入で完済して組み替える」、条件変更は「同じ借入の条件を変える」という違いがあります
  • 借り換えは金利や一本化のメリットがあり得る一方、費用や審査が発生し得ます
  • 条件変更は毎月返済を調整しやすい一方、合意内容や影響は個別事情で変わります
  • どちらも資金繰り表で「返済後に資金が回るか」を確認してから進めるのが基本です

メリット・デメリット

借り換えのメリットは、金利や返済条件を見直して返済負担や資金繰りを改善できる可能性がある点です。特に、金利が下がる、返済期間を調整できる、借入を一本化して管理がしやすくなるといった効果が期待されます。一方で、借り換えは新規の借入として審査や契約が必要になり、手数料や保証料などの費用が発生する場合があります。また、返済期間を延ばすと毎月返済は軽くなりやすい反面、支払利息が増えて総返済額が増えることもあります。担保や保証人の条件が変わる可能性もあるため、メリットだけで判断せず、総コストとリスクを整理して決めることが大切です。

借り換えの代表的なメリット
  • 金利低下により支払利息が減る可能性がある
  • 返済期間の見直しで毎月返済額を調整できる
  • 複数借入の一本化で返済管理が簡単になることがある
  • 金融機関の変更で相談体制や商品性が合う場合がある

金利低下の効果の目安

金利低下の効果は「残高」「金利差」「残り返済期間」で概ね決まります。ざっくり言えば、残高が大きく、返済期間が長く残っているほど、金利が下がった効果は出やすいです。例えば、残高1,000万円の借入で金利が年2.5%から年1.5%に下がると、金利差は年1.0%です。単純計算では、初年度の利息負担が年10万円程度下がるイメージになります(返済が進むと利息は減るため、あくまで目安です)。
ただし、借り換えでは手数料や保証料などの費用が発生する場合があるため、「金利が下がった分」と「かかった費用」を比較して判断します。見積を取る際は、金利だけでなく、保証料の有無、事務手数料、条件(固定・変動)なども含めて総コストで比較すると失敗しにくいです。

確認項目 見方の目安
残高 残高が大きいほど金利差の影響が出やすいです。
金利差 差が小さいと費用を回収しにくい場合があります。
残り期間 期間が短いと効果が限定的になりやすいです。
付帯費用 手数料・保証料・登記費用等の有無を確認します。

返済期間延長の注意点

返済期間を延ばすと、毎月返済額は下がりやすく、資金繰りの山をならす効果が期待できます。例えば、毎月返済25万円が厳しい場合に、期間延長で毎月返済を17万円程度にできれば、毎月8万円の余裕が生まれ、家賃や外注費の支払い遅れを防ぎやすくなります。
一方で、返済期間が長くなるほど、利息を払う期間も延びるため、総返済額が増える可能性があります。さらに、返済が長期化すると、将来の設備投資や追加借入の余力に影響することもあります。期間延長は「当面の資金繰りを守る」目的に合う一方、中長期では返済計画と事業計画をセットで見直す必要があるため、資金繰り表で返済後も資金が回るかを確認し、無理のないラインを探すのが基本です。

期間延長で起きやすい落とし穴
  • 毎月返済は減っても、総返済額が増える場合がある
  • 返済が長期化し、追加融資や投資の余力が縮むことがある
  • 資金繰り表に税・社保や賞与等を入れ忘れると再び不足しやすい
  • 延長だけで改善策がないと、資金不足が先送りになる

担保・保証人の変更点

借り換えでは、担保(不動産担保など)や保証人(代表者保証など)の条件が変わることがあります。例えば、これまで担保が不要だった借入でも、借換先の方針や金額、信用状況によって担保設定を求められる場合があります。逆に、取引状況や制度によっては、担保・保証人の条件が軽くなるケースもあります。ただし、条件は金融機関や制度、個別事情で異なるため、一般論として「変更され得る前提」で確認することが重要です。
また、信用保証協会の保証付き借入を借り換える場合は、保証枠や保証料の扱いが関係します。担保や保証人の有無は、万一返済が難しくなったときの影響が大きいので、金利や毎月返済額だけで決めず、家族や共有名義不動産への影響も含めて判断します。

項目 変わり得ること 確認の目安
担保 新たに設定が必要/解除できる など 担保の対象、評価、登記費用の有無
保証人 追加を求められる/不要になる など 代表者保証の有無、条件、影響範囲
保証協会 保証枠の消費、保証料の負担 保証付きの可否、保証料、手続きの流れ

費用と総返済額の考え方

借り換えで失敗しやすいのは、「金利が下がる」だけで判断し、手数料や保証料などの費用を含めた総返済額を見ていないケースです。借り換えは新規の借入として契約するため、融資事務手数料、信用保証協会の保証料、担保設定の費用などが発生する場合があります。金利が下がっても、費用が大きいとメリットが相殺されることがあるため、借り換え後の毎月返済額だけでなく「最終的にいくら支払うか」を整理することが重要です。
また、返済期間を延ばして月々の返済を軽くする場合、利息を払う期間が伸びて総返済額が増える可能性があります。資金繰りが厳しい局面では月次の負担軽減が重要になる一方、中長期では返済計画と事業計画を合わせて考える必要があります。制度や手数料は変更される可能性があるため、実際は最新の案内や見積にもとづいて判断する前提で整理します。

総コストで見るための基本視点
  • 借り換え前後の「総返済額(元金+利息)」を比較する
  • 借り換えに伴う「一時費用(手数料・保証料等)」を上乗せして考える
  • 返済期間の変更で「利息総額」が増減する点を確認する
  • 資金繰り表で「返済後も資金が回るか」を同時に確認する

手数料・保証料の内訳

借り換えの費用は、金融機関に支払うものと、保証・担保に関わるものに分かれます。代表例は融資事務手数料で、契約時に定額または借入額に応じて設定される場合があります。信用保証協会の保証付きで借り換える場合は、保証料が発生することがあり、保証期間や保証料率、保証方式などにより負担が変わります。不動産担保を設定する場合は、登記関連費用などがかかることがあります。
たとえば、借入1,000万円の借り換えを検討している場合、金利だけを見て「年1%下がるから得」と判断せず、手数料・保証料・登記費用などの合計がいくらになり、どれくらいの期間で回収できるかをセットで確認します。費用の名称や計算方法は個別に異なるため、見積の内訳を項目ごとに出してもらうと比較しやすいです。

費用項目 内容の目安
融資事務手数料 契約・実行に伴う手数料。定額または借入額に応じて設定されることがあります。
保証料 信用保証協会の保証付きの場合に発生し得る費用。期間・方式などで負担が変わります。
担保関連費用 不動産担保設定の登記関連費用など。担保の有無で発生可否が変わります。
印紙等 契約書類に関わる費用が発生する場合があります。

総返済額の計算ポイント

総返済額は「元金(借りた金額)」と「利息(利子)」の合計で考えます。借り換えでは、金利が下がることで利息総額が減る可能性がありますが、返済期間を延ばすと利息総額が増える可能性もあるため、両方を同時に確認します。
例として、残高800万円、残り返済5年、金利年2.5%の借入を、金利年1.5%・返済7年に借り換えるケースを考えます。この場合、金利は下がる一方で返済期間が伸びるため、毎月返済は軽くなりやすいですが、利息総額が必ず減るとは限りません。比較するときは「毎月返済額」「返済終了までの利息総額」「借り換え費用」を同じ表に並べ、どこにメリットがあるかを見える化します。

計算で抜けやすい注意点
  • 毎月返済だけ見て、利息総額の増減を確認していない
  • 借り換え費用(手数料・保証料等)を総コストに入れていない
  • 返済開始月の資金繰り(税・社保、賞与等)が反映されていない
  • 一本化で返済日が変わり、月末の資金不足が起きる可能性を見ていない

損益分岐の見極め基準

借り換えの損益分岐は、「金利低下などで減る利息」と「借り換えで発生する費用」が釣り合う点を目安に考えます。分かりやすく言えば、借り換え費用が20万円で、金利低下による利息削減が年間10万円程度見込めるなら、単純計算では約2年で費用を回収するイメージです(実際は返済が進むため一定ではなく、目安として扱います)。
ただし、中小企業の借り換えでは「総額で得か損か」だけでなく、「資金繰りが安定するか」を同時に見る必要があります。費用回収に時間がかかっても、毎月返済が軽くなり資金ショートを避けられるなら、合理的と判断される場面もあります。逆に、資金繰りに余裕があり、残り返済期間が短い場合は、費用の回収が難しく借り換えのメリットが小さいこともあります。

判断軸 見極めの目安
費用回収 借り換え費用を、利息削減の見込みでどれくらいで回収できるかを確認します。
資金繰り 返済後の月末残高が最低ラインを維持できるかを資金繰り表で確認します。
期間の適正 返済期間延長で総返済額が増える場合でも、必要性があるかを検討します。
将来の余力 追加融資や投資の余力に影響しないかを見ます。

手続きと必要書類の流れ

借り換えは「新規の借入」として扱われることが多く、事前相談から審査、契約、実行まで一定の手順があります。急いで申し込むより、目的(何を改善したいか)と根拠(どれだけ負担が下がるか)を整理してから相談すると、必要資料の準備が進みやすく、手戻りを減らせます。特に中小企業では、借入が複数ある、返済日が複数に分かれている、税金・社会保険料の支払いが重なる、といった事情が多いため、資金繰り表で「借り換え後も資金が回る」状態を見せることが重要です。
また、借換先が銀行なのか、公庫や保証付きなのかで必要書類や所要日数は変わります。制度や取扱いは変更される可能性があるため、最終的には相談先の最新の案内に沿って進める前提で、一般的な流れとして整理します。

スムーズに進めるための前提整理
  • 借り換えの目的を一言で言える(例:金利低下、毎月返済の軽減、一本化)
  • 借入一覧がある(残高・金利・返済日・毎月返済額・担保/保証の有無)
  • 資金繰り表で不足月が見えている(借換後の返済開始月も含む)
  • 税金・社保の支払い状況を整理している(遅れがあれば相談状況も含む)

事前相談から実行の流れ

借り換えは、相談先に「現状の借入条件」と「借り換えで実現したい条件」を伝えるところから始まります。次に、必要書類を提出して審査を受け、条件が合えば契約・実行へ進みます。実行日は、借り換え元の完済日や返済日程と合わせる必要があるため、資金移動のタイミングを事前に詰めるのが重要です。
例として、月末に既存借入の返済と仕入支払いが重なる会社が借り換えを行う場合、実行日が遅れると一時的な資金不足が起きやすくなります。そこで、資金繰り表に「いつ資金が出て、いつ入るか」を入れ、余裕のない月を先に特定して相談します。一般的な目安として、書類準備から審査・契約・実行まで数週間単位で進むことが多いため、支払い期限から逆算して早めに動くのが安全です。

  1. 事前相談:借換目的、希望条件、借入一覧を提示する
  2. 申込み:必要書類をそろえて提出する
  3. 審査:返済能力、事業状況、借換の妥当性を確認される
  4. 条件提示:金利・期間・返済額・担保/保証などの条件が示される
  5. 契約・実行:新規借入が実行され、既存借入を一括返済する
スケジュールでつまずきやすい点
  • 実行日と完済日がずれ、返済や支払いが重なる
  • 必要書類の不足で審査が止まり、予定より遅れる
  • 一本化で返済日が変更され、月末資金が足りなくなる
  • 税・社保や賞与の支払い月を見落とし、再び不足する

必要書類の準備チェック

必要書類は相談先や借り換えの種類で異なりますが、共通して求められやすいのは「過去の実績(決算・申告)」と「足元の状況(試算表・資金繰り)」、そして「既存借入の内容(借入一覧)」です。借り換えは“返し直し”であるため、資金使途の説明が新規融資ほど細かくない場合もありますが、「なぜ借り換えるのか」「借り換え後に返済できるのか」の説明は必要です。
例えば、借入が3本あり、合計残高1,200万円、返済日が毎月10日・20日・月末に分かれている会社なら、借入一覧で条件を整理し、一本化した場合の返済日と資金繰りへの影響を示すと話が進みやすくなります。書類は“きれいさ”より“整合性”が重要なので、数字のつながり(決算→試算表→資金繰り)が取れているかを確認して提出します。

カテゴリ 用意するものの例
決算・申告 直近2〜3期の決算書・申告書(個人は確定申告書一式)
足元の状況 直近の試算表、月次推移、資金繰り表(3〜6か月先)
既存借入 借入一覧(残高・金利・返済額・返済日・担保/保証の有無)
裏付け資料 受注残・契約・見積など売上見込み、支払予定の根拠(仕入・外注・税社保)
その他 担保資料、不動産資料、保証協会関連資料など(必要な場合)

審査で見られる評価基準

借り換えの審査では、返済能力が維持できるか、借り換え後の条件が妥当か、返済が滞るリスクが高くないかを見られます。中小企業では、利益だけでなくキャッシュ(現金)の動きが重視されやすいため、資金繰り表で返済後も資金が回ることを示すのが有効です。
また、税金や社会保険料の遅れがある場合は、追加負担(延滞金等)が生じたり、信用面で不利になったりする可能性があります。そのため、現状を整理し、所管窓口に相談しているか、分納の見通しがあるかなど、対応状況を説明できる状態にしておくと安心です。借り換えは新規契約に近いため、過度な期待をせず、必要資料と説明を整えて臨む姿勢が重要です。

評価されやすい説明の軸
  • 借り換え目的が明確で、条件改善の根拠がある
  • 借入一覧が整っており、返済負担の全体像が説明できる
  • 資金繰り表で返済後も月末残高が維持できる
  • 赤字の場合でも原因と改善策が数字で説明できる
  • 税・社保の支払い状況を隠さず、対応方針がある

中小企業の借り換え判断軸

中小企業の借り換えは、「金利が下がるか」だけでなく、「資金繰りが安定するか」「総返済額で損をしないか」「手続きの負担とスケジュールに無理がないか」で判断するのが基本です。特に、毎月の返済額が重く運転資金が薄い会社では、返済条件の見直しが資金ショート回避に直結する一方、費用や期間延長の影響も受けます。そこで、資金繰り表で返済後の残高推移を確認し、借換の目的を「返済負担の軽減」「一本化で管理改善」「金利低下による利息削減」などに分けて整理すると、判断がぶれにくくなります。制度や審査の運用は変わり得るため、最終判断は最新情報の確認を前提に進めます。

判断をぶらさないための3点セット
  • 目的:何を改善する借換か(返済額/金利/一本化など)
  • 根拠:資金繰り表で不足月・不足額と返済後の残高を示す
  • 比較:総返済額+借換費用まで含めて複数案で比べる

資金繰り改善の判断ポイント

資金繰り改善の観点では、借り換え後に「月末残高が最低ラインを割らないか」を確認するのが第一です。最低ラインは会社により異なりますが、目安として固定費1か月分(家賃・人件費・リース等)を割らないように設定し、借換後の返済開始月から3〜6か月先までの残高推移を見ます。
例として、毎月返済25万円が重く、月末残高が50万円まで落ちる会社が、借り換えで毎月返済を17万円にできる場合、差額8万円が資金繰りの安全余裕になります。ただし、税金・社保・賞与・仕入の支払いが重なる月に残高が底をつくなら、返済額を下げるだけでは足りないこともあります。借り換えは「返済負担の調整」に強い一方、売上や粗利の改善がないと資金不足が先送りになることもあるため、改善策とセットで考えるのが基本です。

確認項目 見方の目安
最低ライン 月末残高の下限(例:固定費1か月分)を決めて検証します。
不足月 税・社保・賞与・大口仕入など「山の月」を資金繰り表に入れます。
返済開始月 借換後の返済開始タイミングで残高が崩れないか確認します。
改善策 値上げ・回収条件・固定費見直しなどを資金繰りに反映します。

借換と一本化の比較基準

借り換えには、単純に「金利を下げる借換」だけでなく、複数借入を一本化して管理を簡単にする狙いがあります。本数が多いと返済日が分散し、月末に資金が足りなくなる、返済漏れが起きる、資金繰り表が作りにくい、といった問題が起きやすいです。一方、一本化は金利が必ず下がるとは限らず、返済期間や費用の条件次第で総返済額が増える可能性もあります。
例えば、借入が3本(各残高400万円)で返済日が10日・20日・月末に分かれている会社が、残高1,200万円を一本化し返済日を月末に統一すると、管理は楽になる一方、月末の支払いが集中して資金の谷が深くなる場合があります。一本化の判断では「返済日」「毎月返済額」「総返済額」「費用」「担保・保証条件」を同じ表で比較するのが基本です。

一本化で注意したい点
  • 返済日が固定費や仕入支払いと重なり、月末資金が不足しやすい
  • 返済期間が延びて、総返済額が増える可能性がある
  • 手数料・保証料など一時費用が増える場合がある
  • 担保や保証人の条件が厳しくなる可能性がある

税金・社保遅れの影響目安

税金や社会保険料の支払いが遅れている場合、融資や借り換えの検討で不利に働く可能性があります。理由は、延滞により追加負担が発生し得ること、資金繰り管理の不安要素と見られやすいこと、金融機関が返済能力を判断するうえで重要な支出が未整理になりやすいことなどです。ただし、遅れがあるから即不可という意味ではなく、重要なのは「現状を把握し、相談し、支払い計画を作っているか」です。
例として、法人税や消費税の納付が遅れている場合は、所管窓口へ相談し分納の方向性を作り、資金繰り表に分納額を反映します。社会保険料も同様に、放置せず相談して支払計画を立てることが一般的です。制度や取扱いは個別に異なるため、具体的な手続きは最新の案内に沿って進めます。

状態 借換検討での影響の見え方(目安)
遅れなし 資金繰り管理が安定している前提で説明しやすいです。
遅れあり・未相談 不利に見られやすく、追加負担や資金繰り不安が強い印象になり得ます。
遅れあり・相談済み 分納計画等を示せれば、管理の姿勢として説明材料になります。

相談先の選び方チェック

借り換えは、相談先の選び方で進み方が変わります。まずは取引金融機関に相談し、現状の借入条件と借換の可能性、条件変更の選択肢も含めて確認します。次に、信用保証協会の保証付きや自治体制度融資、公庫なども候補になり得るため、必要に応じて並行で情報を集めます。複数の借入がある場合は、返済日や担保・保証条件が絡むため、比較表を作り、見積や条件提示を同じ前提で並べると判断しやすいです。

相談先を選ぶチェックリスト
  • 既存借入の条件変更の余地があるか(取引金融機関に確認)
  • 借換の目的に合うか(金利低下/返済額軽減/一本化)
  • 費用の見積内訳がそろっているか(手数料・保証料等)
  • 担保・保証人の条件が許容範囲か
  • 税・社保の状況を説明できるか(遅れがあれば相談済みか)
  • 資金繰り表で返済後の残高が維持できるか

まとめ

借り換えは既存借入を新たな借入で組み替える方法で、金利や返済条件の見直しによる負担軽減が期待できる一方、手数料・保証料などの費用や返済期間延長による総返済額増に注意が必要です。判断には、借り増しや条件変更との違いを押さえ、総返済額と損益分岐を試算し、資金繰り表で返済後も資金が回るか確認します。税金・社保の遅れがある場合は早期に相談し、公庫・制度融資・金融機関などの選択肢を比較して進めます。