【厳選19社】ファクタリングのサービスや手数料を徹底比較 >

当サイトはプロモーションが含まれています

中小企業向けファクタリング審査の基準と必要書類3ポイントをやさしく解説

銀行融資が利用しにくい中小企業・個人事業主にとって、売掛金を現金化するファクタリングは有力な資金調達手段の一つです。ただし、どのような審査基準で可否が判断されるのかを把握していなければ、申込後に想定外の否決や条件提示を受ける可能性があります。この記事では、ファクタリング審査の基本、具体的な審査基準、必要書類と手続きの流れ、審査に落ちやすい要因、銀行融資との違いを整理し、客観的に判断するための情報をまとめます。

 

ファクタリング審査の基本

ファクタリングは、事業者が保有する売掛債権を、期日前に手数料を差し引いて専門業者に譲渡して資金化する仕組みです。

法的には「債権の売買(債権譲渡)契約」に位置付けられており、貸付けとは異なる取引類型とされています。

金融当局も、売掛債権を譲渡して資金を調達する取引をファクタリングと説明しつつ、高額な手数料や偽装ファクタリングへの注意喚起を行っています。

 

ファクタリング審査の目的は、売掛債権が期日に確実に回収できるか、また契約が適法で実在する取引に基づいているかを確認することです。

審査では、売掛先(取引先企業)の支払能力や取引実績などの信用情報が主な評価対象となり、与信管理の一環として活用されることもあります。

そのうえで、利用者側の納税状況や反社会的勢力との関係がないかなど、基本的な信用も併せて確認されます。

 

審査の流れは、申込時に請求書や契約書など売掛債権に関する資料を提出し、ファクタリング会社が売掛先と債権内容を確認したうえで、買取の可否や条件(手数料率・買取率・利用限度額など)を決定するのが一般的です。

銀行融資のように長期の財務分析を行うというより、売掛債権と売掛先に焦点を当てた審査である点が特徴です。

 

審査対象 主な確認内容
売掛先企業 支払実績、支払遅延の有無、業歴、規模、信用調査会社の情報など
売掛債権 請求書・契約書との整合性、金額、支払期日、回収見込み、紛争の有無など
利用者(申込企業) 基本的な財務状況、納税・社保の滞納状況、口座の入出金状況など
コンプライアンス 反社会的勢力との関係の有無、違法な貸付スキームでないか など

 

ファクタリング審査の目的

ファクタリング審査の第一の目的は、売掛債権が期日に支払われる可能性を客観的に見極めることです。

ファクタリング会社は、売掛先の支払能力や取引実績、業績の変化などを総合的に確認し、未回収リスクを把握します。

 

この過程は、商取引における与信管理と同様に、売掛金が未回収となるリスクを事前に把握する役割を持ちます。第二の目的は、契約の適法性と実在性を確認することです。

請求書や基本契約書、発注書・納品書などの内容が互いに整合しているか、売掛金が実際の取引に基づいて計上されているか、二重譲渡や架空請求になっていないかといった点がチェックされます。

金融当局は、ファクタリングを装った違法な高利貸しに注意を促しており、そのようなスキームと区別するうえでも、契約内容の精査が重視されています。

 

第三の目的として、利用者と売掛先の双方が、債権譲渡の内容を正しく理解できるようにする役割もあります。

特に三者間ファクタリングでは、売掛先への通知や承諾を通じて、誰に支払えばよいか、期限や金額がどうなるかを明確にし、トラブルを防ぐことにつながります。

 

ファクタリング審査の主な目的
  • 売掛債権の回収可能性を事前に確認すること
  • 契約・請求が実在し適法であるかを検証すること
  • 関係者間で支払先・条件を明確化しトラブルを防ぐこと

 

審査で見られる信用項目

ファクタリング審査では、売掛先企業に関する信用項目が中心的な評価対象となります。具体的には、過去の支払実績、取引期間の長さ、入金遅延の有無、業績や財務内容、信用調査会社のレポートなどが確認されます。

取引実績の乏しい新規の売掛先や、支払遅延が多い先に対する債権は、審査で慎重に評価される傾向があります。

 

同時に、売掛債権そのものの内容も重要な信用項目です。請求書の記載内容と基本契約書・発注書・納品書などが一致しているか、支払期日までの日数、債権額の大きさ、継続的な取引か単発取引かといった情報がチェックされます。

請求金額や期日が不自然であったり、関連書類が不足している場合は、回収リスクが高い債権と判断される可能性があります。

 

利用者側についても、口座の入出金明細や決算書・確定申告書などから、事業の実態や資金繰りが確認されます。特に二者間ファクタリングでは、売掛先に直接確認できない分、利用者の信用度や経営実態が重視されます。

また、税金・社会保険料の滞納の有無や、反社会的勢力との関係がないかなど、コンプライアンスに関する項目も審査対象に含まれます。

 

主にチェックされる信用項目
  • 売掛先の支払実績・信用情報・業績
  • 請求書・契約書など売掛債権の内容と整合性
  • 口座明細や決算書から見た事業の実態・資金繰り
  • 納税状況や反社会的勢力との関係の有無

 

2社間/3社間で変わる視点

ファクタリングには、利用者とファクタリング会社の2者で契約する「2社間ファクタリング」と、そこに売掛先が加わる「3社間ファクタリング」があります。

3社間では、売掛先が債権譲渡を承諾し、ファクタリング会社が売掛先から直接支払いを受ける形となるため、売掛債権の存在や支払意思を直接確認しやすい構造です。

 

このため、一般に未回収リスクが低く、債権譲渡登記を行わなくても、売掛先への通知や承諾によって対抗要件を備えられるとされています。

一方、2社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡を通知しないケースが多く、売掛金は一旦利用者の口座に入金され、そこからファクタリング会社へ支払われる形になります。

 

この場合、ファクタリング会社は売掛先へ直接確認できないため、架空債権や二重譲渡のリスクに備える必要があります。

そのため、債権譲渡登記を行って権利関係を明確にすることや、利用者側の信用度・資金管理状況をより慎重に確認することが多くなります。

 

このように、3社間ファクタリングの審査では売掛先企業の信用や承諾手続きが中心となり、2社間ファクタリングでは、売掛先の情報に加えて利用者の誠実な入金履歴や納税状況などが特に重視されます。

どちらのスキームでも、法令を遵守した適切な手続きを前提としており、貸金業に該当するような実質的な貸付スキームは金融当局から注意喚起の対象となっています。

 

2社間・3社間で異なる審査のポイント
  • 3社間:売掛先への通知・承諾と直接入金が前提で、売掛先の信用が中心
  • 2社間:売掛先に通知しない分、債権譲渡登記や利用者側の信用度を重視
  • いずれも、架空債権や二重譲渡を避けるための確認手続きが重要

 

個人事業主審査のチェック

個人事業主がファクタリングを利用する場合も、基本的な審査の考え方は法人と同じで、売掛先の信用と売掛債権の内容が主な評価対象です。

ただし、登記簿謄本や法人決算書が存在しないため、事業の実態や継続性を確認するための資料が別の形で求められます。

 

売掛金に関する契約書・発注書・請求書、売掛先からの入金が分かる通帳の入出金明細に加えて、開業届の控えや確定申告書などが必要となるケースが一般的です。

また、個人事業主向けの審査では、納税証明書などを通じて税金の未納状況が確認されることがあります。

 

税金や社会保険料の滞納がある場合でも利用自体が一律に否認されるわけではありませんが、差押え等のリスクを把握するうえで重要な情報とされています。

併せて、本人確認書類や住所情報、事業内容を示す資料などから、事業が実在しているか、継続して収入を得ているかがチェックされます。

 

個人事業主の場合、売掛先が法人ではなく個人である取引や、継続性の乏しい単発案件のみの場合は、ファクタリングの対象外となることもあります。

このため、売掛先の属性(法人かどうか)、取引期間、支払実績などを整理したうえで申し込むことが前提とされています。

 

個人事業主審査で確認されやすい資料
  • 売掛金に関する契約書・発注書・請求書などの取引資料
  • 売掛先からの入金実績が分かる通帳の入出金明細
  • 開業届の控えや直近の確定申告書
  • 納税証明書など税金の納付状況が分かる書類

 

ファクタリング審査の基準

ファクタリングの審査は、「誰から、どのような売掛金を、いくら、どれくらいの頻度で回収するのか」を総合的に確認するプロセスです。銀行融資と違い、審査の主役は申込企業ではなく、売掛先企業と売掛債権そのものです。

そのうえで、申込企業の財務状況や税金・社会保険料の滞納状況、取引先の集中度なども加味し、未回収リスクが許容範囲かどうかが判断されます。

 

具体的には、売掛先企業の信用力(支払実績・業績・規模)、請求書の支払期日や取引の継続性、自社の財務内容や資金繰り、取引金額の大きさと取引先の分散状況といった複数の要素を組み合わせて審査します。

一つの項目だけで決まるのではなく、総合点で判断されるイメージです。そのため、申込前に自社でこれらの基準を整理しておくと、審査結果や提示される条件を予測しやすくなります。

 

審査の軸 主な確認ポイント
売掛先企業 支払実績、入金遅延の有無、業績、業種・規模、信用情報
売掛債権 請求書・契約書との整合性、支払期日までの日数、金額、紛争の有無
自社の状況 決算内容、資金繰り、税金・社会保険料の滞納状況、口座の入出金
取引構造 1社への売上集中度、取引金額の大きさ、取引先数、継続性

 

売掛先企業の信用情報

ファクタリング審査で最も重視されるのが、売掛先企業の信用情報です。

ここでいう信用情報とは、売掛先が期日に代金を支払えるかどうかに関する客観的な情報の総称で、具体的には、過去の支払実績、入金遅延の有無、取引年数、売上規模・自己資本などの財務内容、業種や市場環境、信用調査レポートの内容などが含まれます。

 

審査では、まず「今まできちんと支払ってきた先かどうか」が確認されます。複数年にわたって支払遅延がなく継続取引がある先は、一般に評価がしやすくなります。

逆に、支払遅延が多い先や、支払条件がたびたび変更されている先は、同じ金額の請求書でもリスクが高いとみなされやすくなります。

また、急激な売上減少や赤字決算が続いている先、主要取引先の倒産など、業績・環境に大きな変化が出ている企業も慎重に評価されます。

 

売掛先が上場企業や大企業である場合、公開情報が多く、与信判断もしやすい傾向があります。一方、中小企業や個人事業者が売掛先となる場合は、決算情報が限られるため、入金実績や取引年数、同業他社からの情報などがより重視されます。

申込企業としては、売掛先の支払状況や経営状況について日頃から把握しておき、ファクタリング会社の照会に客観的に説明できる状態を整えておくことが重要です。

 

売掛先信用情報でチェックされやすい項目
  • 過去の入金遅延の有無とその頻度
  • 取引期間の長さと継続性(取引年数・取引件数)
  • 売上規模・財務内容・業績のトレンド
  • 業種・市場環境、信用調査レポートの評価

 

支払期日と取引期間の目安

同じ売掛金でも、支払期日までの残り日数や、売掛先との取引期間によってリスクの見え方が変わります。一般に、支払期日までの日数が短いほど、将来の環境変化の影響を受けにくいため、審査上は有利になりやすいと考えられます。

逆に、支払期日が3か月以上先など、いわゆる「長いサイト」の請求書は、景気や売掛先の業績変動の影響を受ける期間が長くなるため、慎重な評価の対象になります。

 

取引期間も重要な指標です。過去に複数回の取引があり、毎回問題なく支払われている場合は、「実績のある先」として評価しやすくなります。

一方、初回取引や単発の取引のみの場合、取引相手としての実績が少ないため、同じ売掛金額でも慎重な判断となるケースがあります。

特に、初回取引で金額が大きい請求書の場合は、追加資料の提出や売掛先への確認など、審査に時間を要することがあります。

 

申込企業としては、売掛先との取引開始時期、過去の取引件数、通常の支払サイト(例:締め日から60日など)を整理しておき、ファクタリング会社に説明できる状態にしておくとスムーズです。

また、売掛先との取引条件を変更したばかりの場合(掛け条件の変更や支払期日の延長など)は、その理由や背景も併せて説明できるよう準備しておくとよいでしょう。

 

項目 リスクが低めとされる例 慎重に見られやすい例
支払期日 請求日から60日以内の支払サイト 請求日から90〜120日以上の長いサイト
取引期間 数年にわたり継続した取引実績がある 初回取引、または単発で終了予定の取引
取引回数 定期的に継続して発注・請求が発生 不定期で少数回のみの取引

 

自社の財務状況と滞納履歴

ファクタリングは売掛先の信用を重視する取引ですが、申込企業(自社)の財務状況や納税状況も審査項目に含まれます。

特に2社間ファクタリングでは、売掛金がいったん自社の口座に入金され、その後ファクタリング会社に支払う形となるため、自社の資金管理能力や誠実な支払姿勢が重要になります。

 

決算書や試算表、確定申告書、通帳の入出金明細などから、事業の実態や資金繰りの状況が確認されます。

税金や社会保険料の滞納履歴も重要なチェックポイントです。滞納があると、税務署などによる差押えが行われる可能性があり、差押えの対象に売掛金や預金が含まれることで、ファクタリング会社の回収リスクが高まるためです。

滞納がある場合はその金額や分納状況、解消の見込みなどを確認されることがあり、内容によっては利用条件が制約されたり、利用が難しくなったりするケースもあります。

 

また、急激な赤字や債務超過など、財務面での悪化が大きい場合も、審査で慎重に見られます。ファクタリングは融資ではありませんが、継続的な利用を想定する場合には、一定の事業継続性が必要と判断されるためです。

申込企業としては、可能な範囲で資金繰り計画を整理し、必要であれば税務署との分納合意などを事前に整えておくことで、審査時の説明がしやすくなります。

 

自社の状況で注意したいポイント
  • 税金・社会保険料の滞納がないか、あっても解消・分納の見通しがあるか
  • 急激な赤字・債務超過など、財務が大きく悪化していないか
  • 通帳の入出金や売上推移から事業実態が説明できるか
  • 2社間の場合、自社からファクタリング会社への支払に無理がないか

 

取引金額と取引先分散のバランス

ファクタリング審査では、請求書1枚ごとの金額だけでなく、「全体の売上構成の中でその売掛金がどの程度の割合を占めるか」も確認されます。

特定の取引先1社に売上が大きく偏っている場合、その取引先の業績悪化や支払遅延が、自社の資金繰り全体に直接影響するため、リスクが高いと評価されやすくなります。

 

これを「取引先集中リスク」と呼び、一般的な与信管理でも重要な視点とされています。

例えば、売上の7〜8割以上を1社に依存している場合、その1社に問題が起きると、ファクタリングを使っても資金繰り全体が不安定になりやすくなります。

 

一方で、複数の取引先に売上が分散している場合、1社の支払遅延が発生しても全体への影響は限定的になりやすく、審査上もリスクが低めと評価しやすくなります。

ファクタリング会社は、利用申込時に主要取引先別の売上構成を確認し、どの程度集中しているかをチェックすることがあります。

 

申込企業としては、自社の主要取引先ごとの売上比率をあらかじめ整理しておき、必要であれば新規取引先の開拓や、売上構成の見直しを検討することも有効です。

また、一度に非常に大きな金額をファクタリングする場合には、その後の売上・入金計画も含めて説明できるようにしておくと、審査の納得性が高まりやすくなります。

 

取引金額と分散状況を確認するチェック例
  • 主要3社で売上の何割を占めているか把握しているか
  • 1社に売上の大半が集中していないか
  • 大口案件の請求後も、継続的な売上・入金の見通しがあるか
  • 新規取引先と既存先のバランスを意識できているか

 

ファクタリング審査の流れ

ファクタリングの審査は、問い合わせから入金までを一定の手順に沿って進めるのが一般的です。

多くの事業者向けファクタリングでは、①事前相談・問い合わせ、②申込(仮申込を含む)、③必要書類の提出、④売掛先・売掛債権を中心とした審査、⑤契約締結、⑥債権譲渡手続と買取代金の入金、という流れで行われます。

 

銀行融資のように長期間かけて財務分析を行うのではなく、売掛先の支払実績や取引内容を確認したうえで、短期間で可否と条件を決定するのが特徴です。

最近は、Webフォームやオンライン面談を活用し、申込から審査・契約までをインターネット上で完結できるサービスも増えていますが、流れ自体は対面型と大きく変わりません。

 

利用者側としては、各ステップで何を聞かれ、どの書類を求められるのかを事前に把握しておくことで、審査の所要時間ややり取りの回数を抑えやすくなります。

また、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは、売掛先の関与や債権譲渡の通知方法など、一部の流れが異なるため、自社がどちらの方式を利用するのかを意識して整理しておくことも重要です。

 

  1. 事前相談・問い合わせ(電話・メール・Webフォームなど)
  2. 申込内容の確認と仮見積り・概算条件の提示
  3. 請求書・契約書・通帳明細など必要書類の提出
  4. 売掛先・売掛債権を中心とした審査
  5. 条件提示と合意後の契約締結
  6. 債権譲渡手続(通知・登記など)と買取代金の入金
  7. 支払期日における売掛金の精算

 

事前相談から申込までのステップ

事前相談の段階では、まず「どの請求書を現金化したいのか」「いくら必要なのか」「いつまでに資金が必要か」といった基本情報が確認されます。

電話・メール・Webフォームなどで問い合わせを行うと、概算の手数料水準や利用可能性の目安が提示されることが多く、この時点で自社の条件に合うかどうかを判断します。

 

正式申込に進む際には、申込書(またはオンライン入力フォーム)に、会社名・所在地・代表者情報・事業内容・主な取引先・希望金額・利用予定の請求書情報などを記載します。

併せて、売掛先の名称・所在地・支払サイト、過去の取引期間や支払実績なども確認されるのが一般的です。

 

この段階では、まだ全ての書類を提出しない簡易申込の形をとり、後続のヒアリングで詳細を詰めていくケースもあります。

事前相談と申込のステップを整理しておくことで、「どの請求書を対象にするか」「どの取引先を優先するか」など社内調整もしやすくなります。

また、複数社から見積りを取りたい場合は、同じ前提条件(請求書の額面・支払期日・取引先など)で情報を伝えると、条件の比較がしやすくなります。

 

事前相談〜申込で整理しておきたい事項
  • 資金が必要となる時期と金額の目安
  • 現金化したい請求書の額面・支払期日・売掛先
  • 売掛先との取引期間・支払実績などの概要
  • 複数社から見積りを取る場合の比較条件

 

ヒアリングと必要書類の準備

申込後のヒアリングでは、担当者が電話やオンライン面談などで、事業内容や資金需要の背景、売掛先との取引実態などを詳しく確認します。

この際に、どの売掛金を対象にするか、2社間と3社間のどちらの方式を用いるか、債権譲渡登記の要否など、具体的なスキームがすり合わせられます。同時に、必要書類の案内が行われます。

 

一般的な事業者向けファクタリングで求められる主な書類は、売掛金に関する資料(請求書、基本契約書、発注書・納品書など)、入出金状況を確認する通帳の写し(直近数か月分)、直近の決算書や確定申告書、法人の場合は履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、代表者の本人確認書類などです。

サービスによっては、税金・社会保険料の納付状況を確認する書類を求めるケースもあります。

 

必要書類はファクタリング会社によって一部異なりますが、いずれも「取引が実在していること」「売掛先の支払能力が一定程度認められること」「自社の事業実態が説明できること」を確認するためのものです。

オンライン完結型サービスでは、通帳や請求書をスマートフォンで撮影してアップロードする方式が用いられることもあります。

 

書類種別 主な内容・役割
請求書・契約書 売掛金の額面・支払期日・取引内容(実在性)の確認
通帳・入出金明細 売掛先からの入金実績や資金繰りの状況の確認
決算書・確定申告書 事業規模・収益性・継続性などの把握
登記簿謄本・本人確認書類 法人・代表者の基本情報の確認、なりすまし防止

 

書類準備のポイント
  • 請求書と契約書・納品書の内容が整合しているか確認する
  • 通帳は直近数か月分を用意し、主要な入出金に説明を付けられるようにする
  • 最新の決算書・確定申告書を準備し、直近の業況を示せるようにする
  • 必要書類リストを事前に取得し、不足がないようチェックする

 

審査結果の連絡から入金まで

必要書類の提出後、ファクタリング会社は売掛先企業の信用情報や支払実績、売掛債権の内容、自社の資金繰りや納税状況などを総合的に確認し、買取の可否と条件(手数料率・買取率・入金日など)を決定します。

審査の所要時間はサービスや案件の内容によって異なりますが、事業者向けファクタリングでは、書類が揃ってから比較的短期間で結果が連絡されるケースが一般的です。

 

審査結果の連絡では、「買取可能な請求書の範囲」「手数料率や買取金額」「入金予定日」「必要となる契約書類や手続き」が説明されます。

内容に問題がなければ、基本契約書・個別契約書などの締結に進みます。3社間ファクタリングの場合は、契約と並行して売掛先への債権譲渡通知や承諾手続きが行われ、2社間ファクタリングの場合は、債権譲渡登記を行うケースもあります。

 

契約締結後、ファクタリング会社は契約条件に基づき買取代金を指定口座に振り込みます。入金後は、支払期日に売掛先から入金された代金を用いて精算を行う流れとなります。

2社間ファクタリングでは、売掛先から一旦自社口座に入金された代金のうち、ファクタリング会社への支払分を振り込む形が一般的であり、3社間ファクタリングでは売掛先からファクタリング会社へ直接入金されます。

 

審査結果〜入金で確認しておきたい点
  • 手数料率・買取率・入金予定日など条件の妥当性
  • 必要な契約書の種類と、署名・押印の流れ
  • 2社間か3社間かによる精算方法の違い
  • 債権譲渡通知や登記など、追加手続きの有無

 

オンライン完結サービスの特徴

近年は、申し込みから審査・契約・入金までをオンラインで完結できるファクタリングサービスが増えています。

問い合わせや申込はWebフォームやチャットで行い、本人確認や契約は電子署名・オンライン面談を用いる方式が一般的です。

 

通帳の取引明細や請求書・契約書も、スマートフォンで撮影した画像やPDFで提出できるため、来店や郵送の手間を抑えられます。

オンライン完結型であっても、確認されるポイントは対面型と同様で、売掛先企業の信用情報、売掛債権の内容、自社の事業実態や納税状況などが審査対象になります。

 

入力内容と提出書類の内容に相違がある場合や、画像が不鮮明で金額や期日が判読できない場合には、追加確認や再提出が必要となり、結果として審査に時間がかかることもあります。

一方で、オンライン対応をうたう業者の中には、貸金業登録を受けずに高額な手数料を課す違法なスキームも報告されています。

金融当局や消費者庁は、ファクタリングを装った違法な貸付や「給与ファクタリング」に関する注意喚起を行っており、手数料が債権額に比べて著しく高い場合などは特に注意が必要とされています。

 

オンライン完結型サービス利用時の注意点
  • 申込内容と提出書類の金額・期日などを正確に一致させる
  • 画像やPDFは内容が鮮明に読める状態で提出する
  • 手数料水準や契約内容を事前に確認し、不明点を残さない
  • 極端に高い手数料や不明確な説明の事業者には注意する

 

審査に落ちる理由と対策

ファクタリングの審査で否決となる場合、多くは「売掛先に起因するリスク」「売掛債権そのものの問題」「申込企業側の信用・コンプライアンス上の懸念」のいずれか、もしくは複数が重なっているケースです。

銀行融資と異なり、ファクタリングは売掛先の支払能力と売掛債権の実在性・回収可能性を重視する取引であるため、売掛先の事故情報(倒産や長期延滞など)があれば、申込企業が健全であっても否決となることがあります。

 

一方で、売掛債権の内容に不備がある場合(契約書と請求書の内容不一致、納品・検収の確認ができない、支払条件が特殊すぎるなど)も、回収リスクが高いと判断されやすくなります。

さらに、申込企業側に税金・社会保険料の長期滞納や差押えリスクがあると、支払期日に売掛金が差し押さえられる可能性が出てくるため、慎重な判断につながります。

 

こうした否決理由の多くは、事前準備や情報整理によって一定程度コントロールできる項目も含んでいます。

審査のポイントを理解し、自社と売掛先の状況を客観的に洗い出したうえで、必要書類の整備や条件見直しを行うことで、審査通過の可能性を高めることができます。

 

  • 売掛先の経営状態・支払実績に起因する否決
  • 売掛債権の内容や契約条件に起因する否決
  • 税金・社保滞納など申込企業側の要因による否決
  • 事前準備不足による情報・書類の不足が原因の否決

 

売掛先の経営悪化と事故情報

ファクタリング審査で最も影響が大きい否決要因の一つが、売掛先の経営悪化や「事故情報」です。

ここでいう事故情報とは、倒産・民事再生・会社更生などの法的整理、長期の支払遅延、手形の不渡り、信用情報機関に登録される延滞情報など、支払能力に重大な懸念がある情報を指します。

 

これらの情報がある場合、売掛金が期日に支払われない可能性が高いと判断されるため、原則として買取が難しくなります。

経営悪化は、決算上の赤字や債務超過だけでなく、売上の急減、主要取引先の喪失、業界全体の不振などからも読み取られます。

 

売掛先が短期間で急激に規模を拡大している場合や、新規事業に過度に依存している場合なども、将来の変動要因として慎重に評価されることがあります。

また、過去に支払遅延が繰り返されている先や、支払サイトの延長を何度も依頼してくる先も、同額の売掛債権でもリスクが高いと判断されやすくなります。

 

申込企業の立場では、売掛先の経営状態を直接コントロールすることはできませんが、「取引先管理」として日頃から情報収集を行うことは可能です。

決算公告や登記情報、取引先からのニュースリリース、業界紙・業界ニュースなどを通じて、主要取引先の状況を把握し、明らかにリスクが高まっている先への売上依存を減らすといった対応が、結果的にファクタリング審査における否決リスクの低減につながります。

 

売掛先に起因する主な否決パターン
  • 倒産・民事再生など法的整理の開始が公表されている
  • 長期の支払遅延や不渡りなどの事故情報が確認される
  • 過去の取引で支払サイトの延長・条件変更が頻発している
  • 業績悪化や業界不振により、将来の支払能力に懸念がある

 

売掛債権内容の不備や条件

売掛先の信用に問題がなくても、売掛債権そのものに不備や不明点がある場合、審査で否決となることがあります。

具体的には、請求書と基本契約書・発注書・納品書などの内容が一致していない、数量や単価に不整合がある、検収確認が取れていない、値引き・リベート・返品などの条件が明確でないといったケースです。

 

これらは、後日売掛先との間で金額や支払義務を巡るトラブルにつながる可能性があるため、回収リスクが高いと判断されます。

支払条件も重要なポイントです。売掛債権が将来の成果に連動する成功報酬型である場合や、検収完了前の前払的な請求である場合、途中で成果が変更・中止されたときに請求金額が確定しない可能性があります。

 

また、「売掛先の再販売が完了したら支払う」といった販売委託やレベニューシェア型のスキームも、売掛金の性質が通常の請負・売買と異なるため、対象外とされることがあります。

さらに、債権譲渡禁止特約が契約書に明記されている場合や、すでに他の金融機関やファクタリング会社に同一債権を譲渡している(二重譲渡の疑いがある)場合も、否決理由となります。

申込企業としては、取引開始時点で契約書の条項を確認し、債権譲渡の可否や再請求・値引き条件などを把握しておくことが重要です。

 

売掛債権の内容に関する注意点
  • 請求書・契約書・納品書の記載内容を一致させる
  • 検収・完工条件、返品・値引き条件を事前に明文化する
  • 成果連動型・委託販売型の債権は対象外となる場合がある
  • 債権譲渡禁止特約や二重譲渡にならないよう契約を確認する

 

税金・社保滞納など自社要因

ファクタリングは売掛先を重視する取引ですが、申込企業側の状況も審査に影響します。特に注意が必要なのが、税金・社会保険料の滞納や、それに伴う差押えリスクです。

税務署などの公的機関による差押えは、売掛金や預金を対象として行われることがあり、差押えが実行されるとファクタリング会社が回収できない可能性が高まります。

そのため、長期にわたる滞納や、すでに差押え・督促が進行している場合は、否決となることがあります。

 

また、口座の入出金状況や決算書・確定申告書から、事業実態が不明瞭と判断される場合も注意が必要です。

売上・経費の記帳が不十分で取引の流れが追いにくい、現金取引が多く売掛金の発生と入金の関係が分かりにくい、といった状況では、売掛債権の回収可能性を客観的に評価しづらくなります。

 

反社会的勢力との関係が疑われる場合や、過去に不誠実な取引があった場合も、コンプライアンス上の理由から利用が制限されます。

申込企業としては、税金・社会保険料の納付状況を把握し、滞納がある場合は分納計画や解消の見通しをできるだけ具体的に示すことが重要です。

また、日頃から通帳・帳簿・請求書・契約書などを整理しておき、ファクタリング会社からの質問に対して、客観的な資料に基づいて説明できる状態にしておくことが、否決リスクの低減につながります。

 

自社要因として見直したいポイント
  • 税金・社会保険料の滞納や差押えリスクがないか
  • 通帳・帳簿・請求書から取引実態が説明できるか
  • 反社会的勢力との関係や過去のトラブルがないか
  • 資金繰りの状況や今後の計画を整理しているか

 

審査通過率を高める準備ポイント

審査通過率を高めるためには、「売掛先の選び方」「売掛債権の作り方」「自社の情報整備」の三つの観点から準備を行うことが有効です。

まず売掛先については、支払実績が安定しており、取引期間が長い先の請求書を優先的にファクタリング対象とすることで、回収リスクを抑えた案件として評価してもらいやすくなります。

 

支払遅延が頻発している先や、新規取引で実績が少ない先は、可能であれば対象から外す検討も一案です。

売掛債権の作り方としては、契約書・発注書・納品書・請求書の内容をそろえ、検収日や支払期日、数量・単価を明確に記載することが基本です。

 

完工・納品の証跡が残るよう、検収サインやメールでの納品承諾なども整理しておくと、実在性の証明に役立ちます。

また、債権譲渡禁止特約の有無や、値引き・返品条件なども事前に確認し、後から条件が変わりにくい契約設計を心がけることが有効です。

 

自社の情報整備としては、直近の決算書・試算表・確定申告書、通帳の入出金明細、主要取引先別の売上構成表などを準備し、事業の実態や売掛金の位置づけを説明できるようにしておくことが重要です。

あわせて、税金・社会保険料の納付状況や資金繰りの見通しも整理し、「なぜ今ファクタリングを利用したいのか」「利用後にどのように資金繰りを改善していくのか」を客観的に説明できるようにしておくと、審査担当者の理解が得られやすくなります。

 

審査通過率を高めるためのチェックリスト
  • 支払実績が安定した売掛先の請求書を優先して選んでいるか
  • 契約書・発注書・納品書・請求書の内容が整合しているか
  • 決算書・通帳・主要取引先別売上構成表などを準備しているか
  • 税金・社保の納付状況と資金繰りの見通しを整理しているか

 

銀行融資との審査比較

銀行融資とファクタリングは、どちらも事業者の資金調達手段ですが、審査の評価対象やチェックポイントは大きく異なります。

銀行融資の与信審査(=貸付の可否を判断する審査)は、申込企業の財務内容・返済能力・担保の有無など、企業そのものの信用力を中心に見るのが一般的です。

 

一方、ファクタリング審査は、売掛先企業の支払能力と売掛債権の内容・回収可能性に焦点を当てる点が特徴です。

また、審査にかかる時間や必要書類、赤字決算・債務超過の扱い、既存の銀行取引との関係も異なります。銀行融資は長期的な返済を前提にしているため、慎重な審査が行われやすく、時間も相応にかかります。

 

これに対し、ファクタリングは既に発生している売掛金を対象とするため、条件が整えば比較的短い時間で可否と条件が提示されるケースが多いという構造上の違いがあります。

こうした違いを整理しておくと、「どの場面で銀行融資を優先すべきか」「どの場面でファクタリング活用が選択肢に上がるか」を客観的に判断しやすくなります。

どちらが優れているかというよりも、「評価対象」「スピード」「財務への影響」が異なる別の手段として位置付けると理解しやすくなります。

 

項目 一般的な傾向
評価対象 銀行融資:申込企業の返済能力・財務内容/ファクタリング:売掛先の支払能力・売掛債権
資金の性質 銀行融資:借入金(元利返済が必要)/ファクタリング:売掛金の譲渡による資金化
審査スピード 銀行融資:数日〜数週間/ファクタリング:書類が揃えば比較的短期間
赤字決算時 銀行融資:審査が厳しくなる傾向/ファクタリング:売掛先が健全なら利用余地が残る場合あり

 

銀行融資審査との評価対象の違い

銀行融資の審査では、申込企業の財務諸表(貸借対照表・損益計算書など)、資金繰り表、事業計画、担保・保証の有無などをもとに、「返済能力があるか」「長期的に事業が継続できるか」といった観点で評価が行われます。

与信限度額(=貸出可能な上限額)の設定も、企業全体の信用力や過去の取引実績、業績のトレンドなどを総合して判断されるのが一般的です。

これに対して、ファクタリングの審査では、売掛先企業の信用状況と、対象となる売掛債権の内容が中心的な評価対象になります。

 

売掛先の支払実績、取引期間、業種・規模、財務内容などに加え、請求書・契約書・納品書の整合性や支払期日までの日数、紛争の有無といった「売掛金そのものの確実性」が重視されます。

申込企業については、税金・社会保険料の滞納状況や事業実態なども確認されますが、銀行融資ほど長期的な収益力が厳しく問われるわけではありません。

 

このように、「銀行融資=申込企業の将来の返済能力を評価」「ファクタリング=売掛先と売掛金の回収可能性を評価」という大きな違いがあります。

したがって、決算内容は悪化しているものの、売掛先が大企業で支払実績が安定している場合などでは、銀行融資よりもファクタリングのほうが利用の余地が残るケースがあります。

一方で、売掛先に信用不安がある場合は、申込企業が健全であってもファクタリング審査が通りにくくなるという特徴があります。

 

評価対象の違いを整理するポイント
  • 銀行融資:申込企業の財務内容・返済能力・担保の有無を重視
  • ファクタリング:売掛先の支払能力と売掛債権の内容を重視
  • 申込企業の決算が弱くても、売掛先が健全なら検討余地が生じる場合がある
  • 逆に売掛先に信用不安があると、ファクタリングは利用しにくくなる

 

審査スピードと必要書類の差

審査にかかるスピードと必要書類の点でも、銀行融資とファクタリングには違いがあります。

銀行融資は、融資金額や期間にもよりますが、決算書・試算表・事業計画書・資金繰り表・担保に関する資料など、多数の書類を提出し、支店・本部の複数段階で審査が行われるのが一般的です。

そのため、数日〜数週間程度の時間を要するケースが多くなります。

 

一方、ファクタリングで主に求められるのは、対象となる売掛債権に関する資料(請求書、契約書、発注書・納品書など)と、入出金や事業実態を確認するための通帳・決算書・確定申告書などです。

審査の焦点は売掛先と売掛金にあるため、企業全体の長期事業計画よりも、取引の実在性と支払実績が重視されます。

 

その結果、書類が揃えば比較的短期間で審査が完了し、条件提示まで進むケースが多いという特徴があります。

ただし、ファクタリングでも、情報に不整合がある場合や、取引スキームが複雑な場合には、追加資料の依頼や売掛先への確認が必要となり、時間を要することがあります。

 

また、銀行融資でも既存取引があり、与信枠の範囲内で一時的な運転資金を追加するようなケースでは、比較的短期間で対応される例もあります。

したがって、「必ずファクタリングの方が早い」と断定するのではなく、必要書類の性質と審査のプロセスが異なる点を理解しておくことが重要です。

 

審査スピードと書類の主な違い
  • 銀行融資:決算書・事業計画など長期視点の資料が多く、複数段階の審査で時間を要しやすい
  • ファクタリング:請求書・契約書など売掛金に関する資料が中心で、条件が整えば短期間で審査が進みやすい
  • どちらも、書類の不備やスキームの複雑さがあると審査時間は長くなる

 

赤字決算でも利用しやすい理由

銀行融資では、継続的な赤字決算や債務超過が続いている場合、返済能力に対する懸念から、新たな融資や増額が難しくなる傾向があります。

銀行が重視するのは、将来にわたり元金と利息を返済できるかどうかであり、利益水準やキャッシュフロー、自己資本の充実度などが主な判断材料となるためです。

 

これに対して、ファクタリングは「すでに発生している売掛金」を資金化する取引であり、売掛先が健全で支払実績が安定している場合には、申込企業の決算が赤字であっても利用可能なケースがあります。

ファクタリング会社は、売掛金が期日に支払われる可能性を重視するため、売掛先が大企業・上場企業・公的機関などで、倒産リスクが比較的低いと判断されれば、一定の範囲で取引を検討することができる仕組みです。

 

もちろん、赤字決算であっても、事業の継続性や資金繰りの見通しは確認されますが、「返済原資としての利益見込み」よりも、「売掛金の回収可能性」の方がウェイトを占める点が、銀行融資との大きな違いです。

そのため、一時的な赤字や投資負担の増加により銀行融資が難しい場面で、売掛金が安定している場合にファクタリングが検討されることがあります。

ただし、これはあくまで審査の着眼点の違いによるものであり、赤字だから必ず利用できるわけではない点には注意が必要です。

 

赤字決算時に整理しておきたいポイント
  • 売掛先の規模・信用力・支払実績が安定しているか
  • 赤字の要因(一時的要因か構造的要因か)と今後の見通し
  • 売掛金の発生と入金のスケジュールが明確か
  • 銀行融資・ファクタリングそれぞれの役割をどのように使い分けるか

 

銀行と併用する時の注意点

銀行融資とファクタリングを併用する場合は、既存の融資契約との関係に注意が必要です。

銀行との金銭消費貸借契約や当座貸越契約の中には、売掛金を担保とする条項が含まれている場合や、第三者への債権譲渡に銀行の承諾を必要とする条項が盛り込まれている場合があります。

 

このような契約状況を確認せずに売掛金を譲渡すると、契約違反に該当するおそれがあるため、事前に契約書を確認し、必要に応じて銀行側と協議することが重要です。

また、ファクタリングの利用が財務諸表にどのように表れるかも整理しておく必要があります。

 

売掛金を譲渡して資金化した場合、売掛金が減少し、手元資金が増加する一方で、ファクタリング手数料は費用として計上されます。

これを実質的な借入として扱うか、債権売却として扱うかの会計処理は、契約内容やリスク移転の実態によって異なります。

銀行との関係では、「実質的な借入が増加しているのか」「売掛金の回収方法を変更しただけなのか」を説明できるようにしておくことが望ましいとされています。

 

さらに、銀行との関係性という観点では、「短期的な資金繰りはファクタリングで補い、中長期的な設備投資や運転資金は銀行融資で賄う」といったように、役割を整理しておくと、双方とのコミュニケーションが取りやすくなります。

無理にどちらか一方に偏るのではなく、契約条件・コスト・財務への影響を踏まえたうえで、併用の方針を社内で共有しておくことが重要です。

 

銀行と併用する際のチェックポイント
  • 融資契約書に売掛金担保や債権譲渡制限の条項がないか確認する
  • ファクタリング利用後の会計処理と財務諸表への影響を把握する
  • 短期資金と中長期資金で役割分担を整理し、銀行にも説明できるようにする
  • 契約条件やコストを総合的に比較し、無理のない併用方針を検討する

 

まとめ

本記事では、ファクタリング審査の基本的な考え方、売掛先企業を中心とした審査基準、申込から入金までの流れ、審査に影響する主な要因、銀行融資との違いを整理しました。

審査で重視されるのは、自社だけでなく売掛先の信用情報や取引実績、債権内容の明確さなど客観的なデータです。

あらかじめ必要書類を整え、自社と取引先の状況を把握しておくことで、利用可否や条件を見通しやすくなります。ファクタリングを資金調達手段として検討する際の基礎資料として活用できます。