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ファクタリング必要書類15項目|法人・個人の審査準備ガイド

ファクタリングを申し込もうとしても、「必要書類が何なのか」「どこまで揃えればよいのか」で手が止まりがちです。本記事では、法人・個人事業主・フリーランス別に必要書類を整理し、商業登記簿や決算書、請求書・成因資料など15項目を一覧化します。

あわせて、2社間・3社間・オンライン完結型ごとの提出書類の違い、資金難の会社が審査遅延を防ぐための準備ポイントも解説し、最短で審査に進むための実務的なチェックリストとして活用できる内容にまとめています。

 

ファクタリング必要書類の基本

ファクタリングの審査では、「会社や事業主が実在しているか」「売掛金(請求書)が本当に存在するか」「継続的に取引できる相手か」といった点を、提出書類を通じて確認します。

必要書類の種類や細かい指定はサービスごとに異なりますが、銀行融資と比べると求められる書類は少ないとされており、一般的には本人確認書類・決算書や確定申告書・入出金明細・請求書などの組み合わせが中心です。

 

法人・個人事業主を問わず、よく求められるのは次のような書類です。

本人確認書類(運転免許証・パスポート等)、法人なら商業登記簿謄本、前期決算書一式または確定申告書、売却予定の請求書、取引の実在性を示す成因資料(契約書・発注書・納品書・検収書など)、そして直近数か月分の銀行口座の入出金明細です。

 

こうした書類は、申込→審査→契約→入金の各段階で重複して参照されるため、最初の申込前に一式を揃えておくと、その後のやり取りがスムーズになります。

特にオンライン完結型サービスでは、これらをPDFや画像データでアップロードする方式が一般的です。

 

書類区分 代表的な必要書類
本人・企業確認 運転免許証・パスポート、商業登記簿謄本、印鑑証明書など
財務状況 前期決算書一式、試算表、個人事業主の確定申告書・青色申告決算書等
取引実在性 売却予定の請求書、取引基本契約書、発注書・納品書・検収書などの成因資料
資金の流れ 保有する銀行口座の入出金明細(直近◯か月分)

 

このように、ファクタリングの必要書類は、「誰にいくら請求しているか」「その売掛金がどの取引から生じたか」「資金の出入りに不自然な点はないか」を立体的に確認するための材料と考えると整理しやすくなります。

 

申し込み必須書類の一覧

ここでは、多くのファクタリング会社が「原則必須」としている書類を整理します。

サービスやスキームによって差はありますが、クラウドファクタリング事業者などの公表内容を踏まえると、法人の場合は次のような書類が基本セットになっていることが多いです。

 

  • 本人確認書類:代表者の運転免許証・パスポートなど
  • 商業登記簿謄本:法人の基本情報・代表者権限を確認するための書類
  • 前期決算書一式:貸借対照表・損益計算書・勘定科目明細など
  • 売却予定の請求書:取引先名・金額・支払期日が明記されたもの
  • 成因資料:取引基本契約書、発注書、納品書、検収書など、売掛金が発生した経緯を示す資料
  • 銀行口座の入出金明細:保有する口座の直近数か月分の取引履歴

 

個人事業主やフリーランスの場合は、商業登記簿ではなく「開業届控え」や「確定申告書B」「青色申告決算書(または収支内訳書)」が求められるのが一般的です。

 

申込前に揃えておきたい必須書類セット
  • 代表者の本人確認書類(法人の場合)または本人確認+開業届控え(個人事業主)
  • 前期決算書一式、または確定申告書一式と青色申告決算書等
  • 売却予定の請求書と、その取引を示す成因資料一式
  • メイン口座を含む銀行口座の入出金明細(直近◯か月分)

 

このような書類は、どのファクタリング会社でも大きくは変わらない必須項目です。

最初にこれらを一式フォルダにまとめ、スキャンデータも準備しておくと、複数社への見積もり依頼やオンライン申込みの際にも転用でき、審査開始までの時間短縮につながります。

 

状況別に追加される資料

基本書類に加えて、「会社の状況」や「取引の特徴」に応じて追加で求められる資料があります。

ファクタリング会社が公開している必要書類の案内でも、「必要に応じて印鑑証明書や商業登記簿謄本などをお願いする場合がある」といった記載が見られます。

 

代表的な追加資料のパターンは次のとおりです。

状況 追加で求められやすい資料例
直近決算から時間が経過 最新の試算表、資金繰り表、売上推移資料など
税金・社会保険の滞納懸念 納税証明書、分納計画に関する資料など
債権譲渡登記を行う場合 代表者の印鑑証明書、定款、取締役会議事録(必要に応じて)
医療・介護報酬など専門債権 診療報酬明細書(レセプト)、介護給付管理票、各種指定通知書等
新設法人・創業間もない事業 事業計画書、主要取引先との基本契約書、見積書の束など

 

また、審査の過程で「売掛先企業の実態を確認する必要がある」と判断された場合、売掛先とのメールや発注書、検収書の追加提示を求められることもあります。

これは、売掛金の成因と継続性をより詳細に確認するためです。

 

追加資料でつまずきやすいポイント
  • 印鑑証明書や納税証明書は取得に数日かかるため、早めに準備しておくこと
  • 医療・介護など専門分野は、業界特有の帳票(レセプト等)の保管状況を事前に確認しておくこと
  • 新設法人は決算書がない分、事業計画書や取引基本契約書で補完すること

 

このように、状況別の追加資料は「標準セット+α」という位置づけです。自社の状況(創業期か、赤字か、専門業種か)を踏まえて、どのパターンに当てはまりそうかを事前に整理しておくと、追加提出の依頼にも落ち着いて対応しやすくなります。

 

書類から判断される審査観点

ファクタリング会社は、提出された書類から「取引の実在性」「売掛先の信頼性」「利用者の事業実態と資金繰り」の3点を重点的に確認します。

一般的なクラウドファクタリングの解説でも、決算書・入出金明細・請求書といった書類を通じて、売掛金の実在性と事業の継続性をチェックしていることが示されています。

主な書類と審査観点の関係は、次のように整理できます。

 

  • 本人確認書類・商業登記簿謄本
    … 申込者・法人の実在性、代表者の権限、事業目的との整合性など
  • 決算書・確定申告書・試算表
    … 売上規模、利益水準、自己資本の厚み、債務超過の有無、直近の業績トレンドなど
  • 銀行口座の入出金明細
    … 売掛先からの入金実績、支払遅延の有無、資金繰りのパターン(常に残高不足になっていないか等)
  • 請求書・成因資料(契約書・発注書・納品書・検収書)
    … 取引の実在性、取引先との継続性、単発か継続か、売掛先の属性など
  • 納税証明書等
    … 税・社会保険の滞納状況、行政上の大きなリスクの有無

 

審査観点から見た提出前チェック
  • 書類一式で「誰とどのような取引をして売掛金が発生しているか」が説明できるか
  • 決算書と入出金明細の内容が大きく矛盾していないか(例:売上があるのに入金が全くない等)
  • 請求書・契約書・納品書・検収書の名義・金額・日付が一貫しているか

 

ファクタリングでは、銀行融資のように将来の返済能力を中心に見るのではなく、「既に発生している売掛金がいつ・どの程度の確実さで回収できるか」が重視されます。

そのため、書類の役割も「売掛金と取引の実在性」と「事業の継続性」を示すことに比重が置かれています。

提出前に、書類一式で自社の取引と資金の流れが説明できるかを自分たちの目で確認しておくことが、スムーズな審査につながります。

 

法人利用で求められる書類

法人がファクタリングを利用する場合、提出書類は大きく「企業の実在を確認する書類」「財務内容を把握する書類」「売掛金の実在を確認する書類」「資金の流れを確認する書類」の4つに整理できます。

銀行融資よりは少ないとされますが、商業登記簿謄本や印鑑証明書、決算書一式、売却対象となる請求書とその成因資料、取引口座の入出金明細など、一定のボリュームになるのが一般的です。

特に法人の場合は、代表取締役の権限や会社の目的が登記情報と整合しているか、税・社会保険の大きな滞納がないか、売掛金が架空ではないかといった点を、これらの書類の組み合わせで確認していきます。

 

ファクタリング会社ごとに書式や細かい指定は異なりますが、必要書類は概ね共通しています。

あらかじめ社内で「ファクタリング申込用フォルダ」を作成し、登記・決算・契約書・請求書・通帳コピーなどをひとまとめにしておくと、複数社へ見積もりを取る際にも流用でき、審査開始までの時間を短縮しやすくなります。

 

書類の種類 主な内容
企業確認 商業登記簿謄本(登記事項証明書)、印鑑証明書、会社定款など
財務情報 決算書一式(直近2〜3期)、試算表、資金繰り表、納税証明書など
取引実在性 請求書、取引基本契約書、発注書・納品書・検収書などの成因資料
資金の流れ メイン口座を中心とした銀行口座の入出金明細(直近◯か月分)

 

このように、法人利用で求められる書類は「企業そのもの」「取引」「債権」の三方向から事実を確認するためのものです。

次の見出しでは、それぞれの書類がどのような意味を持ち、どのような点を見られているかを具体的に整理します。

 

商業登記簿と印鑑証明の概要

商業登記簿謄本(登記事項証明書)は、法務局に備え付けられた登記記録を写した公的書類で、会社の商号、本店所在地、目的、資本金、役員構成、代表取締役などの情報が記載されています。

ファクタリング会社はこの書類を通じて、「申込んでいる会社が実在しているか」「代表取締役が誰か」「契約行為を行う権限は誰にあるか」を確認します。

 

一般的には発行から3か月以内のものを求められることが多く、古いものしか手元にない場合は、あらためて法務局やオンライン申請システムで取得する必要があります。

印鑑証明書は、市区町村または法務局に登録された印影(会社実印・代表者個人の印鑑)と一致していることを証明する書類です。

 

ファクタリングの契約では、基本契約書や債権譲渡登記に伴って会社実印を用いるケースが多く、その正当性を担保するために印鑑証明書が提出書類に含まれます。

代表者個人の保証を求めないスキームであっても、会社実印の印鑑証明書は求められることがほとんどです。

 

商業登記簿・印鑑証明準備のポイント
  • 登記事項証明書は「現在事項証明書」を指定されることが多く、発行から3か月以内のものを準備する
  • 法務局の窓口だけでなくオンライン請求も可能なため、時間に余裕を持って手配する
  • 会社実印の印鑑証明書を、契約予定枚数より少し多めに取得しておくと再取得の手間を減らせる

 

このように、商業登記簿と印鑑証明書は「会社の身元」と「代表者の権限」を示す基礎資料です。

ファクタリングだけでなく、銀行口座の開設や他の金融取引でも利用頻度が高い書類のため、社内で保管・更新のルールを決めておくと、さまざまな手続きで流用しやすくなります。

 

決算書・試算表・納税情報

決算書は、法人の財務状態と経営成績を示す基本資料であり、ファクタリング審査でも重要な役割を担います。

一般的には、直近2〜3期分の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表などの「決算書一式」が求められます。

 

ファクタリング会社はこれらを用いて、売上規模、粗利率、利益水準、自己資本の厚さ、借入金の水準、債務超過の有無などを確認し、事業継続可能性や資金繰りの安定度を判断します。

一方で、直近決算から時間が経過している場合には、「最新の試算表」や「月次推移表」の提出を求められることがあります。

 

これは、直近の売上・利益のトレンド、在庫や売掛金の増減、直近の資金状態を把握するためです。

また、税務面では「納税証明書」や「納付書控え」が求められることもあり、法人税・消費税・源泉所得税・社会保険料などの滞納状況が確認されるケースがあります。

大きな滞納がある場合は、分納計画や金融機関との調整状況について説明を求められることも想定されます。

 

  • 決算書:直近2〜3期分をフルセットで準備(電子申告控えでも可とされる場合あり)
  • 試算表・月次資料:最新月時点の売上・利益・資金状況を示す資料
  • 納税情報:納税証明書、納付書控え、分納合意がある場合はその内容が分かる書類

 

決算書・納税情報で注意したい点
  • 黒字・赤字だけでなく、売上や利益のトレンド、借入金の増減も見られていると意識する
  • 税や社会保険の滞納がある場合は隠さず、状況と今後の支払計画を説明できるようにしておく
  • 試算表は勘定科目内訳や補足資料とセットで提出すると、事業実態を伝えやすくなる

 

ファクタリングは銀行融資よりも「売掛先の信用力」を重視する取引ですが、利用者の財務状況が全く見られないわけではありません。

決算書や納税情報は、「今後も継続して売掛金が発生しそうか」「極端な資金ショートリスクがないか」を判断するベース資料となるため、最新のものを整理しておくことが重要です。

 

基本契約書や成因資料の確認

ファクタリングで特に重視されるのが、売掛金の「成因資料」です。

成因資料とは、売掛金がどのような取引から発生したのかを示す書類で、具体的には「取引基本契約書」「個別の注文書・発注書」「見積書」「納品書・配送伝票」「検収書・受領書」「作業報告書」「請求書」などが該当します。

 

これらの書類を組み合わせることで、「どの取引先に」「どのような内容で」「いつ商品・サービスを提供し」「その対価としていくら請求しているか」を客観的に説明できます。

取引基本契約書は、取引先との間で継続的な売買・業務委託などを行う際のルールを定めた契約書で、支払サイトや検収条件、瑕疵担保、債権譲渡禁止特約の有無などが記載されます。

 

ファクタリング会社はここから、「売掛金に債権譲渡禁止条項がないか」「支払サイトは何日か」「クレームや返品が生じた場合の扱いはどうなっているか」といった点を確認します。

一方、個別の注文書や納品書・検収書は、実際に取引が行われた事実を示す証拠となり、請求書の金額や数量と一致しているかどうかがチェックされます。

 

  • 取引基本契約書:支払サイト・債権譲渡禁止特約・クレーム対応など、取引ルール全般を確認
  • 成因資料一式:注文書→納品書→検収書→請求書の流れが一貫しているかを確認
  • 契約書・請求書の名義:法人名・所在地・担当部署などが一致しているかを確認

 

成因資料を整理する際のポイント
  • 案件ごとに「注文書・納品書・検収書・請求書」をセットにして保管し、すぐに提示できるようにする
  • 取引基本契約書に債権譲渡禁止条項がないかを事前に確認し、ある場合はファクタリング会社に相談する
  • 電子取引の場合は、メール・電子契約・クラウドサインなどの記録も成因資料として整理しておく

 

このように、基本契約書や成因資料は「売掛金そのものの信頼性」を支える中核書類です。

金額や支払期日だけでなく、取引の流れ全体を示せる資料を揃えておくことで、ファクタリング会社も実在性を確認しやすくなり、審査のスピードと精度の両方を高めることにつながります。

 

個人事業主・フリーランス書類

個人事業主やフリーランスがファクタリングを利用する場合、法人と違って商業登記簿謄本はありません。その代わりに、「本人確認書類」「事業を行っていることを示す書類」「売掛金の成因を示す書類」の3系統を組み合わせて確認するのが一般的です。

具体的には、運転免許証などの本人確認書類、開業届控えや確定申告書、請求書・業務委託契約書・納品書などが中心となります。

 

金融機関等に共通するルールとして、犯罪収益移転防止に関する法令に基づき、取引時確認(本人確認)が求められます。

ファクタリング事業者もこれに沿った形で、住所・氏名・生年月日・事業の実在性を確認できる書類の提出を求めるケースが多くなります。

個人事業主・フリーランス向けのオンライン完結型サービスでは、こうした書類をスマートフォンで撮影した画像やPDFでアップロードする方式が一般的で、事前にデータ化しておくと審査をスムーズに進めやすくなります。

 

また、個人事業主の場合は「生活用の口座」と「事業用の口座」が混在しがちです。

ファクタリングでは売掛先からの入金実績を確認するため、取引先からの入金が分かる通帳・ネットバンキング明細の提出を求められることが多いため、事業用の入出金が分かる口座をあらかじめ整理しておくと、審査時の説明がしやすくなります。

 

書類区分 代表的な例
本人確認 運転免許証、マイナンバーカード(表面)、パスポートなど
事業実在 開業届控え、確定申告書、青色申告決算書/収支内訳書など
取引実在 請求書、業務委託契約書、納品書、検収メールなどの成因資料
資金の流れ 事業用口座の入出金明細(直近数か月分)

 

このように、個人事業主・フリーランスの必要書類は、「法人の登記情報」の代わりに「本人+事業+取引」を証明する書類で構成されます。

以下で、それぞれの書類がどのような意味を持つのかを詳しく見ていきます。

 

個人事業主に必要な本人確認

個人事業主がファクタリングを利用する際の最初のステップは、本人確認です。法人代表者と異なり、個人の名義で契約を行うため、「誰が申込んでいるのか」「どこに居住しているのか」を確認できる書類が必要になります。

一般的には、顔写真付きの運転免許証やマイナンバーカード(表面)、パスポートなどが用いられます。

 

これらがない場合は、健康保険証+住民票など、複数の書類を組み合わせて本人確認を行うスキームが採られることもあります。

本人確認書類は、表裏の両面コピーやカラー画像が求められるケースが多く、住所変更の記載がある場合は裏面も含めて提出が必要です。

 

また、氏名や住所が開業届・確定申告書・請求書の記載と一致しているかも確認されるため、住所変更を行った際は、税務署への届出や請求書フォーマットの更新も忘れずに行うことが望ましいです。

本人確認書類とあわせて、事業用の銀行口座の通帳コピー(またはWeb明細)も本人確認を兼ねて利用されます。

名義が本人であること、取引先からの入金が実際に行われていることを示す役割があるため、「生活費と事業入金が混在している口座」しかない場合は、どの入金が事業由来かを説明できるよう整理しておく必要があります。

 

個人事業主の本人確認で押さえたいポイント
  • 顔写真付きの本人確認書類を優先的に準備し、表裏とも鮮明な画像を用意すること
  • 住所・氏名が開業届や請求書と一致しているか、変更漏れがないかを確認すること
  • 事業用口座の名義・入金明細も本人確認の一部として見られる前提で、取引履歴を整理しておくこと

 

このように、個人事業主にとっての本人確認は、「人」と「事業」の両方を確認する入口となります。

書類の内容がばらばらだと追加の質問や再提出が発生しやすくなるため、氏名・住所・屋号の記載がそろっているかを事前にチェックしておくと、審査をスムーズに進めやすくなります。

 

フリーランス請求と成因資料

フリーランスがファクタリングを利用する場合、最も重要になるのは「請求書」と「成因資料」です。

成因資料とは、売掛金がどのような仕事から発生したのかを示す書類で、業務委託契約書・発注書(注文書)・見積書・納品書・検収メール・チャットのやり取りなどが含まれます。

 

ファクタリング会社は、請求書だけでなく、これらの資料を組み合わせて、「実際に仕事を受けて納品し、その対価として請求していること」を確認します。

たとえば、ライターやデザイナーの場合、業務委託契約書に業務内容・報酬単価・支払サイトが定められ、個々の案件については発注メールや依頼書で仕様が送られます。

 

納品後には、クライアント側で検収完了のメールやチャットが送られ、それを前提に請求書が発行されます。

エンジニアやコンサルタントでも同様に、契約書+発注+納品報告+請求書といった流れが成因資料として整理できます。

 

  • 請求書:クライアント名・金額・支払期日・振込口座などが記載されたもの
  • 契約書・発注書:単価・業務内容・支払条件を定めた書類やメール
  • 納品書・検収記録:納品済みであることを示すファイル提出履歴や検収完了の連絡
  • コミュニケーション記録:チャットツールやメールでの依頼・完了報告のログ

 

フリーランスの成因資料を整理するコツ
  • 案件ごとに「依頼〜納品〜請求」までのメール・チャットを1つのフォルダにまとめておくこと
  • 請求書の名義・金額・期日が、契約書や発注書の内容と整合しているかを確認すること
  • クラウドサインや電子契約サービスを利用している場合は、契約書データをすぐ取り出せる状態にしておくこと

 

このように、フリーランスの場合は「会社の登記情報」がない代わりに、「取引の流れを示すデータ」が重視されます。

紙の契約書がなくても、電子契約・メール・チャット履歴で成因を説明できるケースが多いため、日頃から案件ごとにフォルダを分けておくと、ファクタリングの審査資料としても活用しやすくなります。

 

開業届・確定申告書の扱い

個人事業主・フリーランスにとって、開業届控えと確定申告書は「事業の実在性」と「収益実績」を示す基本書類です。

開業届(正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」)は、税務署に提出することで「この日から事業を開始した」ことを公的に示すもので、控えには税務署の受付印が押されます。

 

ファクタリング会社はこの控えを通じて、「単なる副業や一時的な収入ではなく、継続した事業として届け出されているか」を確認します。

確定申告書(主に確定申告書B)および青色申告決算書または収支内訳書は、過去の売上・経費・所得の実績を示す資料です。

 

直近1〜2年分の控え(税務署受付印付き、またはe-Tax送信結果付き)が求められるケースが多く、売上の推移や主要な経費項目、事業所得の金額などが確認されます。

ここで申告されている売上規模と、今回ファクタリングの対象とする請求書の金額感が大きく乖離している場合は、追加の説明を求められることがあります。

 

  • 開業届控え:事業開始日・事業内容・屋号などが記載され、事業の実在性を示す
  • 確定申告書B:所得区分ごとの金額、事業所得の有無と金額を示す
  • 青色申告決算書/収支内訳書:売上高、仕入・経費、利益水準、主要取引先の概要などを示す

 

開業届・確定申告書を提出する際のポイント
  • 税務署の受付印やe-Taxの受付番号が入った控えを準備し、「下書き版」を誤って送らないよう注意すること
  • 直近分だけでなく、可能であれば過去2期分を揃え、売上推移が分かるようにしておくこと
  • 開業届の事業内容・屋号と、請求書や契約書に記載された屋号・名義が一致しているか確認すること

 

このように、開業届と確定申告書は「個人であっても事業者として継続している」ことを示す役割を持ちます。

これらの書類が整っているほど、ファクタリング会社に対して事業の安定性と透明性を示しやすくなるため、まだ開業届を提出していない場合や、申告控えが整理されていない場合は、ファクタリングの申込み前に整備しておくことが望ましいです。

 

スキーム別で変わる提出資料

ファクタリングで求められる書類は、利用するスキームによって一部変わります。2社間ファクタリングでは、売掛先に通知を行わない分、利用者側の決算書や銀行口座の入出金明細、請求書・見積書・契約書など「自社と取引の実在性」を重ねて確認する資料が重視されます。

3社間ファクタリングでは、これに加えて、売掛先に送付する債権譲渡通知書や承諾書など、売掛先との関係書類が必要になるのが一般的です。

 

診療・介護報酬ファクタリングなどの3社間スキームでも、審査支払機関に対する債権譲渡通知を行う旨が公式に示されています。

一方、オンライン完結型サービスでは、必要書類そのものは従来型と大きく変わらないものの、提出形式が「PDFや画像データのアップロード」に統一されることが多く、売掛先への請求書・本人確認書類・通帳コピー・登記簿謄本(法人)などのデータをあらかじめ用意しておくことが推奨されています。

 

スキーム 特徴的な提出資料
2社間 決算書・試算表、入出金明細、請求書、見積書・契約書など取引の内容が分かる資料
3社間 上記に加え、債権譲渡通知書、売掛先の承諾書、場合によっては売掛先側の社判押印書類など
オンライン完結型 請求書データ、本人確認書類、通帳コピー、登記簿謄本(法人)などを画像・PDFで提出

 

このように、「2社間か3社間か」「対面型かオンライン型か」によって、必要となる書類とフォーマットが変わります。以下では、スキーム別に押さえておきたい提出物の具体例と準備ポイントを整理します。

 

2社間ファクタリングの提出物

2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社の2者間で契約を行い、売掛先には原則としてファクタリング利用を通知しません。

そのため、ファクタリング会社は「利用者の事業実態」と「取引・売掛金の実在性」を、提出書類からより丁寧に確認する必要があります。

 

クラウドファクタリング事業者の解説でも、2社間ファクタリングで必要になる書類として、決算書一式、事業で利用している銀行口座の入出金明細、直近の残高試算表、請求書・見積書・契約書など取引内容が分かるものが挙げられています。

典型的には、次のような書類セットを求められるケースが多くなります。

 

  • 決算書一式(2〜3期分)+直近の試算表
  • 事業用銀行口座の入出金明細(直近数か月分)
  • 売却予定の請求書(売掛先名・金額・支払期日が分かるもの)
  • 取引基本契約書・個別契約書、見積書、発注書、納品書・検収書などの成因資料
  • 商業登記簿謄本や代表者の本人確認書類 など

 

2社間ファクタリング提出物の準備ポイント
  • 請求書だけでなく、「見積→発注→納品→検収→請求」の流れが分かる資料を案件ごとに揃えること
  • 入出金明細で、売掛先からの入金と請求書の金額・期日が対応しているかを説明できるよう整理すること
  • 決算書が古い場合は、最新の試算表や資金繰り表も合わせて提出し、直近の状況を補足すること

 

2社間ファクタリングは、売掛先に知られにくい一方、ファクタリング会社側の回収リスクが高いため、書類を通じた与信判断が重要になります。

必要書類を事前に揃え、案件ごとに成因資料をセット化しておくことで、審査のやり取りを減らし、入金までの時間を短縮しやすくなります。

 

3社間ファクタリングの通知関係

3社間ファクタリングでは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者が関与し、売掛先に対して債権譲渡通知を行ったうえで、売掛金をファクタリング会社へ直接支払ってもらうスキームが一般的です。

金融庁や大手事業者の説明でも、二者間・三者間ファクタリングはいずれも「売掛債権を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス」である一方、三者間では売掛先への通知が前提であることが示されています。

 

そのため、3社間ファクタリングでは、2社間で必要な書類に加えて「通知・承諾」に関する資料が求められます。

診療・介護・調剤報酬ファクタリングの例では、審査支払機関に対して内容証明郵便で債権譲渡通知を送付することが案内されており、通知書の書式や送付後の手続きがFAQに明記されています。

代表的な追加書類・手続きは次のとおりです。

 

  • 債権譲渡通知書(売掛先宛):売掛債権をファクタリング会社に譲渡したことを知らせる書類
  • 売掛先の承諾書または同意欄付き通知:売掛先側が支払先変更を承諾したことを示す書類
  • 売掛先の企業情報資料:商号・所在地・担当部署・支払窓口などの一覧
  • 場合により、売掛先との三者間契約書や覚書

 

3社間ファクタリングの通知関連で注意したい点
  • 売掛先への通知タイミングと支払サイトを確認し、通知が支払期日に間に合うようスケジュールを組むこと
  • 売掛先の窓口(経理部門など)と事前にコミュニケーションを取り、支払先変更の社内承認フローを把握すること
  • 通知書の宛名・住所・金額・債権の特定内容に誤りがないか、送付前に複数人でチェックすること

 

3社間ファクタリングは、売掛先からファクタリング会社へ直接入金される分、回収リスクが低く手数料も抑えやすい反面、「通知・承諾」という追加ステップが必要になります。

通知書や承諾書といった書類をきちんと整備し、売掛先の理解と協力を得ることが、3社間スキームを安定的に利用する前提条件となります。

 

オンライン完結サービスのデータ

オンライン完結型ファクタリングでは、従来の対面型と比べて、必要書類の「中身」よりも「形式(データ化)」がポイントになります。

オンラインファクタリング事業者の解説によると、必要書類として求められるのは、売掛先企業への請求書、本人確認書類、振込先の通帳コピー、登記簿謄本(法人の場合)などであり、これらをWeb上の専用フォームからアップロードして申し込む流れが一般的です。

 

オンラインサービスの多くは、申込→見積提示→本申込→契約→入金というフローを、チャットやメール、Web画面上の操作だけで完結できるように設計されています。

そのため、紙の書類しかない場合でも、スキャンやスマートフォンでの撮影により、文字が判読できるレベルの画像データを事前に用意しておくことが重要です。

加えて、会計ソフトや請求書発行システム、銀行APIなどと連携し、売掛情報や入出金履歴を自動取得するタイプのサービスもあり、その場合はログイン情報や連携設定が「提出資料」の代わりになります。

 

  • PDF・画像で提出する書類:請求書、本人確認書類、通帳コピー、登記簿謄本など
  • システム連携データ:クラウド会計・請求書サービス・銀行APIと連携して取得する売上・入金情報
  • オンライン画面で入力する情報:売掛先の企業名・連絡先・支払サイト・取引金額など

 

オンライン完結サービス利用時の事前準備
  • 請求書・登記簿・通帳などの主要書類を、スキャンまたはスマホ撮影でPDF/画像化しておくこと
  • クラウド会計・請求書システムを利用している場合は、連携可能なサービスかどうかを事前に確認すること
  • 社内でよく使う端末から必要なデータにアクセスできるよう、フォルダ構成や権限を整理しておくこと

 

このように、オンライン完結サービスでは、「何を出すか」に加えて「どう出すか」が重要になります。

必要書類を早めにデータ化し、会計・請求・銀行の各システムと連携できる体制を整えることで、申込から入金までのスピードを最大限に引き出すことが可能になります。

 

資金難企業の書類準備ポイント

資金難の企業がファクタリングを利用する場面では、「1日でも早く資金化したい」という事情がある一方で、必要書類が揃っておらず審査に入れない、追加資料のやり取りで数日ロスする、といった事態が起こりがちです。

実際、クラウドファクタリング各社は「必要書類がすべて不備なく揃ってから審査開始」「直近◯か月分の入出金明細」など、書類の完備を審査スタートの条件として明示しています。

 

そのため、資金難局面でこそ重要になるのが、ファクタリング申込前の「書類棚卸し」です。

具体的には、①直近決算書と最新試算表、②事業用口座の入出金明細、③売却予定の請求書と成因資料(契約書・発注書・納品書等)、④商業登記簿謄本や本人確認書類、といった基本セットを事前に一式揃え、PDF/画像データも同時に準備しておきます。

申込先が変わっても必要な書類の骨格は共通しているため、ひとたび「資金調達用ファイル」を整えておけば、複数社の見積もりや再申込にも使い回すことができます。

 

準備する観点 主な内容
基本書類 決算書・試算表、登記簿謄本、本人確認書類、入出金明細
債権関連 売却予定の請求書、取引基本契約書、発注書・納品書・検収書など成因資料
データ化 PDF・画像化して、オンライン完結型サービスでもすぐにアップロードできる状態にしておく

 

このように、「どの書類が足りていて、どの書類が不足しているか」を早めに把握しておくことが、資金難局面でのファクタリング活用をスムーズにする鍵になります。

 

不足しがちな書類と取得手順

資金難の企業で不足しがちな書類は、大きく分けて「公的証明系」と「最新情報系」の二つです。公的証明系には、商業登記簿謄本(登記事項証明書)、印鑑証明書、納税証明書などが含まれ、いずれも取得に数日を要することがあります。

最新情報系には、最新の試算表や資金繰り表、直近数か月の入出金明細などが含まれ、日常的に更新していない企業では準備に時間がかかります。

 

商業登記簿謄本と印鑑証明書は、法務局の窓口またはオンライン申請システムで取得できます。オンラインの場合、事前に利用者登録や手数料の支払い方法を設定しておく必要がありますが、郵送受け取りも選べるため、時間に余裕があるときに取得しておくと安心です。

納税証明書は所轄税務署で発行され、用途に応じて「その1〜その3」など種類が分かれますので、事前に税理士や担当者と「どの税目・どの期間の証明が必要か」を確認しておくとスムーズです。

銀行口座の入出金明細は、インターネットバンキングからCSVやPDF形式でダウンロードできる場合が多く、オンライン完結型ファクタリングでもそのまま提出できるケースが一般的です。

 

  • 公的証明系:商業登記簿謄本、印鑑証明書、納税証明書など
  • 最新情報系:最新の試算表・資金繰り表、直近の入出金明細
  • 取引資料系:取引基本契約書、成因資料が揃っていない案件の補完資料

 

不足しがちな書類の取得ステップ
  • 法務局で登記事項証明書と印鑑証明書を取得(オンライン申請も活用)
  • 税務署で必要な種類の納税証明書を確認のうえ発行してもらう
  • 会計ソフトから最新の試算表を出力し、銀行のWeb明細をPDF/CSVで保存する
  • 取引先ごとに契約書・発注書・納品書・請求書をフォルダ分けして成因資料を整理する

 

このように、取得に時間がかかる書類から優先して準備することで、「審査に入れない期間」を短縮できます。

特に資金難の局面では、申込みの直前ではなく、早い段階から公的証明系の書類を揃えておくことが重要です。

 

書類不備で審査が遅れる事例

ファクタリング各社は、「必要書類が全て不備なく揃ってから審査を開始する」と明記していることが多く、書類不備はそのまま審査開始の遅れにつながります。 典型的な遅延パターンとしては、以下のようなものがあります。

 

  • 決算書の一部(勘定科目明細・付属明細)が欠けており、追加提出を求められる
  • 入出金明細が一部口座分しかなく、決算書に記載された他の口座の明細が不足している
  • 請求書と契約書・発注書の取引条件が一致しておらず、成因資料の差し替えが必要になる
  • 登記事項証明書や本人確認書類の住所・商号が最新のものと異なる
  • PDFや画像の解像度が低く、文字が判読できないため再アップロードが必要になる

 

書類不備による遅延を防ぐチェックポイント
  • 「必要書類一覧」を自社用に写し取り、チェックボックス形式で一つずつ確認する
  • 決算書は貸借対照表・損益計算書だけでなく、勘定科目明細や注記も含めてセットで用意する
  • 決算書に記載されている全銀行口座の入出金明細を、直近◯か月分まとめて準備する
  • 請求書・契約書・発注書の名義や金額・日付が一貫しているかを社内でダブルチェックする
  • スキャン・撮影した書類は、画面上で拡大表示しても文字が読めるかを確認する

 

資金難の企業ほど「とりあえず申込を急ぐ」傾向がありますが、書類不備が多いと結果的に審査開始までの時間が延び、資金化が遅れてしまいます。

申込前に一度社内で「模擬審査」を行うつもりで書類一式を点検することが、実務的には大きな時短につながります。

 

必要書類が少ないサービス選定軸

「そもそも細かい書類を揃える余裕がない」という資金難の企業にとっては、必要書類の少なさもサービス選定の重要な軸になります。

クラウドファクタリングの一部では、「昨年度の決算書一式」「直近数か月分の入出金明細」「売却予定の請求書」といった3〜4点を基本セットとし、対面面談や大量の紙書類を求めないことを特徴として打ち出しています。

 

もっとも、「必要書類が少ない=審査が甘い」とは限らず、会計ソフトや銀行APIとの連携によってデータを取得しているケースもあります。

また、医療・介護報酬などの専門ファクタリングでは、診療報酬明細書や給付管理票など、業界特有の帳票が必須となる一方、一般の決算書や契約書の要求が簡素化されることもあります。

重要なのは、「自社がすでに持っている書類」「すぐに取得できる書類」と照らし合わせて、準備負担の少ないサービスを選ぶことです。

 

  • オンライン完結型:決算書・入出金明細・請求書の3点をベースに、Webアップロードで完了するタイプ
  • 専門特化型:医療・介護・建設など、自社業種の標準帳票を前提とするタイプ
  • 少額・小口特化型:数十万円規模でも利用でき、求められる書類も必要最低限のタイプ

 

必要書類負担を抑えるサービス選定のポイント
  • 各社の「必要書類」ページを比較し、自社にとって追加取得が少ないサービスを優先する
  • 会計ソフト・請求書システム・銀行明細との連携があるサービスを選び、既存データをそのまま活用する
  • 手数料だけでなく「準備にかかる社内工数」も含めて総コストとして比較する

 

このように、資金難企業のサービス選びでは、「いち早く審査に入れるか」「追加資料のために担当者の工数がどれだけ取られるか」という観点も重要です。

自社の書類整備状況とサービスの必要書類要件を照らし合わせ、準備負担と資金繰りの緊急度のバランスが取れる選択肢を検討することが求められます。

 

まとめ

ファクタリングの必要書類は、共通して求められる基本書類に加え、法人か個人事業主か、2社間か3社間かといったスキームによって細かく変わります。

事前に「必須書類」「状況に応じて追加される書類」を切り分け、登記簿・決算書・請求書・成因資料・通帳コピーなどを漏れなく準備することで、審査のやり直しや入金遅延のリスクを抑えられます。

本文のチェックリストを自社用に転記し、自社の区分(法人/個人・利用スキーム)に沿って一つずつ埋めていくことが、スムーズなファクタリング利用への近道です。