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ファクタリング割引の仕組みを基礎から解説!割引率の意味・相場・計算方法

ファクタリングの「割引」とは、請求書額面から手数料などを差し引いて資金化する仕組みですが、割引率・買取率・掛目の違いが分かりにくく、実質コストも見えづらくなりがちです。本記事では、ファクタリング割引の基本概念から、2社間・3社間ごとの割引率相場、計算式と具体例、銀行金利との違い、手形割引との比較までを体系的に整理します。数字が苦手な方でも、割引率を正しく理解し、自社にとって無理のない条件を見極めるための判断基準を身につけられる構成です。

 

ファクタリング割引の基本

ファクタリングでいう「割引」「割引料」は、売掛金を早期に現金化する代わりに差し引かれるコスト全体を指します。

実務上は「ファクタリング手数料」とほぼ同じ意味で使われ、売掛金額に対する割合(割引率)で表現されるのが一般的です。

 

割引料は、売掛先の信用力、取引金額、支払期日までの日数、2社間か3社間かといった要素で決まり、法律で上限が定められている利息(融資の金利)とは扱いが異なります。

割引料自体に一律の上限はなく、利用者・売掛先の信用力や回収リスクに応じて、各社が個別に料率を設定しているのが実情です。

 

会計上は、売掛金を額面より低い金額で売却することで発生した差額を「売上債権売却損」や「支払手数料」として費用計上する例が多く、割引料は「売掛金を譲渡することで発生したコスト」という位置付けになります。

つまり、割引料は単なる手数料ではなく、「売掛債権を早期に現金化するために受け入れる値引き」と理解するとイメージしやすくなります。

 

項目 ファクタリング割引の位置づけ
割引・割引料 売掛金を期日前に現金化する代わりに差し引かれるコスト(手数料)
割引率 売掛金額に対する割引料の割合(%)。2社間と3社間で相場が異なる。
会計処理 「売上債権売却損」または「支払手数料」として費用計上するケースが多い

 

このように、「ファクタリング割引の基本」を押さえるうえでは、割引=利息ではなく、「売掛金を早く現金に変えるための値引き」であること、そして割引率だけでなく、買取率(掛目)や諸費用も含めた総コストで判断する必要があることが重要なポイントになります。

 

ファクタリングにおける割引・割引料とは

ファクタリングにおける「割引」「割引料」とは、売掛金をファクタリング会社に売却する際に支払う手数料のことで、売掛金額×割引率(%)で算出されるのが一般的です。

割引料は、売掛金の回収リスク(売掛先が支払わない可能性)や回収・管理にかかるコスト、利用者の信用力などを織り込んで設定されます。

 

最近の解説では、「ファクタリングの割引料はファクタリング会社に支払う手数料であり、売掛先や利用者の信用力、回収までの日数で決まる」とされています。

具体的には、請求書額100万円の売掛金をファクタリング会社に売却し、割引率5%で契約した場合、割引料は100万円×5%=5万円となります。

 

利用者の口座に入金されるのは、買取率(掛目)に応じた金額から、この割引料や諸費用を差し引いた金額です。

会計処理の面では、この5万円を「売上債権売却損」や「支払手数料」として費用計上する方法が一般的とされています。

 

割引料には、融資の金利のような法定上限はありませんが、金融庁や業界団体は、高すぎる割引率や実質的に貸付と同様の機能を持つスキームについて注意喚起を行っています。

そのため、利用者側としては「割引率がいくらか」だけでなく、「その値引きに見合う資金繰りメリットがあるか」「他の資金調達手段と比べて妥当か」を客観的に判断することが重要になります。

 

ファクタリング割引・割引料を理解するポイント
  • 割引料=売掛金を早期資金化するために支払う手数料(値引き)
  • 売掛金額×割引率(%)で計算し、売掛先・利用者の信用力や回収期間で変動する
  • 会計上は「売上債権売却損」や「支払手数料」として費用計上するケースが多い
  • 法定上限はないため、割引率が高すぎないか・総コストが妥当かを利用者側で確認する必要がある

 

このように、割引料は「いくら引かれるのか」を決める核心部分であり、ファクタリングを検討する際には、他の費用(債権譲渡登記費用・印紙税など)と合わせて、総コストの中で位置づけて理解することが重要です。

 

割引率と買取率・掛目の違い

割引率と買取率(掛目)は、似た言葉ですが役割が異なります。割引率(割引料率)は「売掛金額に対してどれだけ手数料・値引きがかかるか」を示す割合であり、買取率(掛目)は「請求書額面のうちどれだけ前払い(資金化)されるか」を示す割合です。

例として、請求書額100万円、買取率90%、割引率5%、諸費用なしという前提で考えてみます。

 

  • 割引率5% → 割引料(手数料):100万円×5%=5万円
  • 買取率90% → 買取額の基準:100万円×90%=90万円
  • 利用者の受取額:90万円(買取額)−5万円(割引料)=85万円

 

この場合、「割引率5%」は割引料5万円、「買取率90%」は前払い基準90万円を意味し、最終的に手元に入るのは請求書額100万円に対して85万円(実質85%)となります。

 

用語 意味
割引率(割引料率) 売掛金額に対する手数料・値引きの割合(%)。例:5%なら100万円に対し5万円の割引料。
買取率(掛目) 請求書額面に対して前払いされる割合(%)。例:90%なら100万円に対し90万円を先に受け取る基準。
実質受取割合 請求書額面に対する実際の手取り割合。買取率から割引料・諸費用を差し引いた結果。

 

割引率と買取率は、相場としても別々に語られます。直近の解説では、2社間ファクタリングの割引率(手数料)は10〜20%程度、3社間では2〜9%程度が一般的とされており、 買取率は売掛先の信用力などに応じて80〜95%程度のレンジで設定されることが多いと説明されています。

 

割引率と買取率を見分けるときのポイント
  • 割引率=「いくら引かれるか」の割合、買取率=「いくら先に受け取れるか」の割合
  • 同じ割引率でも、買取率や諸費用によって最終的な手取り額は変わる
  • 見積りでは、割引率と買取率をセットで確認し、「請求書額100万円のとき手取りはいくらか」で比較する

 

このように、割引率だけを見て「安い・高い」と判断すると、買取率が低くて手取りが少ないケースや、諸費用込みの総コストが高いケースを見落とすおそれがあります。

必ず「割引率」「買取率」「諸費用」をセットで確認し、具体的な金額ベースで評価することが重要です。

 

ファクタリング割引のメリット・デメリット

ファクタリング割引を利用する最大のメリットは、売掛金の支払期日を待たずに資金を得られることです。

中小企業向けの解説では、ファクタリングは「売掛金を早期に現金化する資金調達手段」であり、銀行融資が難しい場合や、決算書の内容に課題がある企業でも活用しやすい選択肢と説明されています。

 

支払期日まで60日ある売掛金を、割引を受けて即日〜数日で資金化できれば、仕入や人件費、税金などの支払いに間に合わせることが可能になり、資金ショートの回避に役立ちます。

一方のデメリットは、コストの高さです。2社間ファクタリングの手数料(割引率)は10〜20%、3社間でも2〜9%程度が相場とされており、 これを年率換算すると、銀行融資やビジネスローンより高くなるケースが多いと指摘されています。

 

また、割引率が高すぎる契約や、実質的に貸付に近い偽装ファクタリングについては、金融庁・日本貸金業協会などが利用者保護の観点から注意喚起を行っています。

その他のデメリットとして、3社間ファクタリングでは売掛先にファクタリング利用が知られること、売掛先の承諾取得に時間がかかることなども挙げられます。

2社間ファクタリングは売掛先への通知不要でスピードが出やすい反面、手数料が高めになる傾向があるため、「秘匿性・スピード」と「コスト」のトレードオフを意識したスキーム選択が必要です。

 

ファクタリング割引の主なメリット・デメリット
  • メリット:売掛金を早期に現金化でき、資金ショートや機会損失を防ぎやすい
  • メリット:担保や保証人が不要なサービスも多く、銀行融資が難しい企業でも利用しやすい
  • デメリット:割引率(手数料率)が高く、年率換算すると他の資金調達手段より高コストになりやすい
  • デメリット:3社間では売掛先に利用が知られる、2社間では偽装ファクタリングに注意が必要

 

このように、ファクタリング割引は「高コストだがスピードと柔軟性に優れる」手段です。

利用の是非を判断する際は、銀行融資やビジネスローン、手形割引など他の調達方法と比較し、「どの場面でファクタリングを使うか」「売掛金全体のうちどの範囲まで割引を受けるか」を事前に決めておくことが、資金繰り悪化を防ぐうえで重要になります。

 

ファクタリング割引率の相場と決まり方

ファクタリングの割引率(=手数料率)は、「2社間か3社間か」「売掛先の信用力」「売掛金の額や回収までの期間」など、複数の要因で決まります。

国内の解説では、ファクタリング手数料の相場として、2社間でおおむね8〜18%、3社間で2〜9%程度というレンジが示されており、 さらに最近の比較記事では「2社間10〜30%、3社間1〜9%が一般的」とする見解もあります。

 

一方、弥生などの解説では、2社間が約0.5〜20%、3社間が約1〜9%とされており、相場には幅があることが分かります。

ファクタリングでいう「割引率」は、売掛金の額面に対する手数料の割合です。割引率が高いほど利用者の手元に残る金額は小さくなり、実質的な資金調達コストが増えます。

 

金融庁は、高額な手数料・大幅な割引率によるファクタリング契約は資金繰りを悪化させ、多重債務につながる危険性があるとして、事業者に注意を呼びかけています。

割引率の相場と決まり方を理解するには、①2社間・3社間ごとの目安、②売掛先の信用力・期間等の影響、③銀行金利との構造的な違い、という三つの観点で整理すると分かりやすくなります。

 

観点 確認したいポイント
2社間・3社間 どのスキームかによって相場レンジが大きく異なる(2社間の方が高い)
信用力・期間 売掛先・利用者の信用力、回収期間、取引額などで割引率は上下する
他手段との比較 銀行融資の金利と比べたときの実質年率の違いを把握する

 

以下で、それぞれのポイントを詳しく見ていきます。

 

2社間・3社間別の割引率相場の目安

2社間ファクタリングは、「利用者」と「ファクタリング会社」の2者間で完結し、売掛先に債権譲渡を通知しない形態が一般的です。

3社間は「利用者」「ファクタリング会社」「売掛先」の3者が関与し、売掛先がファクタリング会社に直接支払う形態です。このリスク構造の違いが、割引率(手数料率)の相場にも反映されています。

 

中小企業支援サイトや金融機関系の解説では、ファクタリング手数料の相場として「2社間:8〜18%、3社間:2〜9%」という目安が示されており、 IT系比較サイトでは「2社間:10〜30%、3社間:1〜9%が一般的」とする情報も見られます。

弥生の解説では、2社間が約0.5〜20%、3社間が約1〜9%というレンジが挙げられており、 記事ごとに幅は異なるものの、「2社間>3社間」という関係は共通しています。

 

これは、3社間では売掛先がファクタリング会社に直接支払うため、ファクタリング会社の回収リスクが低く、その分割引率を抑えやすいからです。

2社間では、売掛先からの入金を一旦利用者が受け取り、そこからファクタリング会社に支払う構造のため、回収リスクが高くなり、手数料率も高めに設定される傾向があります。

 

2社間・3社間の割引率相場イメージ
  • 2社間:おおむね8〜20%台が多く、情報によっては10〜30%とされることもある
  • 3社間:おおむね2〜9%程度が目安で、2社間より低いレンジに収まりやすい
  • 同じ会社でも、売掛先や取引条件によって料率が変わるため、あくまで「目安」として捉える

 

このように、割引率を比較する際には、「2社間でこの水準は高いか低いか」「3社間でこの料率は妥当か」といった形で、スキームごとの相場レンジを踏まえて判断することが重要です。

 

売掛先信用力・期間など割引率を左右する要因

割引率を決める最大の要因は、売掛先の信用力と売掛金の回収までの期間です。

割引率の解説記事では、割引率を左右する要因として「売掛先の信用力」「売掛金の額」「支払期日までの日数」「利用者の信用力」「契約方式(2社間・3社間)」「割引方式(まとめて一括か、請求書ごとか)」などが挙げられています。

 

売掛先の信用力については、信用情報機関の情報、財務状況、業績の安定性、企業規模、創業年数などを総合的に評価し、「未回収になる確率」を見積もります。

信用力が高い大企業・官公庁などが売掛先であれば、回収リスクが低いと判断され、割引率が下がる傾向があります。

 

支払期日までの期間(サイト)も重要です。売掛金の回収までの期間が長いほど、ファクタリング会社は資金を長期間拘束することになり、景気変動や売掛先の業績悪化などのリスクにさらされる時間も長くなります。

そのため、支払サイトが60日より90日、90日より120日と長くなるほど、割引率は上がりやすくなります。

 

売掛金額や取引規模も影響します。一般的には、取引額が大きく、継続的な利用実績がある顧客には、ボリュームディスカウントとして割引率を下げる余地が生まれやすいとされています。

逆に、少額案件を単発で利用する場合は、事務コストに比して手数料収入が少ないため、割引率が高めに設定されることがあります。

 

  • 売掛先の信用力:財務状況・業績・企業規模など。高いほど割引率は低くなりやすい。
  • 支払期日までの日数:期間が長いほどリスク・資金拘束コストが増え、割引率は高くなりやすい。
  • 売掛金額・取引規模:大口・継続利用ほどディスカウント余地が生まれやすい。
  • 契約方式:2社間か3社間か、リコース(償還請求権)の有無など。
  • 利用者の信用力:決算内容や債務状況なども総合的に考慮される。

 

割引率を左右する要因を整理する視点
  • 「誰から(売掛先)どのくらいの期間で回収する債権か」が最重要
  • 取引額・利用頻度が増えるほど、交渉による割引率の改善余地が出やすい
  • 2社間・3社間、リコースの有無などスキームによって、リスクの所在と割引率の水準が変わる

 

このように、割引率は単なる会社ごとの「さじ加減」ではなく、売掛先・期間・取引規模・スキームといった要因の組み合わせで決まります。

見積りを依頼する際は、「自社と売掛先の条件のどこが割引率に効いているのか」を担当者に確認しておくと、交渉や他社比較の際の参考になります。

 

ファクタリング割引率と銀行金利の違い

ファクタリングの割引率と銀行融資の金利は、どちらも「資金調達コスト」である点では共通していますが、計算方法と法的な位置づけが異なります。

銀行融資の金利は、貸金業法や利息制限法などで上限が定められた「利息」であり、年率◯%という形で表示されます。

 

一方、ファクタリングは売掛債権の売買(債権譲渡)であるため、割引率(手数料率)には法律上の明確な上限はありません。

手形割引では、「額面×割引率×日数÷365」という計算式で割引料が算出され、期間に応じて実質的な利率が決まりますが、ファクタリングでは「売掛金額×割引率」という単純な計算式が用いられるのが一般的です。

 

そのため、同じ割引率でも、期間の概念が明示されないまま契約すると、年率換算で非常に高いコストとなる場合があります。

具体的な比較例として、「100万円を1か月調達した場合のコスト比較」が示されている解説では、ファクタリング割引率10%で100万円を1か月前倒しした場合の手数料10万円は、年利換算で約120%に相当し、同じ100万円を年利15%のビジネスローンで1か月借りた場合の利息約1万2,500円と比べて、圧倒的に高コストであるとされています。

 

割引率と金利を比較するときのポイント
  • 銀行金利は「年率◯%」で、期間に比例して利息が増える仕組み
  • ファクタリング割引率は「売掛金額×割引率」で、期間を考慮しないため、短期でも年率換算すると非常に高くなり得る
  • 実質コストを比較するには、「手数料 ÷ 受取額 ÷ (前倒し日数/365)」で概算年率を計算するのが有効

 

金融庁が「高額な手数料・大幅な割引率のファクタリングに注意」と呼びかけている背景には、こうした実質年率の高さがあります。

ファクタリングは、担保不要・審査が比較的柔軟・スピードが速いといったメリットがある一方で、コスト面では銀行融資より不利になりやすい手段です。

割引率を見たときには、「この条件で前倒しするのは本当に妥当か」「他の調達手段と比べて過度に高くないか」を、年率換算も含めて検討することが重要です。

 

ファクタリング割引の計算方法と具体例

ファクタリングの割引額や入金額は、本質的にはシンプルな式で求められますが、「割引率」「買取率(掛目)」「事務手数料」など用語が多いため、全体像が分かりにくくなりがちです。

ここでは、まず売掛金額から割引後の入金額を求める基本式を整理し、そのうえで諸費用も含めた実質コストの考え方、見積もり比較で割引率を下げるためのポイントという流れで解説します。

 

記号 意味
S 売掛金額(請求書額面、例:100万円)
a 買取率(掛目、%)…Sのうち何%を前払いするか
r 割引率(手数料率、%)…Sに対する割引料の割合
F 固定費(事務手数料・送金手数料などの合計額)

 

この記号を使うと、利用者(売掛金の保有者)が最終的に受け取る金額(手取り額)は、おおまかに
「手取り額=S×a − S×r − F」
と表現できます(実際の契約では、割引料を買取額に対して掛けるケースなどもありますが、ここでは分かりやすさを優先しています)。

以降の各見出しで、具体的な数字を使って計算のイメージを示していきます。

 

売掛金額から割引後入金額を求める計算式

まずは、売掛金額から割引後の入金額(利用者の手取り)を求める基本の計算式です。

前提として、利用者が取引先に対して100万円の売掛金(請求書額面100万円)を持っており、それをファクタリング会社に譲渡して資金化するケースを考えます。

前提条件の例:

 

  • 売掛金額(S):100万円
  • 買取率(a):90%(掛目90%)
  • 割引率(r):5%(売掛金に対する手数料率)
  • 固定費(F):事務手数料1万円

 

このとき、各金額は次のように計算できます。

 

  • 買取額(基準となる前払金)=S×a=100万円×90%=90万円
  • 割引料(手数料)=S×r=100万円×5%=5万円
  • 固定費=事務手数料1万円
  • 手取り額=90万円 −5万円 −1万円=84万円

 

この例では、請求書額100万円に対して、実際に手元に入るのは84万円であり、差額16万円が割引料(5万円)と固定費(1万円)、および買取額と請求書額の差(10万円)に相当します。

 

項目 計算例(売掛金100万円)
買取率90% 買取額:100万円×90%=90万円
割引率5% 割引料:100万円×5%=5万円
固定費 事務手数料1万円
手取り額 90万円 −5万円 −1万円=84万円(実質84%)

 

基本計算で押さえたいポイント
  • 手取り額は「買取額」から「割引料」と「固定費」を引いた金額になる
  • 同じ割引率でも、買取率や固定費の違いで手取りは大きく変わる
  • 見積もりでは「売掛金S=◯万円のとき、手取りはいくらか」を必ず確認する

 

この基本式を頭に入れておくと、各社の見積もり条件(買取率・割引率・固定費)を具体的な金額に落とし込みやすくなります。

 

割引率・掛目・諸費用を含めた実質コスト試算

次に、割引率・買取率(掛目)・諸費用を含めて「実質コスト」を試算する考え方です。実質コストとは、「どれだけの資金を受け取るために、どれだけのコスト(割引料+諸費用)を支払っているか」を割合で表したものです。

さらに、資金を前倒しする日数を使って年率換算すると、銀行融資など他の調達手段との比較がしやすくなります。

 

先ほどの例を使い、支払期日まで60日ある売掛金をファクタリングで前倒ししたと仮定します。

前提条件(再掲+期間):

 

  • 売掛金額(S):100万円
  • 買取率(a):90% → 買取額90万円
  • 割引率(r):5% → 割引料5万円
  • 固定費(F):事務手数料1万円
  • 前倒し日数:60日(請求書発行から入金までの期間)

 

このとき、

 

  • 総コスト=割引料+固定費=5万円+1万円=6万円
  • 受取額(手取り)=84万円
  • 実質コスト(割合)=総コスト÷受取額=6万円÷84万円≒7.14%

 

これを年率ベースに換算すると、

 

  • 概算年率≒実質コスト×(365日÷60日)≒7.14%×約6.08≒43%前後

 

あくまで概算ですが、「100万円の売掛金を60日早く現金化するために、受取額84万円に対して6万円(約7.1%)を支払い、それを年率換算すると40%台相当」というイメージになります。

 

  • 【実質コスト(%)】=(割引料+諸費用)÷受取額×100
  • 【概算年率(%)】=実質コスト(%)×(365÷前倒し日数)

 

実質コスト試算で注意したい点
  • 割引率だけでなく、買取率と固定費を含めた「総コスト」を見る
  • 短期間の資金化でも、年率換算すると銀行金利より大幅に高くなる場合がある
  • 自社の粗利率と照らし合わせ、「粗利を超えるコスト」になっていないかを確認する

 

このように、実質コストを数字で把握しておくと、「見た目の割引率は低いが、総コストとしては高い」「期間の割に負担が大きい」といったケースを見抜きやすくなります。

 

割引率を下げるための見積もり比較のポイント

割引率を少しでも下げるには、「1社の提示をそのまま受け入れる」のではなく、複数社の見積もりを同じ条件で比較し、交渉材料として整理することが有効です。

その際、「割引率」だけでなく、「買取率」「諸費用」「前倒し日数」をそろえたうえで、「手取り額」と「実質コスト」を比べることが大切です。

見積もり比較で押さえたいポイントとして、次のようなものがあります。

 

  • 同じ売掛金(同じ売掛先・同じ請求書額)の条件で各社に見積もりを依頼する
  • 各社について「買取率(%)」「割引率(%)」「固定費(円)」を必ず聞き取る
  • 請求書額100万円を前提とした場合の「手取り額」「総コスト」「概算年率」を自社で計算する
  • 買取率が低すぎないか(例:割引率は低いが、掛目が低くて手取りが少ないケース)を確認する

 

見積もり比較で割引率を下げるための実務ポイント
  • 最低でも2〜3社から見積もりを取り、条件表(買取率・割引率・固定費・手取り)を作る
  • 売掛先の信用力や利用額・利用頻度を説明し、「条件改善余地」があるか相談する
  • 2社間・3社間の両方で見積もりを取り、「秘匿性」と「コスト」のバランスを検討する
  • 割引率だけで選ばず、総コストと自社の粗利・資金繰り計画との整合性を見る

 

こうした比較と交渉を通じて、「自社の条件に対して妥当な割引率かどうか」「ほかにより良い条件がないか」を客観的に判断しやすくなります。

結果として、必要以上に高いコストを払わずに、ファクタリング割引を資金繰り改善のための現実的な手段として活用しやすくなります。

 

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリングと手形割引はいずれも「将来入金されるはずのお金を前倒しで現金化する」という目的は同じですが、現金化の対象や法的性質、償還リスク(誰が最終的な貸倒れリスクを負うか)、費用の考え方が異なります。

ファクタリングは売掛債権(請求書ベースの債権)を譲渡する取引であり、2社間・3社間、リコース(償還請求権)の有無など契約のバリエーションが広いのが特徴です。

 

一方、手形割引は約束手形・為替手形など「手形」を銀行等に持ち込み、満期前に割引料(利息相当)を差し引いて現金化する取引で、割引料は「支払期日までの期間に対する利息+振出人の信用リスクコスト」として位置付けられています。

中小企業施策の資料では、約束手形について「サイト(支払期日)が長いと受取側の資金繰り負担が大きく、手形割引料も受取側が負担している構造」が課題として指摘されており、手形サイトの短縮や現金払いへの転換が進められています。

一方で売掛債権ファイナンス(ファクタリングや電子記録債権の割引)は、手形に依存しない形でサプライチェーン全体の資金繰りを改善する手段として位置づけられています。

 

項目 ファクタリングと手形割引の違い(概要)
対象 ファクタリング:売掛債権(請求書)/手形割引:約束手形・為替手形
法的性質 ファクタリング:債権譲渡契約(売買)/手形割引:手形の譲渡+融資(割引料は利息性あり)
償還リスク ファクタリング:ノンリコース型ではファクタリング会社が負担/手形割引:銀行は手形不渡り時に振出人等へ償還請求
費用の性格 ファクタリング:売掛債権売却損・手数料/手形割引:利息+信用リスクコストとしての割引料

 

この違いを踏まえると、「現金化の対象(請求書か手形か)」「償還リスクの所在」「費用の性格」が、どちらを選ぶべきかを判断する際の重要な観点になります。

 

現金化対象の違いと償還リスク

現金化対象の違いとして、ファクタリングは請求書や売掛金台帳に基づく売掛債権そのものを対象とするのに対し、手形割引は約束手形・為替手形という「有価証券」を対象にします。

売掛債権は契約書・請求書・納品書等の組み合わせで存在を証明しますが、手形は手形法上の厳格な要件を満たした「支払約束の証券」であり、振出人・裏書人・引受人などが記載され、遡及義務(償還義務)が伴います。

 

償還リスクの面では、手形割引では銀行等が手形の満期前に資金を交付し、満期日に手形の振出人が支払を行いますが、振出人が不渡りとなった場合、銀行は裏書人・振出人等に償還請求(求償)する権利を持ちます。

受取企業は、割引時に現金を受け取っていても、不渡りが発生すれば最終的に支払義務を負う可能性があり、「一時的に現金化しているが、リスクは残っている」構造です。

 

ファクタリングの場合、ノンリコース型(償還請求権なし)では、売掛先が倒産して売掛金が回収不能となっても、原則として利用者(売掛債権を譲渡した企業)は返済義務を負いません。

信用リスクはファクタリング会社が負担し、その分手数料(割引率)が高くなる仕組みです。

一方、リコース型(償還請求権あり)では、売掛先の未払が一定期間続いた場合に利用者が買戻しや補償を行う義務が契約で定められることが一般的です。

 

現金化対象・償還リスクで押さえるべきポイント
  • 手形割引:対象は「手形」。不渡り時には銀行から振出人・裏書人へ償還請求が行われる。
  • ファクタリング:対象は「売掛債権」。ノンリコース型なら売掛先倒産リスクをファクタリング会社に移転できる。
  • 同じ「現金化」でも、最終的な貸倒れリスクを誰が負うかが大きく異なる。

 

この違いを理解しておくと、「リスクをどこまで外出ししたいか」「自社が背負える範囲を超えないか」を判断するうえで役立ちます。

 

手形割引とファクタリングの費用構造

手形割引では、割引料は一般に「手形金額×割引率×期日までの日数÷365」という形で算出されます。

中小企業庁の検討会資料でも、手形の割引料は「支払期日までの期間に対する利息としての性格」と「振出人の信用リスクに対するコストとしての性格」を併せ持つと説明されています。

 

つまり、割引料は「時間」と「信用リスク」の両方を反映した利息+αとして扱われます。

一方、ファクタリングの割引率(手数料率)は、売掛金額に一定の%を掛ける「一括の料率」で表現されることが多く、期間の概念が明示されないケースもありますが、実質的には「売掛先の信用リスク」「回収までの期間」「2社間・3社間」「リコース有無」などを織り込んだディスカウント率と見ることができます。

 

中小企業向け解説では、2社間で10〜20%、3社間で2〜9%程度の手数料レンジが示されており、これを年率換算すると銀行金利より高くなるケースが多いと指摘されています。

費用構造を整理すると、手形割引は「利息+信用リスクコスト=割引料」が銀行収益となり、ファクタリングは「売掛債権売却損+事務手数料」がファクタリング会社の収益となるイメージです。

加えて、ファクタリングでは債権譲渡登記費用や印紙税(個別契約書への課税)など、取引に付随するコストも発生し得ます。

 

項目 手形割引 ファクタリング
計算方法 手形金額×割引率×日数÷365が基本(利息計算に近い) 売掛金額×割引率+諸手数料(期間は明示されない場合も多い)
費用の性格 利息+信用リスクプレミアムとしての割引料 売掛債権売却損・サービス手数料(回収・管理の対価を含む)
付随コスト 取立手数料など 債権譲渡登記費用、印紙税、送金手数料など

 

費用構造で比較するときの注意点
  • 手形割引:割引料は期間比例で増える「利息」に近い性格を持つ。
  • ファクタリング:売掛金一件ごとのディスカウント率+諸費用として整理する。
  • 両者とも、実質年率(総コストを期間で割った負担感)で比較することが重要。

 

この違いを把握しておくと、「手形割引の方が安い場面」「ファクタリングの方が柔軟な場面」を、コストと機能の両面から判断しやすくなります。

 

ケース別にどちらを選ぶかの判断軸

実務で「ファクタリングと手形割引のどちらを使うべきか」を考える際には、少なくとも次の3点を軸に比較することが有効です。

①現金化したい対象(売掛債権か手形か)、②コストと期間、③リスクと信用への影響です。

 

まず、取引先との決済手段として約束手形が中心であり、銀行との取引実績や信用格付けが一定以上ある場合は、手形割引で低い割引率が提示されるケースがあります。

一方、近年は約束手形自体を減らし、電子記録債権や売掛債権ファイナンス(ファクタリング)に移行する流れが中小企業施策の中でも示されているため、そもそも手形を使わない取引ではファクタリングが現実的な選択肢になります。

 

次に、コストと期間です。手形割引は、支払期日までの期間に応じて利息相当の割引料を支払うため、期間が長いほどコストが増えますが、銀行金利に近い水準で提供されることもあります。

ファクタリングは、手形を使わない請求書ベースの取引でも活用でき、スピードや柔軟性に優れますが、実質年率では銀行融資・手形割引より高コストになりやすいとされます。

 

最後に、リスクと信用への影響です。倒産リスクを外出ししたい場合、ノンリコース型ファクタリングは売掛先の信用リスクをファクタリング会社に移転できる一方、費用は高くなります。

手形割引は、不渡り時に償還請求を受ける可能性があるためリスクは残りますが、銀行との取引実績を積み重ねることができ、将来的な融資枠拡大につながる場合もあります。

 

ケース別に見る判断軸の例
  • 手形決済が多く、銀行との関係も強い → コスト重視なら手形割引を優先検討。
  • 請求書決済が中心で、手形を使っていない → 売掛金ファクタリング(電子記録債権含む)が現実的。
  • 売掛先の倒産リスクを外出ししたい → ノンリコース型ファクタリングを含めて検討(費用とのバランス要)。
  • 短期的な資金ショートを埋めつつ、長期的には銀行融資へ切り替えたい → 一時的にファクタリング、並行して融資交渉。

 

このように、「どちらが絶対に有利」というよりも、自社の取引慣行(手形の有無)、資金繰りの状況、銀行との関係性、リスク許容度を踏まえ、「どの局面でどの手段を組み合わせるか」を考えることが重要です。

 

割引率で失敗しないための注意点

ファクタリングの割引率(手数料率)は、2社間・3社間の違いや売掛先の信用力などで変動しますが、相場から大きく外れた高割引・高手数料で契約すると、資金繰りがかえって悪化するおそれがあります。

国内の解説では、2社間ファクタリングの手数料相場としておおむね10〜20%前後、3社間で2〜9%前後といったレンジが例示されており、これを年率換算すると銀行融資より高くなるケースが多いと指摘されています。

 

また、金融庁や日本貸金業協会は、ファクタリングを装いながら実態は高利の貸付となっている「偽装ファクタリング」に関する注意喚起を行っています。

こうしたスキームでは「債権額に比べ著しく低額な買取代金」「売掛債権の回収リスクを買主が負わない」「売主に必ず買い戻しさせる」といった特徴があり、割引率表示も実態を反映していないことがあります。

割引率で失敗しないためには、①相場から見たバランス、②表示のされ方(割引率・買取率・諸費用の内訳)、③契約書でのリスク配分(償還・買戻し義務)、という三つの観点で慎重に確認し、自社で簡易試算したうえで判断することが重要です。

 

観点 注意するポイント
相場との比較 2社間・3社間ごとの一般的なレンジから極端に外れていないか。
表示のされ方 割引率だけでなく、買取率・諸費用を含めた「手取り」が確認できるか。
契約内容 売掛先不払い時の扱い(買戻し・償還義務)や違約金が妥当か。

 

極端な高割引・高手数料への注意ポイント

極端に高い割引率・手数料率でファクタリング契約を結ぶと、短期的には資金が入っても、中長期的には資金繰りを圧迫する原因となります。

国内の解説では、2社間ファクタリングで10〜20%前後、3社間で2〜9%前後が一応の目安とされている一方で、30%を超えるような条件も存在すると指摘されています。

 

こうした水準を売掛サイト30〜60日程度で適用すると、年率換算で数十〜100%を超える負担になるケースがあります。

極端な高割引・高手数料に注意すべき理由は、次のように整理できます。

 

  • 請求書額100万円に対して手取り70万円台になると、売上総利益を大きく削る可能性がある。
  • 短期資金繰りのために高コストのファクタリングを繰り返すと、次第に「ファクタリング前提の資金繰り」から抜け出しにくくなる。
  • 銀行融資や他の資金調達手段を検討する余地を狭め、結果として資金調達コスト全体が高止まりする。

 

高割引・高手数料の危険サイン
  • 2社間で30%前後など、相場レンジから大きく外れる数字を提示される。
  • 「審査が緩い代わりに割引率は高め」といった説明で、根拠のない高水準が正当化されている。
  • 割引率の説明が曖昧で、「トータル◯%台になることが多い」といった表現にとどまる。

 

こうした条件を提示された場合は、すぐに契約せず、他社からの見積もりや銀行・公的機関への相談を行い、より低コストな選択肢がないかを検討することが重要です。

また、自社の粗利率と比較し、「ファクタリングコストが粗利を食いつぶしていないか」を事前に確認する必要があります。

 

偽装ファクタリングと割引率表示の見分け方

偽装ファクタリングは、見かけ上は売掛債権の買取(ファクタリング)としながら、実態は高利の貸付であり、貸金業登録のない違法業者によるヤミ金融となっているケースを指します。

日本貸金業協会などの資料では、偽装ファクタリングの典型例として「債権額に比べ著しく低額の買取代金しか支払われない」「買主は売掛先の支払不能リスクを負わず、売主に必ず買戻しさせる」「手数料を年率換算すると出資法の上限を大きく超える」といった特徴が挙げられています。

割引率表示の面から偽装ファクタリングを見分ける際には、以下の点に注目することが有効です。

 

  • 割引率は低く見せつつ、買取率が極端に低く、実際には手取りが売掛金額の半分近くになる。
  • 割引率の説明が「◯%〜」と下限だけで、実際の契約時には大幅に上乗せされる。
  • 売掛先が支払わなかった場合、理由を問わず売主が全額を買い戻す義務を負う条項が契約書にある。
  • 「審査なし」「100%審査通過」「どこよりも高額買取」をうたいつつ、割引率や総コストの具体的な数字を示さない。

 

割引率表示から偽装ファクタリングを疑うポイント
  • 割引率だけでなく、買取率と手取り額を確認すると、実質的には大きな値引きになっている。
  • 契約書の条文で、売掛先が支払えない場合に必ず買戻し義務がある(ノンリコースといいながら実質リコース)。
  • 貸金業と見なされるスキームであるにもかかわらず、貸金業登録番号の表示がない。

 

このような特徴が見られる場合、条件の妥当性だけでなく、そもそも法令に沿った取引かどうかが問題となります。

不審な点があれば、契約前に金融庁・日本貸金業協会・弁護士などに相談し、その事業者との取引を避けることも含めて検討することが重要です。

 

適正な割引率で契約するためのチェックリスト

最後に、適正な割引率でファクタリング契約を結ぶために、契約前に確認しておきたいチェック項目を整理します。

割引率は、売掛先の信用力や期間などで変動しますが、利用者側が事前に情報を整理し、複数社の見積もりを比較することで、交渉余地を広げることができます。

 

  • 自社と売掛先の条件整理
    • 売掛先の業種・規模・過去の入金実績(遅延の有無)
    • 支払サイト(日数)、売掛金額、取引頻度
  • 見積もり取得・比較
    • 2〜3社から同じ売掛金(同じ売掛先・同じ金額・同じ支払期日)で見積もりを取る
    • 各社の買取率(%)、割引率(%)、諸費用(円)を明示してもらう
    • 請求書額100万円を前提に「手取り額」「総コスト」「年率換算」の概算を自社で試算する
  • 契約書・リスク条項
    • 売掛先が支払わなかった場合の扱い(リコース/ノンリコース)の条文を確認する
    • 遅延損害金や違約金の水準が、常識的な範囲かどうかを見る
  • 他の資金調達手段との比較
    • 銀行融資・ビジネスローン・手形割引などの条件も確認し、実質年率で比較する

 

適正な割引率で契約するための実務チェックリスト
  • 割引率だけでなく、買取率と諸費用を含めた「手取り額」で複数社を比較したか。
  • 売掛先の信用力や支払サイトを説明し、条件改善の余地があるか交渉したか。
  • 契約書のリコース条項や違約金の内容を理解し、不明点は書面で説明を求めたか。
  • ファクタリング以外の調達手段と実質年率を比較し、「本当にファクタリングが適切な場面か」を確認したか。

 

このようなチェックを行うことで、「割引率の安さ」だけにとらわれず、自社の資金繰りやリスク許容度に合った適正な条件でファクタリングを利用しやすくなります。

 

まとめ

ファクタリングの割引を正しく使うには、「割引率=手数料率」と「買取率(掛目)」「諸費用」を分けて考え、請求書額面から手取り額と実質コストを計算して比較することが重要です。

2社間・3社間で相場が異なることや、売掛先の信用力・期間が割引率に影響する点、手形割引との違いを押さえておけば、極端な高割引や偽装ファクタリングを避けやすくなります。

複数社の見積りを同じ前提条件で並べ、数字とリスクを冷静に比較しながら、自社の資金繰りに無理のない割引率で契約することが、失敗を防ぐ近道です。